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【社会】

『非正規切り』3万人 景気後退でしわ寄せ 厚労省調査

2008年11月28日 夕刊

 米国発の世界的な景気後退に伴う企業業績の悪化で雇用情勢の厳しさが増す中、少なくとも約三万人の非正規労働者が十月から来年三月までの間、契約の中途解除や契約期間満了後の雇い止め、解雇などの雇用調整(予定を含む)をされていることが二十八日、厚生労働省の全国調査で分かった。

 二十五日現在で内容が確定した事例の集計で、厚労省が実際の人数を調査したのは初めて。厚労省は「今後さらに非正規労働者を中心に大量離職の発生や新卒者の採用内定取り消しが懸念される」との危機感から、二十八日緊急雇用対策本部を設置し、状況把握や企業への指導、失業した人の早期再就職支援などを行う。

 調査によると、雇い止めや契約の中途解除などをされた非正規労働者は三万六十七人(二十五日現在)。派遣労働者が三分の二の一万九千七百七十五人(65・8%)を占め、期間工などの有期契約労働者は五千七百八十七人(19・2%)、請負労働者は三千百九十一人(10・6%)だった。

 産業別では製造業が二万八千二百四十五人と93・9%を占めた。都道府県別では、トヨタ自動車など自動車関連企業が多い愛知県が最多の四千百四人(13・6%)。岐阜県千九百八十六人、栃木県千六百八十人と続き、長野、広島、大分、静岡、神奈川、宮城、東京が千人以上だった。

◆新卒者の内定331人取り消し

 来年三月卒業見込みの新卒者の採用内定を取り消した事業所は全国で八十七社、対象者は計三百三十一人(二十五日現在)に上ることが二十八日、厚生労働省のまとめで分かった。

 企業の届け出による集計が始まった一九九三年以降、最も多かったのは山一証券の経営破たんの影響などがあった九八年三月卒の千七十七人。

 大学や短大、専門学校などが九割超の三百二人(七十五社)、高校生が二十九人(十五社)。規模別の取り消し人数は、従業員三百人以上が二十四社百七十七人(53%)と最も多く、九十九人以下が四十社八十一人(24%)、百−二百九十九人が二十三社七十三人(22%)だった。

 

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