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【人、瞬間(ひととき)】あの事件 元参議院議員・筆坂秀世さん(60)(上) (2/3ページ)
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ところが数日後、事態は急転する。書記局に匿名ファクスが送られてきたのだ。
「セクハラは参院職員や自民党議員ばかりではない。共産党の幹部もやっている。それが甘い処分で済まされようとしている。このままの処分で終わるのなら世間に公表する」
そんな内容だったという。
「浜野氏に呼び出されて、『こんなものが送られてきた。出演を予定していた番組はキャンセルして、常任幹部会への出席もやめた方がよい』と忠告を受けたので、それに従いました」
再び常任幹部会が開かれた翌日、あらためて浜野と市田に呼び出され、こう告げられた。
「昨日の常任幹部会で処分が変わった。すべての役職を罷免し、議員も辞職してもらう」
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「相手がセクハラと感じたのだから、申し訳なかったと率直に認めました。でも、正直なところ、ここまで厳しい処分がなされるとは思わなかった」
処分を決めた党は、勝手な弁明を禁じた。公表にあたっては、被害者の二次被害を防ぐという理由で、セクハラの内容には言及しない方針を決めた。そして公表後は筆坂にマスコミから身を隠すように命じた。