【第19回】 2008年11月28日
もの覚えが悪くなる? うつる? キレる?
男が知りたい「生理の怪奇現象」
■怪奇現象その(6): 生理前のイライラで職場崩壊?
Q.生理前にイライラしやすくなることくらいはわかっていますが、同僚Aさんは少し異常だと思います。上司に暴言を吐いたり、机を蹴ったり。ふだんはいい人なだけに、理解できません。
A.排卵から生理が始まるまでの間、イライラしたり気分が沈んだりすることはよくあること。これは「月経前症候群(PMS)」と呼ばれ、女性の約80%に見られる。ところが、その中の5~8%くらいは日常生活に支障をきたすほど深刻な症状を抱えている。
病名は「月経前不機嫌性障害(PMDD)」。暴言、暴力、ひどい抑うつなどが見られ、仕事もスムーズにできなくなってしまう。
原因はホルモンのアンバランスとされる。エストロゲンやプロゲステロン(女性ホルモンのひとつ)の濃度が変わり、精神を安定させる「セロトニン」が低下するからではないかと言われている。
PMDDの場合、周りも大変だが、一番つらいのは本人だ。場合によってはひどい抑うつから自殺に至ることもある。一刻も早く専門科を受診させよう。
女性の持つ
「3つの顔」に注意!
閉経前の女性は誰しも3つの顔を持っている。「生理前」「生理中」「生理後」の顔だ。次のような兆候にさりげなく注意するようにしよう。
■こんなときは?
→「太り始めた、肌荒れが目立つ、イライラ・うつうつしている」
生理前の可能性あり!言動に注意し、きつく叱ったりしない。むやみに反発したり、逆に落ち込んでしまったりと、マイナスの効果を与えかねない。
■こんなときは
→「太ったようだ、顔色が悪い、しんどそう」
生理中の可能性がある。重いものを運ばせたり、歩かせたりしない。また、寒い場所にいると症状が悪化するので、室温に注意する。人によっては、重要な仕事からはずしたほうがよい場合もある。
■こんなときは
→「顔色につやがある、はつらつとしている、仕事が早い」
生理が終わってもっとも元気なとき。記憶力、学習能力もぐんと高まっている。こういうときこそ、どんどん仕事を任せよう。生理前に控えていた小言も、今なら素直に受け入れてくれるかもしれない。
心も体もつねに変化している彼女たち。臨機応変に対応を変えれば、よりよいコミュニケーションができるにちがいない。
■参考:
・「女の脳・男の脳」(日本放送出版協会)
・「脳を活性化する性ホルモン」(講談社)
・「浮気をしたい脳」(小学館)
・「女性のからだ」(新星出版社)
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西川敦子
(フリーライター)
1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の前作「『うつ』のち、晴れ」は、ダイヤモンド・オンラインで人気No.1連載に。
出産後も辞めないアラフォー女、3年で辞める腰掛け男 etc・・・、時代が変われば、働くルールも様変わり。働く男女にまつわる悲喜こもごものケースを多数紹介。男女が共存共栄していくための新たな職場のルールを提案します。