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勧誘電話対策:職場にかかってくる勧誘電話対策

 以前に自宅にかかってくる逆ギレ系勧誘電話の対策についてまとめた。今回は,職場にかかってくる勧誘電話対策についてまとめてみた。

1.職場にかかってくる勧誘電話のやっかいな点
 職場にかかってくる勧誘電話は自宅にかかってくる勧誘電話と比べて下記の点で厄介である。

1) 勧誘電話と業務電話の区別が難しい。
 会社の外線電話には,多くの取引先や勧誘元から,多い場合には数十人の社員へ電話がかかってくるので,自宅の電話と比べて勧誘電話の判別が難しい。

2) "お客さまに対して失礼"という心理を巧妙に衝かれる。
 毅然とした態度で勧誘電話を撃退しようにも"もし,先方が勧誘電話でなく,重要な取引先であったら?"という迷いが常につきまとってしまう。かくいう私も過去に何度か"一瞬の迷い"によって逆ギレ系につけ込まれる失態を犯したことがある。

3) 逆ギレ系にリダイアル攻撃を受けた場合,業務が麻痺してしまう。
 私も何度かこのような事態に遭遇している。シャレにならないので,このような事態はできるだけ回避したいものである。

 上記より,勧誘電話を効率よく断るには,下記の点が重要になる。

・勧誘電話であることを"いち早く","自信を持って"見抜く。
・逆ギレ系に遭遇した場合,リダイアルさせないように丁重に断る。

 以下,上記のポイントにしたがって職場での勧誘電話対策について述べる。

2.着信記録のすすめ
 勧誘電話,特に逆ギレ系勧誘電話に対抗するためには,毅然とした態度が重要である。自信なさげな中途半端な対応は,逆ギレ系の格好のカモである。勧誘電話に毅然と対応するためには,勧誘電話であることをいち早く見抜くことである。このために,勧誘電話ブラックリストの作成は必須である。しかし,会社には次から次へと新手の勧誘電話がかかってくる。ゆえに,ブラックリストを日々更新する必要があるが,これがなかなか面倒であるのでメンテナンスはつい滞りがちになってしまう。
 私は着信記録用のノートを外線電話の横に常備し,勧誘電話や勧誘電話の疑いがある電話の記録を逐一とるようにした。一見面倒なようであるが,着信記録を活用することで新規の勧誘電話の判別が容易になり,勧誘電話対応に取られる時間を大幅に短縮できた。また,ブラックリストを作成する際にも記憶をたよりに作成するよりもはるかに効率がよかった。
 着信記録には下記の内容を記録した。

・電話がかかってきた年月日時
・電話が終了した年月日時
・先方の会社名
・先方の担当者名
・用件
・宛先
・電話の特徴

 このブログは,着信記録の副産物でもある。


3.勧誘電話の見分け方
 勧誘電話の特徴から勧誘電話を見破る方法をまとめる。

1) 発信元の環境
①電話の後ろがざわついている。
 勧誘電話の場合,同じフロアで大勢の勧誘員が電話をかけていることが多い。このため,電話の後ろがざわついていることが多い。

②自分の声がエコーする。
 一部の逆ギレ系の勧誘電話の中には,こちら話し声をスピーカに出力し,勧誘員の上司がその内容を聞いて勧誘員に指示を与えているらしい。このため,スピーカから出力されるこちらの声が勧誘員の受話器に入り,こちらの話し声がエコーする。
 最近はこのタイプは少なくなったようである。

2) 先方の態度,声色
①声がでかい,声が1オクターブ高い。
 1日中電話をかけまくれば,声帯が鍛えられる。無意識のうちにこうなってしまうのだろう。

②ガラガラ声。
 1日中電話をかけまくれば,さすがに疲れるからだろう。

③言葉遣いがぞんざい,横柄である。
 逆ギレするためにテンションが高いためである。

④息遣いが荒い。
 ついさっき,逆ギレしたからである。

⑤トークが滑らか,機械的,マニュアル的。
 勧誘に慣れているからである。

3) 電話の内容
 勧誘電話は自分の会社の情報を知られることを嫌う。これは違法な行為に関する証拠を残さないようにするためである。下記に典型的な勧誘電話の例を示し,勧誘電話の特徴を解説する。

