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2008-07-13 お大事にしてください

個別にやり取りしてまた盛大に誤解するのもなんなので。不躾ながら。

[]本田透の敗北、あるいはシロクマの敗北

タイトルは某学会誌の書評インスパイア。だけどあれタイトル誤植ってるんだよね。

「現実異性の代用品」を超えはじめた、二次元美少女

http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20080713/p1

恣意的に要約すると、昔は二次元世界って現実世界で異性に相手にされない人たちの駆け込み寺だったけど、今は小さい頃から優良二次元コンテンツが充実してて、もう二次元世界との交渉のみで自足的に生きていけるお*1!旧世代涙目wwwwって話だと思うんだけど、これってすごく既視感がある。

なんだろうと考えてたら、ふと本田透が思い浮かんだ。二次元女性に萌える能力を身につければ、現実の醜い恋愛資本主義から解脱できる!「みんな、二次元はいいところだぞ!早く帰ってこーい!!」的なことを『萌える男』で(『電波男』だったかもしれない。だが私は謝らない!)主張していたが、ラディカルさの濃淡はあれど基本的な筋は変わらないように感じられる*2

しかしながら、私はその主張を多くのブクマのように素直に受け入れることはできなかった。そしてそのときの事例として考えていたのは奇しくもid:p_shirokumaと同じ、例の秋葉原の事件だった。

 pdhさんから指摘があったので追記すると、こうした適応がもしも破綻無く続く為には、「十分すぎるほどキャラクター消費が可能な境地に到達していて」「誰かの迷惑や害にならずに共存可能」な などの条件が必須だと思う。その点において、例の事件の犯人などは「キャラクター消費が全然なっていないうえに」「迷惑千万」なわけで、あれは全く駄目と言うほか無い。


“他者”からの逃走、としてのキャラクター消費

http://d.hatena.ne.jp/p_shirokuma/20080713/p2

加藤智大がキャラクター消費がなっていなかったと断じることができるだろうか。彼は事件の前に自分の趣味と決別する(つまり後戻りできないところまで自分を追い込む)ため、あるいはそれを犠牲にしてでも資金を集めるために秋葉原のリバティに月箱を売りにきて、査定額に文句たれてるところなどは外形的な意味で彼を一般的なオタクと区別するものは見当たらない。彼が人を傷つけたからと言って、(同じようにオタクである)自分が危険な人物でないと証明するために、「あいつは特別だった」とか「あいつは二次元に没入する素養がなかった」と切って捨てるのは、オタクの冷酷さを際立たせる絶好のサンプルだと言えるだろう。「俺はオタクだというだけで世間から白い目で見られている!」と抗議する人々が彼らを虐げた者と同じように加藤を切り離して「あいつと俺たちは違うんだ」と石を投げつける滑稽さ。おっと口が滑った。

そんなユダヤ教徒みたいな価値観転倒には限界があるんじゃないかと思う*3。結局「萌え」にしたところでそれ自体が消費社会に立脚しているために*4恋愛資本主義からの脱却ではあっても「擬似恋愛」資本主義へ陥ってしまうことになる。また、二次元世界を自立的な価値として認めるとしても、それが現実世界への拒否と結びついている限り、客観的な意味においては、三次元世界=現実世界*5の代償行動としか理解されえないだろう。しかし問題となってくるのは、「二次元世界は本当に現実世界の代わりになりうるのか」ということだ。

ここでまた加藤の話に戻る。彼が求めていたものは終始明確で、それは「彼女」であった。しかし「彼女」の含意とは何か。それは、思うに、承認を与えてくれる他者ではないか。彼にとって家族は帰るべき場所ではなかった。別に承認してもらうのなら友人でもいいではないか、そう言うかもしれない。だが彼の書き込みにもあったように友人は自分より大切なもの(=彼女)ができれば離れてゆく。そして浴びせかけられる自慢話は彼の孤独をより増幅させる。つまり「彼女」とはいつでも彼を承認してくれる他人のことだったのだ。

