医事課長の「ベッドコントロール」を紹介
メディカルコンソーシアム医事マネジメント部会はこのほど、「大規模急性期病院の経営戦略〜医事課の取り組み〜」をテーマに第5回部会を開き、筑波メディカルセンター病院の中島良一医事課長が同病院の「ベッドコントロール」などについて紹介した。
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初めに、MMオフィス代表の工藤高氏が、「マグネットホスピタルって何」をテーマに講義した。
工藤氏は「マグネットホスピタル」について、さまざまな定義があるとした上で、「患者、職員を吸着させて離さない病院」とした。工藤氏は看護師を例に挙げ、「看護職員が集まる病院は、患者が集まる病院」として、両者には相関関係があると指摘した。
その上で、看護師を集めるには「看護職員の入りを計りて、出るを制すこと」が必要だと強調。新卒、中途採用を積極的に行うとともに、職員が辞めない病院をつくる努力は常に必要、とした。
工藤氏は「ミッションとビジョンが明確でないと、患者さんも職員も集まらないし、収益も高まらない」と指摘。ミッションとビジョンがはっきりした「ぶれない経営」をしている病院が「マグネットホスピタル」になると述べた。
続いて、中島氏が同病院のベッドコントロールを紹介した。
同病院では、「救急入院患者が入院できるベッドを確保すること」「予約入院患者が決められた予約日に入院が可能な状態にすること」を目的にベッドコントローラーを設置。
「満床を理由に入院を断ることなく、常に空床情報の把握に努める」「長期在院患者を把握し、在院日数の短縮に努める」「稼働率の向上に努める」「情報の一元化を図る」がベッドコントローラーの役割となっており、毎日午前10時から重症病棟に救命救急センター長、看護部長、医事課長ら関係者が集まって、ベッドコントロールを実施している。
ベッドコントロールは、「中症ベッドは定時入院患者、重症病棟からの転棟患者を優先する」「定床オーバーしている診療科は、積極的に退院促進努力を行う」「予定退院患者の退院時間は、午前11時に設定する」などのルールに基づき行われている。
中島氏はこうした取り組みについて、「ナースだけでベッドコントロールを実施していたころに比べ、ベッドコントロールにかかる時間が短縮した」「ベッド情報の共有化が図れ、コミュニケーションが取りやすく、コントロールがスムーズになった」などの反響が院内であったことを紹介。「医師、看護師、薬剤師、介護福祉士などがチームで行動していることを実感でき、達成感を味わうことができる非常にいい仕事」と自身の感想を述べた。
次回部会は来年1月24日午後2−5時、早稲田速記医療福祉専門学校(東京都豊島区)で開かれる。市立大村市民病院(長崎県)の福田行弘医事課長が「医事課によるDPCデータマネジメント〜リアルタイム経営の実践〜」と題して講義する。参加費は8000円。
更新:2008/11/28 17:50 キャリアブレイン
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