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亀田興毅、坂田とガチンコ勝負！
３．８世界前哨戦へ最終調整抜かりなし

2006年02月20日

坂田健史と豪華“ガチンコ”スパーを行った亀田興毅（右）は、右をクリーンヒット！【スポーツナビ】

　３．８世界前哨戦へ最後の仕上げや！　２０日、３月８日に両国国技館で行われる世界タイトル前哨戦に臨むボクシングＷＢＡ世界フライ級４位の亀田興毅が、最終仕上げへ向けて同じ協栄ジムの先輩で世界に２度挑戦したＷＢＡ世界フライ級５位・坂田健史と３分×５Ｒの公開スパーリングを行った。
　試合間近といえども、両者本気モードによるガチンコスパーを展開。この白熱スパーにも「まだまだ。半分もいってない」と答えた興毅は３．８へ向けて、「全体的にレベルアップしていくだけ」とこの最後の集中スパーで最高潮の出来に持っていくことを約束した。

久しぶりの“再戦”、興毅の成長に坂田も舌を巻いた

ガードを固め、ジリジリと坂田を追い詰めていく興毅（右）【スポーツナビ】

　これが“世界”を狙う男たちによるスパーリングだ。同門といえども、お互いに手加減一切なしのガチンコスパーリング。詰め掛けた多数の報道陣もこの緊張感あるスパーに息を呑み、「自分の息遣いが聞こえるくらいでしたね」と坂田が驚くほどの静寂に協栄ジムは包まれた。
　足を使って手数を出していく坂田に対して、興毅はガッチリとガードを固めてプレッシャーをかけつつジリジリ前進。坂田がキレのあるジャブを連発していくと、興毅も負けじと右ボディー、コーナーに追い込んでの連打と持ち味を十分に発揮していた。最終５Ｒ終了間際には、興毅が「ハァッ!」と大きな声を出して闘志を再点火。これは前回のフィリピン人ボクサー３人との集中スパーでは見られなかった光景で、それくらいに“先輩”坂田を相手に迎えて気合が入っていた証拠だろう。

　「出来としてはまだまだ。半分もいってない。もっと上を目指してるからな」と、この白熱スパーにも満足していない様子の興毅。それでも、「まあ、この状態でも、誰が相手でも余裕で勝てるけどな」と自信たっぷりに付け加えることを忘れない。坂田と比べて手数が劣ったことに関しては、「それはオレがプレッシャーをかけていたから。そうやって相手のボクシングをつぶすのがオレのやり方やし、向こうもやりにくかったと思うで」と、これが“興毅スタイル”であることを強調した。

　一方の坂田も、その興毅スタイルのボクシングに対して「すごくガードが固いし、前に出てプレッシャーをかけていくスタイルが確立されていた」と感嘆。昨年５月以来となる興毅とのスパーだったが、「パンチは左右とも強いし、体の強さも増していました」と、“後輩”の成長ぶりを大いに認めていた。

父・史郎氏の判定はフルマークで興毅の勝ち

興毅は試合までに「全体的にレベルアップさせるだけ」と約束【スポーツナビ】

　いつものように大きな声で指示を出し、このスパーを見守った興毅の父でありトレーナーでもある史郎氏は「まあ、あんなもんやろ」と、坂田とのスパー初日に関してまずは合格点。これが試合だとして判定をつけるとしたら？　という記者団の質問に関しては「フルマーク（で興毅の勝ち）やな。坂田は手数で勝負するボクサーやのに、興毅のプレッシャーで手が出なくなった。つまり、興毅が相手のボクシングをさせていないということや。興毅の方がペースを奪ってると思ったから、オレの判定では興毅の勝ち」と満足げに、“興毅、判定勝利”のジャッジを下していた。

　父から合格点をもらい、坂田の「力が強くなっている」というコメントにも、「そうかな？　今日はまだそんな力はなかったと思うけど」と、平然とした表情で答える興毅。ただ、「強くなっているっていう実感は前からあるよ」と日々進化への手応えは十分すぎるほどに持っている。
　１４日に対戦相手がＷＢＣ世界ライトフライ級４位のエドガル・ソーサから急遽、ＷＢＣ世界フライ級１３位のカルロス・ボウチャンに変更したことも「関係あらへん」とまったく意に介さない。今後は来月１日まで集中スパーを敢行。興毅はこの最終仕上げで「全体的にレベルアップするだけ」と宣言した。３．８両国国技館、完ぺきな状態で興毅がリングに上がるの間違いないだろう。

３度目の世界へ、坂田が３．２０復帰２戦目へ臨む

坂田は３．２０復帰２戦目へ向けて「興毅君とのスパーはいい勉強になる」と笑顔【スポーツナビ】

　また、坂田は３月２０日に伊波秀吉（具志川ジム）と復帰２戦目（後楽園ホール）を行うことが決まっている。復帰初戦となった０５年１２月の長谷部弘康戦では、６ラウンドＴＫＯ勝利を収めたものの、金平桂一郎・協栄ジム会長からは「きょうのような試合内容じゃダメ。６０点」と厳しい点数。それだけに、今度の復帰２戦目は坂田自身はもちろんのこと、金平会長、そして誰もが納得できる試合を見せたいところだ。
　興毅とのスパー初日の出来に関しては「足を使って距離を重視するボクシングという感じでやったんですけど、まあまあだったかな。もっと手を出しても良かったと思います」と反省点を挙げた坂田。こちらも、興毅同様に満足した様子はまったくない。しかし、興毅とのスパーリングは、坂田にとってこれ以上ない練習となっているようだ。
　「今度の相手がサウスポーだし、日本に興毅君ほどのサウスポーはいないので、いい勉強になりましたね」
　フライ級で世界を狙うのは興毅だけじゃない。坂田が３度目の世界戦へ向け、静かに闘志を燃やしている。

■第３２９回ガッツファイティング　世界タイトル前哨戦第２弾　亀田場所

３月８日（水）両国国技館　１７：１５開場　１７：３０開始　メーン開始時間２０：００頃

＜フライ級　１０回戦＞
亀田興毅（協栄／ＷＢＡ世界フライ級４位）
カルロス・ボウチャン（メキシコ／ＷＢＣ世界フライ級１３位）

＜８回戦＞
渡部信宣（協栄／日本ウェルター級１０位）
西川和孝（中外／日本ウェルター級３位）

＜８回戦＞
清田広大（協栄）
デー・バイラ（韓国／韓国ウェルター級チャンピオン）

＜４回戦＞
橋本竜星（協栄カヌマ）
越生梅林（Ｔ．Ｉ山形）

＜４回戦＞
城座治隆（協栄）
若木　聡（協栄札幌赤坂）

＜４回戦＞
山田和弘（山神）
小暮桂一郎（本庄）

＜４回戦＞
菅野伸勝（ジャパンスポーツ）デビュー戦
ジェームス村重（ヨシヒロ）デビュー戦

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