だとすれば、ここにおいて問題となるのは「二次元の異性は彼/彼女を承認しうるか」ということになる。その答えは残念ながらNOだ。彼/彼女が熱中し、夢中になる対象になることはできるが、彼/彼女を理解し承認することはできない*6。「萌える男」たちは対象への圧倒的な情熱によってその点への疑義をさしはさむ余地を与えないだけなのだ。だから結局二次元世界に閉じこもって自足的に生きていけるのは承認欲求を必要としない者たちだけであって、そういう意味では素養だとか選民主義だとかエリート主義的な色彩を帯びてくるのは間違いない。しかし承認欲求なしで生きられる人間がどれだけいるだろうか。2chコテハンニコニコ動画の投稿も承認欲求なしに行われているとは考えにくい。オタクコミュニティでも、自分の知識や技能によって承認されようと振舞うことは例を挙げるまでもないほどよく見られる。ならば、承認を必要としない人間というのは、萌えの対象との関係性のみで世界を完結することができ、そのような自己をゆるぎないものとして確立している人物ということになるだろう。だがそのような人物はほとんどいないし、たとえいたとしてもその多くは病院のベッドの上にいるのではないか。こうして、加藤智大は異常であったからあのような犯罪を犯したのではなく、むしろ普通であったゆえに犯罪を犯したと気付くのである*7

まとめ。

・現実世界の代用品を超えたと言っても、現実へのコミットメントの拒否と結びつく限り、客観的には代償行動でしかありえない。

二次元異性と現実異性のもっとも大きな違いは承認の有無。ゆえに代わりにはなりえない。

・承認を求めずとも自足的に生きられる人間なんてほとんどいない。(だってみんなブクマほしいでしょ?笑)

・だから加藤の行為は彼の異常性ではなく彼が普通であったこと(承認欲求とそれにアクセスできないことへの絶望)によって引き起こされた*8

参考

非承認型社会「日本」へようこそ

http://d.hatena.ne.jp/thir/20080627/p1

*1:○○と水さえあれば生きていける!って言い回しに代表される。

*2:本田はまだ現実世界の代用品であるという意識に基づいた「照れ」が隠しきれていなかったが、id:p_shirokumaの開き直りはその向こう側にある。そこにおいては二次元世界は自立的な価値を有している。

*3:と言っても『古代ユダヤ教』を全巻読破したりはしてない。でも割礼は痛そうだってのはわかった。

*4:「萌え」を標榜しながらグッズもフィギュア抱き枕も何も買わない人を聞いたことがない。いや、もっと端的に言えば、その対象自体が消費の対象となっているという決定的な問題がある。

*5三次元世界であってもアイドルやAVといったものは仮構的であって現実世界ではない。それらは二次元世界と多くの共通点を有するが、今回の論考においては現実世界の範囲外とする。

*6:それを起こす力が妄想力なのかもしれない。だが、一般的に考えればその行き着く先は病院ではないか。(事もあろうに精神科医があのようなエントリを上げていることに問題の根深さを感じる。少なくとも私は彼のいる病院にかかりたいとは思わない。)

*7:ただ実際に実行することとの間にはもう一段飛躍があるが。

*8:皮肉なことだが、彼はあのような犯罪を引き起こすことによって置き換えのきかない人間として承認されるに至った。彼の書き込み(夢はワイドショー独占)からもそれを自覚していたことがうかがえる。

e_p_ie_p_i 2008/07/14 14:41 モロに切断操作なんですよね。なんであそこまで清々しく切って捨てられる人が多いのか謎。適応的には正しいのだろうけど、そこに問題を見て取れぬのか、その問題に言及せずに済むと思っているのか、かなり疑問。

ruletheworldruletheworld 2008/07/15 01:18 第一に切断操作をされたオタにとっては、恋愛を希望しながらも格差により恋愛市場に乗れなかったという社会の病理の責任範囲の事項を、投げつけられたら切断するのは当然。
加藤は「彼女が欲しい」というオタ属性と違う希望を抱いた異物でしかない事を理解しろ。彼女が欲しい人がそれ向けのフィールドでもどこでも行ってキャッキャウフフしてればいい話。その能力の欠如に対する代償行動を、擬似オタ的行動で誤魔化すのに失敗したからといって、それをオタがなんとかしてやる義務など全くないぞ。

NaONaO 2008/07/15 09:06 >e_p_i さん

現実を直視するのは大変なことではありますからね。そうやって切断して逃げ回ってる自分の姿を客観的に見つめられる人が少ないってことでしょう。むしろ逆に開き直ってしまったりとか、見ていて暗澹たる気持ちになります。

NaONaO 2008/07/15 09:18 >ruletheworld

オタクっていうのはクローズドコミュニティなんですかね?そして恋愛を欲した瞬間にオタクの定義から零れ落ちてしまうものなんですかね?
まあ確かに電車男なんかは脱オタと恋愛が同時並行して進んでいった感はありますが、オタク同士の恋愛関係とか周りでもよく見られるもので全然珍しくない。
なんというか、あなたのオタクの定義はやたら狭い気がするんですよね。恋愛を希望せず、二次元趣味だけでその欲求を満たす、世の中から虐げられた集団。「ためにする議論」ではないかとも勘ぐってしまいます。

