笠岡支社次長だった二〇〇二年秋、一人の教員がメディア・リテラシーをテーマにしたイベントの後援依頼に何度も支社を訪れました。「えらい熱心な先生やな」。支社で話題になるほどでした。
そのイベントを紙面で大きく扱ったのはニュースバリューだけでなく、教員の熱意に動かされた側面もあったかもしれません。
今秋、全国の小中高校生を対象にした日本新聞教育文化財団主催の第四回「わがまち新聞」コンクールで笠岡市立陶山小の「陶山ぼっけー新聞」が最優秀賞(一点)に次ぐ、優秀賞(小中高各一点)の栄誉に輝きました。四年生五人の合作。児童の頑張りとともに、忘れてならないのは指導した中村ひとみ教諭の存在です。ほかでもない、八年前の熱心な先生です。
同財団のNIE(教育に新聞を)アドバイザーであり、精力的にNIEに取り組まれています。熱意に呼応し、昨年から新聞社の岡山支局長、総局長、わが地域活動部の滝本清文記者が相次いで陶山小で新聞作りについてアドバイスしました。
同じく優秀賞に選ばれた坂出市立櫃石中の「櫃石新聞」。全校生徒四人が地球温暖化をテーマに作った素晴らしい新聞です。
指導した藤川由香教諭はNIEに積極的に取り組み、今春、わが社に出前授業を依頼されました。多目的活動車「さん太」も出動し、本紙記者が取材や原稿の書き方をレクチャーしました。
子供たち、教員、記者の情熱が二校の受賞の原動力だったと思っています。来年は最優秀を―。関係者はひそかに狙っています。
(地域活動部・遠藤俊介)