世界的景気後退の中で、我が国製造業の国際競争力が問われている。日本機械輸出組合では製造業の中核である自動車、電子機械、産業機械など日米欧アジア機械産業の国際競争力を毎年調べているが、我が国の競争力に停滞感が表れてきた。
国際競争力を営業利益率×売上高シェアと定義すると、昨年度の4地域企業群の国際競争力は北米が最も強く、次いで欧州、日本、アジアとなり、日本は6年ぶりに3位に後退した。対象15業種のうち、日本がトップになったのは自動車、事務機械、工作機械で前年度より1業種減少した。なお、北米はコンピューター、航空・宇宙機器、重電・産業機械など7業種、欧州は情報・通信機器、自動車部品など4業種、アジアは半導体、造船の2業種である。
日本の競争力が停滞した原因は、第一にアジア企業の売上高が日本以上に伸びたこと、第二に経営の効率化に改善が見られたが米欧アジアはさらに改善を進めたこと、第三に製造段階での競争力がやや低下したこと、第四に競争力を形成する研究開発投資が鈍ってきたことである。
機械関係企業の競争力強化は日本の要諦(ようてい)である。今なすべきことは、第一に持続的成長が見込める新興市場を開拓すること、第二にグローバル製品の開発・販売と海外収益率の向上、第三は販売・管理部門の統合や業務の効率化で生産性を高めること、第四は強い業種を徹底的に強化し、弱い業種については大胆な構造改革を行うこと、第五は収益に結びつく研究開発投資、設備投資を果敢に行うことである。
政府はこれらを税制、経済連携などの通商政策、物流政策、人材育成などの面で強力に支援する必要がある。(創)