真道寺軍真道寺軍 2008/07/15 18:12 初めまして。
2chのリンクを辿ってやって参りました。
おっしゃっていること、判らないでもない部分もありますが、正直、同意し兼ねます。

>「二次元の異性は彼/彼女を承認しうるか」ということになる。その答えは残念ながらNOだ。

という設問ですが、この「承認」そのものが「恋愛」を読み替えただけの言葉であり、本田氏的には(仮にNaoさん的には「No」だとしても自分にとっては)「Yes」だという答え以外、あり得ないでしょう。
本当に疑似恋愛(=疑似承認)だけで我々が救われるのかどうか、個人的には疑問もありますが。

何より首をひねらざるを得ないのが、その論調が加藤智大という「おたくであったのか」すら判然としない人物について語るうちに出てきたものであることです(考えれば加藤がおたくであるかどうかについて、マスコミは極めて寡黙です。小林薫を「フィギュア萌え族」に、宮崎勤を「三流劇画萌え族」に仕立て上げたことがウソのようです)。

仮に加藤がおたくであったとしても、彼を救えなかったことに対して二次元の女性だけに責を負わせ、「本田透の敗北」としてしまうのは乱暴でしょう。
ましてや

>自分が危険な人物でないと証明するために、「あいつは特別だった」とか「あいつは二次元に没入する素養がなかった」と切って捨てるのは、オタクの冷酷さを際立たせる絶好のサンプルだと言えるだろう。

というのは奇妙と言う他ありません。
例えば同郷の人物が殺人事件を犯して、白い目で見られている人物が上のようなことを言った時、やはりNaoさんは「やはり○○出身者は冷酷だな」とおっしゃるのでしょうか。
e_p_iさんは「切断」と表現していらっしゃいますが、正直、「冷酷」な「切断」操作を行っているのはNaoさんの側であるように思います。

NaONaO 2008/07/16 01:43 書いてたら途中で消えたので簡潔に失礼します。

>この「承認」そのものが「恋愛」を読み替えただけの言葉

別にそういうつもりは無いんですが。承認してくれる主体が恋人以外(たとえば家族とか)ということも考えられるでしょう。加藤の場合は彼女以外考えられなかったようですが。
私が重要視しているのは二次元異性はリアクション、相互行為をしてくれないということで、それゆえ本田透のようにその相互性の欠如を圧倒的な偏愛でカバーしないことにはどうにもならないわけです。
(しかしそれも相互性の欠如を一時的に忘却しているだけのことで、それに再び気付いた瞬間、関係(と呼べるかどうかはわかりませんが)は一挙に崩壊するわけで)
本田透は加藤を救えなかったというよりもむしろ、本田透の「宗教」(あえてこう表現します)はハードコアなオタクしか実践し得ないものであり、いまやオタクコミュニティの多数を占めるに至ったぬるオタや消費型オタを顧みないものだったと。
だから本田の議論というのはごくごく一部のオタクだけにしか該当しないのだから、加藤だけでなくこれまでも、そしてこれからも多くのオタクを救えないのは間違いありませんが。
彼の敗北の本質はそれをオタク一般の話にしてしまったことによって本来救えもしない者たちにまで救いを与えられるとミスリードしたことでしょう。

加藤がオタクかどうかという問題については、彼の何千にもわたるケータイの書き込みを見ればそういって差し支えないことがわかると思います。まだまとめサイトとかには残っていると思うので一度ご覧ください。
ただ確かに彼をオタクとしてバッシングするような報道はあまり見かけませんね。オタクのニュースバリューというか悪役性がM君時代よりずっと弱まったということなんでしょうかね。

切断処理の問題ですが、やはり普段ぬるオタ的なものを許容しておきながら、犯罪を犯した瞬間に彼を「ぬるいという理由で」排除することはできないと思いますね。
それは自分たちの問題である、ということから目を背けてはならない。それは別に例に挙げられた地域社会のケースでも変わりません。
そしてこの問題については近々記事を書くつもりなのですが、たぶんあの事件のインパクトは「誰でも被害者になりうる」ことよりもむしろ「誰でも加害者になりうる」ことにあったんじゃないかと思っています。
問題を先鋭化して表現するためにオタクコミュニティの反応の例を挙げたのであって、それを切断する意図は無いですね。「私たちの中の加藤」を考えるのは端的に言えば皆に与えられた課題でもあるからです。

e_p_ie_p_i 2008/07/16 02:34 >>id:ruletheworldさん
私が言いたい事は大体id:NaOさんが言ってくれてるけど…、ある日オタクが「俺もさすがにこの年になるとリアルの彼女が欲しくなってきた」(だっけ?加藤さんは掲示板でそれみたいな事言ってたよね)と言わない保証がどこにあるのですか?
言うぞ。
いいか?あなたは悪魔の証明を自信たっぷりにしてしまったんだぞ。
真の(?)オタと道半ばで尽きたオタを分ける壁なぞは存在しない。ホニャララスペクトルというが、それと同じく、虹の様にそこには曖昧な境目とも言えぬ帯が存在するだけだ。それをお分かりか?

