冬に出産の妊婦、後期の血圧大きく上昇 気象条件に関連冬に出産する妊婦は、妊娠後期の血圧が高くなりやすいことを、東北大大学院薬学研究科の今井潤教授(臨床薬学)らの研究グループが確認した。妊婦の血圧は妊娠の週数で変動するが、気象条件にも影響されることが明らかになった。グループは「妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の正確な診断などに役立ててほしい」と話している。グループは、2006―07年に岩沼市のスズキ記念病院(鈴木雅洲院長)を受診した仙南地域に住む妊婦101人を対象に、妊娠12週から出産までの間、起床後1時間以内に血圧を測ってもらい、気象条件との関連を分析した。妊婦の年齢は18―40歳で平均30.7歳。 一般に血圧は寒冷期に血管が収縮して高くなる。妊婦の血圧も最低気温との関連が大きく、10度下がると収縮期(最大)、拡張期(最小)ともに平均2.5上がった。 妊婦の血圧は妊娠中期にいったん下がり、出産間近に高くなる。妊娠期間中の血圧変動を追った結果、「1月出産予定」の妊婦は、収縮期血圧が最も低いときに比べて平均で12.8上がったが、「7月出産予定」では上昇の幅が3.1にとどまった=グラフ=。 出産が夏だと、出産間近でも血圧はそれほど上がらないが、冬の場合は、寒さという気象条件が加わって、急激に上昇することが分かった。 日本産科婦人科学会などが定める妊娠中の高血圧は収縮期が140以上、拡張期が90以上。妊婦の約1割が発症する妊娠高血圧症候群は高血圧やタンパク尿が特徴で、重いと脳出血などを起こす恐れがある。 グループの大学院医学系研究科の目時弘仁特別研究員(臨床疫学)は「冬に出産予定の妊婦は血圧の低い妊娠中期が夏に重なり、血圧が低く出やすいため、その後の血圧上昇を見誤る危険性がある」と説明。季節変動を考慮した正確な診断の必要性を指摘している。 研究成果は国際高血圧学会誌12月号に発表した。
2008年11月27日木曜日
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