ここ何年か、東京に行くたびに新名所と呼ばれる場所に足が向く。直近では赤坂サカス。商業施設や劇場などの複合施設だが、人の多さに見て歩いただけで疲れてしまった。
六本木ヒルズ、汐留、東京ミッドタウンに有楽町イトシア。東京では次から次に新名所が生まれている。真新しい超高層ビル、しゃれたショッピングゾーンや飲食街、広い緑地空間。どこを訪れても圧倒される豪華さだ。
だが、いざなぎ超えといわれた景気拡大を実感できたのは、東京、名古屋など一部地域の限られた人だけだろう。岡山など地方では「もっとよくなる」と思っているうちに景気後退。誰に腹を立てればいいのか。
最近、元大蔵官僚の経済学者の講演を聞く機会があった。米サブプライム住宅ローン問題、貸し渋りなどが重なり合って、今の金融危機を招来している。最大の要因は世界的な不安心理であると。
だからオバマ氏が新大統領としてまずやるべきは力強いメッセージで震源地・米国の人々の奮起を促すことであり、また彼は期待できるとの内容だった。政治の力は大きい。
日本では本年度第二次補正予算案の今国会提出が見送られた。総選挙の思惑絡みか。政治が景気の足を引っ張ってはいけない。恩恵が及ぶのは後でも、景気後退の波が地方を洗うのは早い。