真道寺軍真道寺軍 2008/07/16 03:05 >承認してくれる主体が恋人以外(たとえば家族とか)ということも考えられるでしょう。

なるほど、おっしゃる通りかも知れません。
ならば僕の発言も

>この「承認」そのものが「あらゆる人間関係」を読み替えただけの言葉

と訂正するべきかも知れません。
いささか乱暴ですが本田氏が「萌え」に「家族」などあらゆる人間関係を込めていることは、Naoさんもご存知かと思います。

>だから本田の議論というのはごくごく一部のオタクだけにしか該当しないのだから、加藤だけでなくこれまでも、そしてこれからも多くのオタクを救えないのは間違いありませんが。

何だか「本田氏の敗北」という結論ありきで話が進んでいるように読めますw

「ぬるオタや消費型オタ」が「いまやオタクコミュニティの多数を占めるに至った」こと、即ちおたく業界の拡大それ自体が、ぼくは本田氏の「分析」の正しさを証明しているようにしか思えないのですが。

本田氏の「宗教」でオタクたちが救われないというのは、具体的にはどういうことでしょうか。
みんな加藤のようになるということでしょうか。
(本田氏の著作で宮沢賢治と津山三十人殺しの犯人とが繰り返し対比されていることはご承知かと思います)
加藤にならないオタクが大勢いることそのものがぼくには本田氏の「分析」の正しさを証明しているようにしか思えないのですが。

切断云々についてはおっしゃる「ぬるオタ」の定義そのものがよく判らないのですが、ご明察の通り、「誰でも加害者になりうる」問題を語るべきところを話を「おたくの冷酷さ」にすり替えてしまうところに、Naoさんの「切断」性が現れていたのではないかと考えます。

真道寺軍真道寺軍 2008/07/16 03:12 ruletheworldさんの発言を見ていて大変象徴的だなと思いました。
e_p_iさんのおっしゃる通り、ある日オタクが「俺もさすがにこの年になるとリアルの彼女が欲しくなってきた」と言う可能性は充分にあると思います。
ruletheworldさん的な「おたくたるもの、三次などに興味はない!」といった発言自体が自己韜晦を含んだ、まあハッタリに近いものであることは確かで、そこにうさんくささを覚えるというのは判ります。

しかし何より多くのおたくがやはり大変におとなしい存在である事実を考えた時、Naoさんの言葉は多くのおたくにとって「自分への攻撃」と取られるのも仕方ないかとは思います。

ムホッムホッ 2008/07/18 00:51 他人からの承認、なかんずく異性からの承認と言う事で言えば・・・。

他人(異性)から承認されているか否かを当人が確かめる術があるだろうか。無い。
何故なら他人の心の中までは読み取れないので、承認されているか否かの
確認の取り様が無いから。

確認の取り様が無いにも拘らず、何故に承認されていると捉える事が
できるのか。
それは「承認されている」と思い込んでいるだけだから。

単に当人の「思い込み」だけで、他人から承認されていると言えるのなら、
当人の「二次元のキャラクターから承認されている」という「思い込み」
だけで、二次元のキャラに承認されていると言えてしまう。

三次元における承認も二次元における承認も、当人の思い込みによるものに
過ぎない以上、両者は当人にとって同一の機能を持っている捉えられる。

私はそこに、三次元と二次元の(当人にとっての)同質性、等価性を
見出している。

ムホッムホッ 2008/07/18 01:13 連投で申し訳ないが、加藤容疑者について一言。

彼がキレて、犯行に走った理由って、
彼女がいなかったからじゃなく、仕事をクビになると思い込んで、
将来を絶望が故の犯行じゃないの、コレ?
派遣を問題視すべきだと思うが・・・?

ruletheworldruletheworld 2008/07/18 03:30
>e_p_i

あっはっは。

>オタと道半ばで尽きたオタを分ける壁なぞは存在しない。ホニャララスペクトルというが、それと同じく、虹の様にそこには曖昧な境目とも言えぬ帯が存在するだけだ。それをお分かりか?