 勧誘員:「○○といいますが,□□さんお願いします。」

  →特徴1:自分の会社名や名前を最初に名乗らない。

 私:「どちららの○○さんでしょうか?」

 勧誘員:「□REの○○です。」

  →特徴2:会社の略称を名乗る。アルファベット2~3文字が多い。

 私:「□□は不在ですが,ご用件はなんでしょうか?」

 勧誘員:「・・・たいした用件ではありません。」

  →特徴3:用件を言わない。聞いてもはっきり答えない。

 私:「そうしましたら折り返し電話するように伝言いたしますので,そちらの電話番号をお願いします。」

 勧誘員:「・・・またこちらからかけなおします。」→先方から逃げるように電話を切る。

  →特徴4:先方の連絡先を聞いても答えない。


4.職場での勧誘電話対応の基本
1) 電話を取った場合は先方の会社名,担当者名を確認する。
 電話の取次ぎの基本中の基本である。聞いたことのない会社からの電話は,面倒でも一旦電話を保留にし,取り次いでもよいか確認すること。これを面倒くさがっていると,あとでよけいに面倒になることもある。

2) 勧誘電話は取り次がない。
 勧誘電話を最初に取ったあなたの手間は確かに少なくて済むし,不快な思いをする必要もないだろう。しかし,そのかわり,取り次がれた方はたまったものでない。また,電話の取次ぎは,職員の所在やスケジュールを確認する必要があり,結構時間を取られる。取り次ぐ前に断ってしまった方が短時間に処理することができるので,かえって楽である。 一部の元勧誘員の方が開設しているサイトには,「職場へかかってくる勧誘電話は居留守を使わず,自分で断らないと何度でもかかってくる」という記事が掲載されており,これはこれでもっともな意見である。しかし,しつこい勧誘電話の場合,やりとりの流れの中で自然に電話を切るのが難しいので,逆ギレ&リダイアルを誘発しやすい。このため,勧誘電話は取り次がない方がよいと考える。
 他の人宛にかかってきた勧誘電話を本人に取り次がず,かつ,勧誘電話の頻度を低減する方法は後述する。

3) 先方の素性が分かるまでは,自分の名前を明かさないこと。
 この理由は2つある。
 そのひとつは取った電話が自分宛の勧誘電話である場合の防衛目的である。こちらが"ターゲット"と分かれば,お得意のセールストークが始まり,勧誘電話を断りにくくなる。電話がしつこい場合,むりやり切らざるを得なくなるので,逆ギレを誘発しやすくもなる。例えば,こんな風に逆ギレ系の術中にはまってしまう。

 勧誘員:「勝手に電話を切るなんて失礼ですね。」

 二つ目は,個人情報の流出防止である。勧誘員が持っている名簿には,あなたの名前が載っている可能性がある。もし,あなたの名前を先方に知られた場合,所在確認ができてしまう。

4) 勧誘電話用の偽名を用意しておく。
 自分の名前を知れられたくないが,先方から名前を聞かれることがある。しかし,先方の素性が明らかでない場合,および,勧誘電話であることが明確である場合には,本名を答えるのは,すでに述べたように危険である。このような事態に備えて,あらかじめ偽名を用意しておくことをお勧めする。こうしておけば,不意に自分の名前を聞かれた場合にも落ち着いて自然に対応できる。もたもたしていると,こんなふうに逆ギレ系の格好の餌食になる。

 勧誘員:「偽名をつかうなんて,人間として最低ですね。」


5.勧誘電話を自分で取った場合の対応
 ここでは,他の人宛にかかってきた勧誘電話,および,自分宛にかかってきた勧誘電話の対応方法を示す。自分宛の勧誘電話の場合も,他人のふりをしてやり過ごすようにし,対応方法は「他の人宛」の勧誘電話と同じでよい。
 対応方法は,"勧誘電話である確率の高さ"に応じて,大きく3つに分けた。

1) 明らかに勧誘電話である場合
 電話の発信元が"勧誘電話ブラックリスト"に登録済みの会社である場合がこれに該当する。このような場合は下記のように

 私:「○○は退職しました。」
 私:「○○は転勤しました。」

と答えるのがもっとも効果的である。この場合,勧誘員の名簿から"○○さん"は削除されるためか,ほとんどの場合,勧誘電話は当面かかってこなくなる(残念ながら,○○さん以外の方にはかかってくるが・・・)。ただし,新しい名簿に切り替えられたら元も子もないが。
 逆ギレ系の場合,

 勧誘員:「本当に○○さんは退職したのですか?」
 勧誘員:「先週はいたはずですが,どうなっているのですか?」

という反撃をしてくる場合があるが,ここで臆してはならない。あくまでも「知らぬ。存ぜぬ。」で通すこと。

 私:「そのように申されましても,ここにはいませんので・・・。」

水掛け論になれば,先方もこれ以上何も言えなくなるはずである。それでも食い下がるならば,

 私:「総務部に確認してから連絡を差し上げますので,そちらの電話番号をお願いします。」
と答えると,大抵は諦めてくれる。相手が凄腕でこちらの形勢が不利になってきた場合は,

