江東区の山崎孝明区長は26日、人口が急増する区南部に急患などを受け入れる総合病院を建設するため、同区豊洲5の都有地(1・5ヘクタール)を取得する方針を明らかにした。区内の産婦人科医院に通院していた女性が先月、妊娠中に脳内出血となり、死亡した問題を受け、早期の建設が必要と判断した。
区によると、都有地は未開発の更地で、区が都から買い取った後、民間の病院事業者に売却し、民間病院を建設してもらう予定。区が4日、妊婦死亡問題を受けて都に土地の提供を申し入れ、都側は「早急に検討する」と前向きの姿勢を示しているという。
江東区は、南部でマンション建設が相次ぎ、人口が年間1万人のペースで増えているが、出産を扱う産婦人科は区内に3診療所があるだけ。人口が増える南部には特定医療の専門病院しかない。山崎区長は「周産期医療や救命救急医療を担う、できるだけ多くの診療科を備えた病院を建設してもらえるよう、環境を整備したい」と話した。【前谷宏】
〔都内版〕
毎日新聞 2008年11月27日 地方版