わしの切断操作を非難するのなら、まずは加藤をオタの側に属するものという「一般人とオタを分ける壁」をこしらえて一般人と加藤&オタと二文法で最初に切断操作した、議題設定効果の欺瞞について先にすべきでは?

>NaO

行動から見て、加藤がナイフとかアーミー系に詳しかったりするのかも知らんが、少なくとも表題に挙げているところの本田センセの指す萌えオタとしては、加藤はオタ属性が欠如しているとしかいいようがないんだよ。
『外形的な意味で彼を一般的なオタクと区別するものは見当たらない』なるキミのいい様は、ざっくり言えば二次元による内面の昇華を追求する行為である本田理論にカスリもしない。例えていうなら帝銀事件の犯人が厚生省技官の名刺を差し出したから、犯人は厚生省技官だというぐらいに根拠レスだ。
それとも、本田センセの論理に準じた萌えによる救済、それこそ経典として電波男を読んで理論面での実践をした結果7人殺しを働きましたとでも言い張るつもりかね?

キミの目論んでいる事は、まず自分を一般人の側に、加藤をオタの側に置き、萌えオタの一スタイルの論考をオタク全体に拡大しラベリングし加藤を救済できなかったと非難し、
加藤のようなやつはキモいオタクにより生み出された怪物だとしたい『切断操作』なんだよ。

で、偏見に基づく誤読をしているようだから言っておくが、オタは人間だよ。オレが最初に使ったオタ属性という言葉は、当然本田理論で言うオタ的行動の事であり、内面の研鑽に他ならない。その過程で自分でなにか思うところがあったら恋愛をしてもいい(mustじゃなくmayだぞ念為)んじゃないか?ブクマでも本田センセ自身は普通にルサンチマンが晴れたら恋愛してもおかしくないという読みがあるけど、わしもその可能性は否定しないよ。
むしろわしの言ってる事を、オタ=恋愛否定として読む事こそ、オタを切断し加藤をオタに押し付けたいキミ達の心象のゆがみの証左じゃないかな?

e_p_ie_p_i 2008/07/18 08:12 >>id:ruletheworldさん
>スペクトル
意味分かってないでしょ
あと真道寺軍の話にそのまま乗っかってid:NaOさんの文章を切断操作なんて言ってるけど、それ違うよ。全然違うよ。別に排除してないから、id:NaOさんは。
あと、本田理論や岡田理論に死ぬまで乗っ取ってなきゃオタと言えないなんて言わないなら、加藤はやはりオタだと言えると思うね。
その上で、あなたの
>加藤は「彼女が欲しい」というオタ属性と違う希望を抱いた異物でしかない事を理解しろ。
だけど、これは「オタ=恋愛否定」に読めるだろうと。自分の文章に責任持てと。

ruletheworldruletheworld 2008/07/18 11:00 >スペクトル
分かってないというなら、ホニャララスペクトルの意味をちゃんと説明して頂きたいですなぁ。オタにもいろんな濃度の人がいるってだけの話だと思ってたんだけど。

>あと真道寺軍の話にそのまま乗っかって
他人は関係ないよー、まさに元の文章が切断操作の欺瞞に酔ってるからブコメしたまでのことだけど?真道寺軍も切断操作だといってるのだから、元の文章に切断操作を感じた人は少なからずいるって事になるんじゃ?

>>加藤は「彼女が欲しい」というオタ属性と違う希望を抱いた異物でしかない事を理解しろ。
>だけど、これは「オタ=恋愛否定」に読めるだろうと。自分の文章に責任持てと。

読めねーよww
言葉通りとしかいいようがないんだけどねー。
オタ属性ってのは、本田理論の二次萌え行為のような事象を指すのであり、どこをどう間違っても三次元の彼女を欲する欲求ではないんだけどなぁ。

恋愛属性ってのはオタも人の子なんだから「虹の様にそこには曖昧な境目とも言えぬ帯」というまさにその通りで恋愛を必要とするタイプの人間もいるんだろう。それはオタ属性がさせたものではないよね?ましてやオタ属性ゆえに(加藤の欲した三次元の)恋愛を欲したなんて全く変な理屈だよね?そういう事をいいたかったんだけど。

まぁみんなわしの趣旨とは違って「オタ=恋愛否定」に解釈したようだし、その点はわしの書き方が不味かったのかもね。
わしは今回本田センセが議題だったので多様化した時代のオタの形、つまりオタは属性としての意味でも、加藤はオタにはあたらない事を言ったんだけど、別にオタクたる者恋愛などありえんと思っている宗派は少なからずいるし、ある時期まではそういうタイプがオタの定義であったとも思うよ。そちらの意味なら尚更単純に切断すれば済む話なんだけどねww

e_p_ie_p_i 2008/07/19 16:29 >スペクトル
なら大体OK
けどそれなら、そこから加藤を弾くのが尚更謎。なんで?

