欧州から被爆者が初提訴へ スウェーデンの邦人女性出国した被爆者は健康管理手当の受給権を失うとした旧厚生省の通達で援護を受けられなかったとして、スウェーデン在住の日本人女性(64)が近く、国に120万円の損害賠償を求める訴えを長崎地裁に起こすことが28日、分かった。 通達を違法と認めた判決が昨年11月に最高裁で確定。国は8月、在外被爆者が国家賠償請求訴訟を起こせば、慰謝料と裁判費用に相当する計120万円を支払うことを決め、これまでに米国とブラジルの被爆者が訴えを起こしているが、欧州在住者の提訴は初めて。 女性によると、長崎市の爆心地から3・2キロの場所で被爆。結婚をきっかけに1983年にスウェーデンに移住した。女性は「被爆者医療の蓄積がない海外での不安は大きく、厚生労働省には何度も電話をして援護を訴えてきた。これまでの苦しみを国に分かってもらいたい」と話している。 また被爆後に帰国した韓国人約400人も12月5日、大阪、広島、長崎の3地裁に集団提訴する方針。一連の訴訟の支援者は「住んでいる国に被爆者団体がなく、国家賠償の情報が得られない被爆者も多い。国は平等に救済が受けられるように手当てすべきだ」と指摘している。
【共同通信】
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