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「完璧な答え」と「最適解」

最近は在庫管理に取り組んでいます。

棚卸情報、販売情報、出荷情報などの要素からなる式を解くと、現在の理論在庫が導き出されます。
この理論在庫と実際在庫の数値に大きなずれがないようにし、どこにどの商品がどれだけあるのかを正確に把握することで、適正な生産計画・販売機会損失の最小化を実現することが目的です。

しかし、理論在庫というのは複数の要素から成り立つため、どれか一つの要素がずれていた場合には正確な数値とはなりえません。
こういった場合、様々な取り組みをして理論在庫のずれを最小化することは可能です。極端な話、毎日営業終了後に棚卸をすれば理論在庫と実際在庫を常に一致させることができます。
しかし、もちろんそのような取り組みにはコストがかかります。そしてそのコストが在庫を正確に管理することから得られる利益を下回ってしまうと、逆効果になってしまいます。つまり、完璧に近づけば近づくほど、経済学的にいうところの限界費用(一つ多く何かを行うにおいて発生する費用)が逓増し、限界効用(一つ多く何かを行うにおいて発生する効用)が逓減するわけですね。

よって、ただ闇雲に在庫管理を完璧なものにしようとするのではなく、コストと利益のトレードオフを意識しつつ、最適解を求める必要があります。

例えば、インターネットでウェブサイトが保存されているサーバー(情熱大陸放送後にアクセスが殺到し、マザーハウスの使っているサーバーが落ちてwebsiteが見れなくなりました。。。)は、落ちる確率を限りなく0に近づけることは可能だそうです。しかし、これを半年に一回落ちる程度にするだけで、かかるコストが半分以下に減ったりするそうです。
絶対に落ちないサーバーにして100のコストを払うか、半年に1回落ちるサーバーに50のコストを払うか。もちろんどちらがいいかはケースバイケースですが、完璧なシステムが必ずしも最適解ではないことの良例だと思います。


そうすると、絶対にずれが生じない完璧な在庫管理システムを目指すのではなく、ずれが許容範囲内で発生するが、そのずれを定期的に修正するプログラムを組み込む、といった方法が利益&コストのバランスを考えた場合の最適解なのかなぁと、昨日一日中ああでもない、こうでもないと考えて結論に至りました。
在庫管理って難しいですね。。。

コメント
投稿者: あっこ | October 11, 2008

>在庫管理って難しいですね。。。

そうですね。私は大手外食チェーン勤務が長かったので、
この在庫管理には、いろいろな工夫とコストが要りました。
(実際、私は関連部署ではなかったので、横でチラッと見る程度でしたが)
外食では、すかいらーく、小売では、セブン・イレブンが一日の長がありますが、
(きっと、アパレルでもユニクロなどはそうなのでしょうか?)
システム化することで、パワーバランスは違ってきますね。

大変だけど、いいアイディアは、日々の観察、積み重ねから生まれるものかな。
がんばれ、さこくん!

投稿者: おじい | October 11, 2008

はじめまして おじいと申します。
いつも戸越店でお世話になってるものです。

いつも迫さんのブログ見てるんですが、
なんだか経済の雑誌をみてるような気になります。
自分はFXをしており、経済の動向が気になります。

山崎さんをはじめマザーハウスのスタッフの会話って、
なんだか経済の話ばっかりしてるのかなと想像しちゃうんですが、
いつもどんな会話が繰り広げられるのでしょう??

投稿者: 迫 | October 11, 2008

<<あっこさん

外食チェーンの在庫管理も大変そうですね。。。賞味期限があるぶん、大変そうです。。。 本当に日々の積み重ねが全てだと思います。こつこつと頑張ります!

<<おじい さん
コメントありがとうございます!
副社長との会話は政治や経済の話が多い気がします。。。ただ、実は同じぐらいくだらない話も多いです。。。 恋愛論のようなことを話して女性陣に駄目出しされることも多いです。。。 

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