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「違法に持ち出された文化財は元の所有国へ」

 「文化財の返還は当事国間での合意が必要な問題です。委員会の基本的な立場は、違法に持ち出された文化財は元の所有国に返還すべきということです」

 26日にソウル新羅ホテルで開催された「文化財返還促進に向けた政府間委員会(ICPRCP)」の専門家会議に出席した国連教育科学文化機関(ユネスコ)事務局長補のフランソワーズ・リビエール氏(写真)は、フランスが1866年の丙寅洋擾(へいいんようじょう)で略奪した外奎章閣の文献297冊の返還問題についてこのように述べた。

 違法に持ち出された文化財の返還は当事国同士で解決すべきであり、ユネスコはその際に仲裁者としての役割を果たすということだ。ICPRCPはユネスコが1970年代に採択した「文化財の違法持出しおよび所有権譲渡の禁止と予防手段に関する協約」など、文化財返還の国際ルールの履行を促すために1978年に設立されたユネスコの政府間委員会だ。

 リビエール氏は「わたしはフランス人だが、ここにはユネスコの代表としてやってきた。文化財の返還は民族のアイデンティティーを取り戻すのに重要であるという点を広く認識してもらうのが委員会の役割の一つです」と述べた。英国は大英博物館所蔵のパルテノン神殿の彫刻返還問題ではギリシャとの対話さえも拒絶しているが、ユネスコが対話の場を設けてテーブルにつかせたのがそのいい例だ、とリビエール氏は説明した。

 今回の会議で韓国の専門家らは、リビエール氏が外奎章閣の文献返還問題を取り上げたことをプラスに評価した。「韓国の立場がしっかりと伝えられ、この問題が国際的にも取り上げられるようにする必要があります」と語るリビエール氏は、パリ政治学校で古典文学と政治学で博士学位を取得し、1977年から国連に勤務している。ユネスコの事業評価課長などを経て、2006年にユネスコ事務局長補となった。

兪碩在(ユ・ソクジェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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