>元の文章が切断操作の欺瞞に酔ってる
とは見えんがな…
どこら辺に「オタクは我々とは関係ない」みたいな事が書いてあるわけだい?
真道寺軍さんには失礼だが、そもそも”切断操作”という熟語の意味を知っていたか疑問。
あなた達の行為は、切断行為を指摘そのものを切断行為と呼ぶクソミソ一緒にしてしまうものにしか思えない。

>オタ属性
これについては取り違えていた。失敬。

>属性としての意味でも、加藤はオタにはあたらない
これが非常に疑問で、どうも私には加藤もオタに見えてしまうため、切断操作に思えちゃうんですよね。直前に「俺もさすがに」と言っていたからといって、彼が二次萌えしていなかったかというと、違うと思うんですよ。萌即解脱出来なかったのは確かだけど、それだけで彼をオタから弾くのは何か違うんじゃね?とも

真道寺軍真道寺軍 2008/07/19 22:38 e_p_iさん>

何か勘違いなさっているようですが(と、意地悪な言い方をしますが)あなた方があなた方自身とおたくとを切断しているかどうかは、問われていないと思います。
問われているのは、あなた方が非おたくとおたくとを切断しようと腐心なさっていることではないでしょうか。

ムホッさんが

>派遣を問題視すべきだと思うが・・・?

とおっしゃっていたのを見て、僕は当初、「事件にはいろんな側面があるんで、そんなことを言っても仕方ないだろ」と思っていたんですが、考えると大変に示唆的なことをおっしゃっていたかも知れません。
今回の事件がそれほどおたくバッシングにつながらなかったのは、やはりマスコミ側もムホッさんと同じスタンスだったためでしょう。
しかしちょっと思ったのは、事件直後に聞かれた、「なら何故彼は職場に殴り込みをかけず、秋葉で凶行を起こしたんだ?」という意見。
村崎百郎は「何で新宿や渋谷を襲わなかったのかっていうと、要するにヤクザや不良に反撃されるのが怖かったんだろ?」と言っていましたが、要は今回の事件は弱者のルサンチマンが弱者に向かった事件ではなかったか、ということです。
その意味において、加藤の凶行は「派遣を問題視すべき」事件において何故かアキバ系への言いがかりへと論調が傾いている人々の心性との近似性こそが、語られるべきかも知れませんね。

e_p_ie_p_i 2008/07/21 16:02 >>真道寺軍さん
>問われているのは、あなた方が非おたくとおたくとを切断しようと腐心なさっていることではないでしょうか。
これを切断操作と呼んでいたのは了解。でも内容については…うーん、どうだろ。腐心せずともそれは自明なんじゃないでしょうか?
一般人とおたくを分離しようとする意図を問題視しようとするなら分かりますが、非おたくとおたくは言葉の定義からしてそもそも分離しているものなのでは?それをさらに切断しようと腐心していると見るのは私にはよく分かりません。

>派遣を問題視すべきだと思うが・・・?
そういう見方も当然あるとは思いますが、この文章では興味ない話題なんじゃないでしょうか?

>何故かアキバ系への言いがかりへと論調が傾いている人々の心性との近似性こそが、語られるべきかも知れませんね。
それは問題にする意味ないと思いますけどね…。言及の無限後退がしたいんならどうぞやってくれてかまいませんが。
加藤さんのアキバ系という属性について話すのは必要な事と思いますが、それについてはどうですか?

真道寺軍真道寺軍 2008/07/21 21:30 e_p_iさん>

ひとまず、僕の言った「おたく/非おたく」の分類は「おたく/一般人」の意であると捉えていただいて結構です。
しかしいずれにせよ、この時点で僕が言ったことは「そもそもこの問題をおたく問題として捉えることにどこまでの意味があるのか」ということです。

>加藤さんのアキバ系という属性について話すのは必要な事と思いますが、それについてはどうですか?

