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社説

連続殺傷事件 なぜ元次官宅襲ったか(11月24日)

 元厚生事務次官宅が相次いで襲われた事件の捜査が新たな段階に入った。

 「元次官を殺した」と言って、警視庁に四十六歳の無職の男が出頭してきた。

 男が、血がついた刃物を持っていたことも衝撃だ。

 警察は、銃刀法違反の疑いで男を逮捕し、自宅を家宅捜索した。調べに対し、男は連続殺傷事件への関与を認めており、殺人容疑で再逮捕する方針だ。

 問答無用の凶悪な犯行が、社会に与えた不安は計り知れない。一刻も早く事件の全容を解明し、再発防止に取り組まねばならない。

 一連の事件では、元次官の家族も犠牲になった。宅配業者を装い、いきなり刃物で刺す手口は卑劣だ。

 傷口は深く、何度も刺していることから、強い殺意は明白とみられる。断じて許されない犯罪だ。

 警察は、男が持っていた刃物に付着していた血と、被害者の血液との照合を急いでいる。

 東京・中野区の現場に残された犯人の足跡が、男が所持していた靴の底と似ていることも分かった。

 こうした状況証拠と男の供述内容を付きあわせ、犯人しか知りえない事実をあぶり出してもらいたい。

 男は「昔、保健所にペットを殺され腹が立った」と供述している。

 しかし、子どものころの恨みが、元次官宅を計画的に襲ったことに、そのまま結びつくのだろうか。

 専門家の間には、被害感情が原因で無関係の人に恨みを持つ「人格障害」の疑いがあるとの指摘もある。予断を排して、取り調べることが重要だ。

 物証が少ない事件でもある。犯人は、なぜ、元次官と家族を標的にしたのか。被害者の住所をどのようにして割り出したのか。

 犯行動機と殺意の形成過程を、克明に解明する必要がある。

 逮捕された男は、大学を中退し、十年前から実家との連絡を絶っていた。近所と交流はなく、周囲とトラブルを起こすこともあったという。

 社会にとけ込めず、自分を正当化しようとする姿が浮かぶ。

 刃物を使って社会に対する不満を吐き出す事件が頻発している。

 今回の事件から、東京・秋葉原で起こった無差別殺傷事件を連想した人もいるかもしれない。犯罪の背景に踏み込んだ捜査が欠かせない。

 見過ごせないのは、事件後にインターネット上などで、「すっとした」などの心ない発言が飛び交っていることだ。

 一部とはいえ、一連の事件を容認する気分が、社会に生まれているとすれば、その理由や背景の解明も必要になる。

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