県民の新型インフルエンザ対策を県が調べたところ、流行時に外出しなくても済むように2週間分の食料備蓄をしているのは10%にとどまることが分かった。県はポスターやホームページで、流行前に対策を講じる必要性を呼び掛ける。
調査は8月、県のアンケートに定期的に答える県政モニター185人を対象に実施。133人の回答を得た。回答率は71.9%。
2週間分の食料備蓄について尋ねたところ、最も多かった回答は「これから備蓄する予定」(54%)。「備蓄するか分からない」(28%)「備蓄しない」(8%)と合わせ、90%が調査時点で備蓄していなかった。
県は、感染拡大を防ぐため、咳(せき)が出る人はマスクを着用する「咳エチケット」の定着を図っているが、「咳エチケットを知っている」人は34%にすぎなかった。「具体的に知らない」「知らない」が計66%を占めた。
新型インフルエンザ感染時の対応でも認識不足が浮かび上がった。
病院での2次感染を防ぐため、感染が疑われる場合は保健所に電話相談し、指示を受けるように促しているが、調査では「かかりつけの医療機関を受診」が55%でトップ。「最寄りの医療機関を受診」(19%)「総合病院を受診」(15%)と続き、「保健所に相談」は11%で最も少なかった。
県の推計では、新型インフルエンザ発生時の死亡者は県内で最大約6100人、入院患者は最大約1万9000人。県は水や缶詰、冷凍食品など食料だけでなく、流行時には品薄になる恐れがあるマスクを20枚以上備蓄するように呼び掛けている。
=2008/11/28付 西日本新聞朝刊=