必要かどうかは判りません。意義はあると思いますが。
しかし少なくともこのブログにおいては「本田の敗北云々」については論駁されたNaoさんが沈黙したままですし、何より僕の

>例えば同郷の人物が殺人事件を犯して、白い目で見られている人物が上のようなことを言った時、やはりNaoさんは「やはり○○出身者は冷酷だな」とおっしゃるのでしょうか。

との問いにNaoさん自身が

>件のインパクトは「誰でも被害者になりうる」ことよりもむしろ「誰でも加害者になりうる」ことにあったんじゃないかと思っています。

と話をすり替えてしまった。
これはNaoさん自身が「アキバ系という属性について」の問題として、本件を関連づけるのに失敗してしまったことに他なりません。

にもかかわらず(沈黙しっぱなしのNaoさんの本意は判らないものの)少なくともe_p_iさんは邪気なく「アキバ系という属性について」の問題とやらについて云々し続けている。

そこに、僕は「加藤問題」が象徴するアキバ系の抱えた問題などよりも、切断操作をしたくてしたくてたまらない「加藤問題を語りたがる人」たちの抱えた問題を感じてしまうのです。

e_p_ie_p_i 2008/07/21 21:54 >>真道寺軍さん
>僕の言った「おたく/非おたく」の分類は「おたく/一般人」の意であると捉えていただいて結構です。
その切断操作がなされているのであれば、批判は受けてしかるべきだと思うね。そういう文意があるようには見えないけど。

>「そもそもこの問題をおたく問題として捉えることにどこまでの意味があるのか」
おたくメディアに触れた加藤が救われず暴走する事になった、という事からは論じる事がある様に思えますが。もちろん他の論点から論じる事も出来ますし、あなたがこの論点には興味ないというのならそれでもよし。

NaOさんの話のすり替えについてはシラネ
でも
>例えば同郷の人物が殺人事件を犯して、白い目で見られている人物が上のようなことを言った時、やはりNaoさんは「やはり○○出身者は冷酷だな」とおっしゃるのでしょうか。
については、意志に関わらず同属性を持ってしまう同郷という喩えで、摂取する意志によって同属性を持つかどうかが決まるアキバ系という属性を表すのは不適当だと思う。

>切断操作をしたくてしたくてたまらない「加藤問題を語りたがる人」たち
藁人形の様に思えますが…

>>id:ruletheworldさん
主張は「加藤はオタじゃないよ」「だから切断操作は正当なものだよ」でおk?

真道寺軍真道寺軍 2008/07/21 22:08 >その切断操作がなされているのであれば、批判は受けてしかるべきだと思うね。

まさしくおっしゃる通りです。
もう一度じっくりと読み返すことをお勧めします。
僕が指摘したのは、あなた方が非おたくと一般人とを切断しようと腐心なさっている点について。
まさしくその切断操作は、批判を受けてしかるべきであると考えます。

「摂取する意志」とはまた聞き慣れない言葉だけれど、「おたくはなりたくてなったんじゃん」ってことですかね。
じゃあ○○会社の社員、ならどうでしょうかね。
「藁人形」は意味が判らん。

e_p_ie_p_i 2008/07/21 22:19 >>真道寺軍さん
>切断操作
いや、全然そういう意図ないです。
おたくと一般人は重なり合う領域多いですよ。
出来れば具体的に抜き出して下さい。本当に分かりません。

>「摂取する意志」
難しい意味じゃなくて、あるカルチャーを自らの意志で摂取したって意味です。
>じゃあ○○会社の社員、ならどうでしょうかね。
大抵はなりたくてなったんじゃ?(妥協の末に、というのありそうですが)
例として、どういう自体を想起させたいのかよく分かりません。
>「藁人形」
「藁人形論法」あたりでぐぐって下さい

真道寺軍真道寺軍 2008/07/21 22:32 ちょっと、レスを拝見して途方に暮れています。
僕の言わんとしていることが本当に理解できず、困っていらっしゃるように見えます。
こちらとしては(傲慢な言い方ですが)噛んで含めるように申し上げているのだから、尚更です。

>おたくと一般人は重なり合う領域多いですよ。

そうなんです。
だから「おたく独特の冷酷さ」などというものはありません。
にもかかわらずNaoさんが一般人とおたくとを切断しようとしたのは事実であり、それを指摘することは藁人形理論でも何でもありません。

>大抵はなりたくてなったんじゃ?