 私:「確認しますので,しばらくお待ちください」 → 保留

として,一度冷静になってから作戦を立て直すようにしたい。運がよれれば保留中に先方から電話を切ってくれることもある。
 上記の対応は,慣れないうちはう"ウソをついている"罪悪感から"しどろもどろ"になりがちである。しかし,しどろもどろになると,こんなふうに逆ギレのきっかけを与えることになる。

 勧誘員:「ウソをつくなんて社会人失格ですね。」

こうならないようにするため,毅然とした態度で臨むように注意したい。自信がない方は,この後に示す2)3)の対応をしていただいた方が無難かもしれない。

2) 勧誘電話の可能性が高い場合
 下記の場合がこれに相当する。

・電話の内容が勧誘電話の特徴に限りなく近く,電話の発信元の会社名や担当者名を電話の取次ぎ先の方が知らない場合。
・電話の取次ぎ先の方から電話の取次ぎをしないように強くお願いされた場合(=今後接触を持ちたくないレベル)。

この場合は,

 私:「○○は長期出張中です。他の者で対応しますので,ご用件をお願いします。」

と答えておくのが無難であろう。勧誘電話であれば当面はかかってこなくなるし,万一,勧誘電話でない場合でも,こちらからかけ直せば問題ない。また,先方の用件から勧誘電話か業務関連の電話かを判別できる。勧誘電話の場合は本当の用件を答えてくることは稀であり,たいてい,下記のように答えてくる。

 勧誘員:「個人的な用件です・・・。」

このような場合は,

 私:「個人的な用件は規則でお取次ぎできません。」

と追い討ちをかけておけば,電話の頻度をさらに低減できる。ただし,あまり深追いしすぎると逆ギレされることもあるので,相手は選んだ方がよい。

3) 勧誘電話の疑いがある場合
 電話の特徴は勧誘電話でないが,これまでに聞いたことがない会社であり,電話の発信元の会社名や担当者名を電話の取次ぎ先の方が知らない場合がこれに相当する。この場合は,まずは,居留守を使って先方の身元や用件の確認を行う。例えば,

 私:「○○は不在です。折り返し電話するようにお伝えしますので,そちらの会社名,お名前,電話番号,ご用件をお願いします。」

と答え,先方の回答から業務電話か勧誘電話かを判定する。
 非常に稀なケースであると思うが,かつて凄腕の逆ギレ系に

 勧誘員:「急ぎだからすぐに取り次げ。」

という無茶なのがいて閉口したことがあった。この場合は,

 私:「探しますのでお待ちください。」 → 保留

としておくのがよい。相手の話を聞くのは相手を調子に乗らせるだけであり,また,なによりもこちらが不愉快である。


6.自分宛の勧誘電話が取り次がれてしまった場合
 取次ぎの段階で勧誘電話を100%ブロックするのは不可能であるので,こういったケースは十分想定すべきである。
 基本的な対応は,自宅で勧誘電話をとってしまった場合と同じであるが,逆ギレ&リダイアル攻撃を受けた場合に業務に大きな支障が出るので,自宅の場合よりはやわらかく対応するのがよい。

1) なるべく短時間で話を終わらせる。
 話が長い場合は,自分が説得される危険性があるだけでなく,業務効率の低下も避けられない。家庭にかかってくる勧誘電話と同様に,勧誘員との会話は避けるべきである。有効な断り方はないが,勧誘電話であることが明らかになった時点で相手の話の腰を折り,の下記のように断るのが無難である。

 私:「申し訳ありません。興味がありません。仕事中ですので失礼します。」

 自宅の電話であれば,先方が食い下がってきても電話をこちらから切ってしまえば"終了"である。しかし,会社の場合は,次に示すように容易ではない。

2) 当方の企業イメージを損なわないように慇懃に対応する。
 逆ギレ系は,こちらのちょっとした無礼な対応を見逃さないので,リダイアル攻撃を避けるためには丁寧に対応する必要がある。したがって,勧誘電話はできればこちらから一方的に"ガチャ切り"しないで話の流れの中で切るのが理想である。
 勧誘員がしつこく食い下がる場合には,こちらも腹立たしいので対応がぞんざいになりがちであるため逆ギレを誘発しやすい。このような場合は"申し訳ございません"という言葉を添えて断るとよい。こちらは何も悪いことはしていないのに理不尽ではあるが,相手が逆ギレするタイミングをいなし,そしてなにより自分自身の気持ちを落ち着かせるために非常に有効である。この言葉のおかげで,逆ギレやリダイアルの大多数を水際で防ぐことができた。
 下記はこちらの対応に逆ギレした典型的なパターンである。

