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カネミ油症患者10人、地裁小倉支部に2次提訴

福岡地裁小倉支部に入る弁護団ら(27日午前11時30分、北九州市小倉北区で)=赤松敏夫撮影

 国内最大の食品公害・カネミ油症の一連の訴訟が終結した1989年以降に認定された油症患者が原因企業のカネミ倉庫(北九州市)に損害賠償を求めた訴訟で27日、患者10人が福岡地裁小倉支部に2次提訴した。

 1陣(26人)と同様に1人当たり1100万円、総額1億1000万円を請求。原告はこれで36人となった。

 2次提訴したのは、広島県(6人)、福岡県(2人)、長崎県(2人)の男女。2004年に認定基準が見直され、ダイオキシン類の血中濃度が追加されたことで認定された人が大半という。

 訴状によると、68年2月、カネミ倉庫の食用油精製装置に腐食による穴が開き、脱臭工程で使っていたポリ塩化ビフェニール(PCB)が混入。油を摂取した原告は内臓疾患や皮膚症状などの健康被害や精神的苦痛を受けた。同社が装置の安全性を確認していれば、混入の可能性が高いことがわかっていたなどとしている。

 同日午後に開かれる1陣の第1回口頭弁論では、原告の意見陳述が行われる。カネミ倉庫側は答弁書で、原告の請求を棄却するよう求める。

 カネミ油症を巡っては、食用油を摂取した西日本一帯の1万4000人以上が健康被害を訴えた。研究の結果、主な原因物質はPCBが加熱されて生じたダイオキシン類のPCDF(ポリ塩化ジベンゾフラン)と判明した。

 過去の訴訟の原告となった患者には、最大800万円の和解金が支払われたが、訴訟終結後の認定患者は、カネミ倉庫から見舞金23万円と認定後の治療費しか受け取っていない。

2008年11月27日  読売新聞)
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