不振が続く百貨店も、基礎化粧品を扱う売り場は好調が続く=東京・銀座の松屋
ロッテリアは「プチぜいたく需要」を狙って高価格帯のハンバーガーで勝負する=東京都内
景気の低迷で生活防衛に走る消費者も、財布のひもをつい緩める商品やサービスがある。安いだけではなく節約できる機能があり、ちょっとした満足感を味わえることで、じわりと支持を集めているようだ。
雑貨専門店ロフトでは、弁当箱や水筒を買い求める20〜30代のOLの姿が絶えない。弁当箱の売れ筋は1500〜1800円と決して安くはないが、3〜10月の売り上げは前年の1割増。3千円前後の水筒も4割増で、「全商品の中で突出した売り上げの伸び」と担当者も驚く。
イトーヨーカ堂では保温機能がついた弁当箱が春先から前年の6割増の勢いで伸び、イオンでも、保存用容器やはしが1割増と好調だ。
節約志向から外食や買い物を控え、車も手放す時代になってきた。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のDVDの宅配サービスは、10月の会員数が昨年の2倍以上の54万人に。自動車を多人数で共同利用するカーシェアリングは、オリックス自動車の会員数が3月末の2千人から9月末には3200人に急増。近場の買い物にも、15分単位で借りられる手軽さが受けているようだ。
「こだわり商品」なら、価格にかかわらず好調だ。金融危機の直撃を受けて大不振の百貨店だが、化粧品は毎月、前年を上回る売り上げを記録している。資生堂の超高級シリーズ「クレ・ド・ポー ボーテ シネルジックライン」。保湿液や美容液なら2万円を超えるが、計画を5割以上も上回る売れゆき。「アラフォー」と呼ばれる40歳前後の女性が、若さを保つには自分への投資は惜しんではいけないと、買っていくようだ。