 勧誘員:「おたくの会社はどうなっているのか。」
 勧誘員:「さっき失礼な対応をした○○を出せ。」

こうなってしまうと,業務が完全に麻痺してしまう。こうなってしまう前に,"こうならないように"対応するのが大切である。


3) 勧誘電話はこちら切っても問題ない。
 勧誘が非常にしつこい場合は,会話を継続する方が危険であるのでこちらから"ガチャ切り"するのも止むをえない。こちらが2~3回断っても先方が食い下がる場合は,先方に何を言っても無駄だと思われるので,リダイアル覚悟でこちらから一方的に電話を切った方がよい。このようにしつこい勧誘電話は最初から逆ギレしてターゲットを精神的に追い込むことが目的であるので,逆ギレを防止するのはまず不可能である。
 電話を切った後,たいていこんな電話がかかってくる。

 勧誘員:「話の途中で勝手に電話を切るなんて失礼ですね。(この後延々理不尽な説教が続く・・・)」

こんな場合でも絶対に相手の話を聞いてはいけない。リダイアルしてきても延々と下記の対応を繰り返すこと。

 私:「申し訳ありません。仕事中ですので失礼します。」

それでも駄目ならば,電話線を抜くべし。ただし,外線の電話線を全て抜かないと,事情を知らない他の方が逆ギレ電話を取るはめになるので,この点には十分に注意されたい。 職場の電話をこちらから一方的に切ることに抵抗を感じている方が多いようであるが,勧誘電話に限れば問題はない。失礼なのはこちらの都合も考えずに勧誘電話をかけてくる先方である。この点について一度会社の総務部に問い合わせてみたことがあるが"問題なし"との回答をいただいている。


7.さいごに
 この記事がみなさんのお役に少しでも立てば幸いです。

 2006/04/16 記

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コメント

初めて書き込みさせていただきます。
詳しい情報ありがとうございます。

実はつい数日前、勤務先で「クラウジーのミ○タ」と名乗る男による「逆ギレ系」の被害に遭いました。

私は営業ではなく、内勤の専門職なので、電話がかかってくる相手は限られています。いつもなら、取り次いでくれた人間に名前と所属先を確認して、心あたりのない相手であれば居留守を使えば良かったのですが、それをしなかったために、約30分、リダイヤルによる嫌がらせが続きました。

こちらが毅然とした態度で断ろうが、怒鳴ろうが、無視しようが、しつこく脅しまがいの罵声を浴びせ続けるのです。

数ヶ月前、自宅でも同じ被害に遭いましたが、これは電話線を抜くことで解決しました。

最初は気味が悪いと思っていたのですが、このホームページで、「逆ギレ系」という確立した手法であることを知り、安心致しました。
ありがとうございました。

※管理人より連絡(2006/07/01)
 個人名は伏字に修正しました。
 (ニフティ株式会社発、管理人宛警告書2006/06/29による)

投稿: Neo | 2006/05/22 11:42

私も最近になって、頻繁に勧誘電話がかかってくるようになりました。

すべてに対して、きつい口調で対応していたのですが、逆ギレリダイアル野郎にあたると、確かに大変ですねー。
今後気を付けようと思いました。

ところで、ふと思いついたのですが、うちの会社で販売しているIP電話のソフトに、こんな機能を付ければ、解決するかなぁと思いました。

ブラウザから社員が「今の電話はブラック」という指示を出せば、サーバにブラックリストが生成され、次回かかって来た時は、自動的にブラックだと警告してくれる。(もしくは、その番号からだと常に話中にしても良いかも)

私はエセ開発者なので自分で作るのは難しいですが、なにより自分が欲しいので、社内で提案してみようかと思います。

投稿: こまったちゃん | 2006/05/31 20:05

こんにちは。
私も会社ではだいたい電話をとるので、
セールス電話にはほとほと困っております。

いつも早口で「○○さんお願いします」といったりするので
「もう一度お名前をよろしいでしょうか?」
というと
「は?!オレの?○○だけど!!」
とあからさまに逆ギレ。
だったら電話するなって感じですよね。

あとはタメ口で○○いる?とか呼び捨てな人。

最近は、だいたい「今日はお休みしています」
とか「退社しました」と言って対応しています。

こちらのサイトでいろいろと参考にさせてもらいます。

投稿: sasa | 2006/07/21 14:32

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