元次官宅襲撃:容疑者「単独で実行」 ネット株取引で生計

小泉容疑者の住むアパート=さいたま市北区で2008年11月23日、佐々木順一撮影
小泉容疑者の住むアパート=さいたま市北区で2008年11月23日、佐々木順一撮影

 元厚生事務次官宅連続襲撃事件で、小泉毅容疑者(46)=銃刀法違反容疑で逮捕=が「事件は自分一人でやった」と供述していることが、警視庁と埼玉県警の共同捜査本部への取材で分かった。捜査本部は、小泉容疑者が資金援助を受けたり、携帯電話で連絡を取り合った形跡がないことから、計画段階から単独で実行したとの見方を固めた。ここ数年の生計はネットの株取引だったとみられる。

 捜査本部によると、小泉容疑者は80年代に大学を中退後、コンピューター関連の計4~5社で正社員として働いたが、いずれも長続きしなかった。3~4年前に東京都内のコンピュータープログラミング会社を辞めさせられたという。「どうして自分を解雇するのかと抗議してトラブルになったこともあった」(捜査幹部)。

 その後は定職がない状態で、豊富なネットの知識などを生かし自宅のパソコンで株取引で稼ぐようになった。調べに対し「生計は株のネット取引で立てていた」と供述しているという。出頭時、ナイフなど刃物10本を所持していたが、ナイフを集め始めたのも、3~4年前からだった。

 小泉容疑者が数百万円の借金を抱えていたことが既に判明しており、捜査本部は、株のネット取引での損失などから生活費に困り自暴自棄になったことが、最終的な事件の動機につながった可能性もあるとみて裏付けを進める。

毎日新聞 2008年11月27日 2時30分(最終更新 11月27日 11時29分)

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