その通りです。
僕には先ほどe_p_iさんが

>については、意志に関わらず同属性を持ってしまう同郷という喩えで、摂取する意志によって同属性を持つかどうかが決まるアキバ系という属性を表すのは不適当だと思う。

とおっしゃったので、「大抵はなりたくてなった」のであれば、「○○会社の社員は冷酷だ」などという決めつけをしてもいいのか、とお尋ねしました。

e_p_ie_p_i 2008/07/21 22:57 うん、こちらも途方に暮れてたんだ。

>だから「おたく独特の冷酷さ」などというものはありません。
おたくだけじゃなく、多くの人間が持ってる冷酷さですよね。そして今回はその中でおたくについて論じていると思ったんですが。ただ論点の違いを問題にして切断操作とまで言うのはおかしいと私は思った。

>「大抵はなりたくてなった」のであれば、「○○会社の社員は冷酷だ」などという決めつけをしてもいいのか
その会社の社員が犯行した社員を完全に切って捨てているのであれば、それは適応によるものだと了解しつつ、冷酷だと指摘するのではないかと思います。同じ会社にいた者として何か一言ぐらい出ても良さそうなものだと思うのですが。まぁ私の場合、会社というよりも宗教という喩えの方がしっくりくるのですが…。

真道寺軍真道寺軍 2008/07/21 23:05 >おたくだけじゃなく、多くの人間が持ってる冷酷さですよね。そして今回はその中でおたくについて論じていると思ったんですが。

にもかかわらず「おたくが、おたくが」と繰り返す時点で切断してると言われても仕方がないでしょ。

>その会社の社員が犯行した社員を完全に切って捨てているのであれば、それは適応によるものだと了解しつつ、冷酷だと指摘するのではないかと思います。

ここではそういう発言をした社員Aという個人が想定されていますが、Naoさんは

>オタクの冷酷さを際立たせる絶好のサンプルだと言えるだろう。

あなたも

>なんであそこまで清々しく切って捨てられる人が多いのか謎。

と必死でおたく全体の問題に還元しようとなさっているので、比喩として成り立ちません。
あなた方は○○会社の社員全体を冷酷だと言い切ったのです。

e_p_ie_p_i 2008/07/21 23:17 >「おたくが、おたくが」と繰り返す
そらおたくとその反応について論じてるんだし
でもそれを切断と言われるのは仕方がない?違うと思うなぁ。行き過ぎだと思いますよ。

>必死でおたく全体の問題に還元しようとなさっている
どこのメディアでこの問題を見たか、で随分違ってそうですねぇ…。2chでは切って捨てる意見が多かったですよ。今でも論じてる人は切って捨ててない人が多いみたいですが。

>社員全体を
いや、切って捨ててる人だけ。だがそれはかなりの数にのぼると見ている。そんな感じ。

真道寺軍真道寺軍 2008/07/21 23:24 >そらおたくとその反応について論じてるんだし

それが間違いである。
いや、その意義はあるのかも知れないが、少なくともあなたたちはそれに失敗し続けている。
何度もお話ししたはずですが。
そしていかに指摘されても、あなたはその論点を捨てようともしない。
何故か。
切断したくてしたくてたまらないからだという以外、考えようがありません。

>今でも論じてる人は切って捨ててない人が多いみたいですが。

意味が判りませんが、少なくともここにおいては「論じてる人」が「切って捨てて」いますね。

e_p_ie_p_i 2008/07/21 23:31 >意義はあるのかも知れない
なら応援よろしく。
>切断したくてしたくてたまらないからだという以外、考えようがありません。
おお、素晴らしい精神の飛躍だ。
…いや、ただ論じるのが下手なだけだと思いますよ?そこに何かしら論じるべきものがあるのは分かっていても群盲象を撫でる状態なのでしょう。そこから抜け出したいとは思っていてもなかなかいい論は思いつかないもんです…。いつかエントリにして上げようと思ってはいるのですが…。

>意味が判りませんが
なら言わなくていいですよ。
>「論じてる人」が「切って捨てて」いますね。
?????

真道寺軍真道寺軍 2008/07/21 23:39 >なら応援よろしく。

応援も何も「この事件についておたくの特有性はない」という結論を何度もお話しして、あなた方がそれに反論できずにいるというのが現状なのですが。

>…いや、ただ論じるのが下手なだけだと思いますよ?

下手というか、自らの論の欠落を指摘されると「おたくに限らないよね」と撤回し、「ならおたくに限って論じる必要ねーじゃん」と言われると「いやだ」とだだをこねる、そのループに入っていらっしゃることについて、ご自覚がないのだと思います。
黙しているNaoさんもこのループに入り、しかも恐らく、自覚なさっていないと思います。

e_p_ie_p_i 2008/07/21 23:54 >「この事件についておたくの特有性はない」という結論
ではなく、オタクカルチャーが彼を救えなかった点を主に論じていると思うのですが。それと、それに関するオタクカルチャーの摂取者たるおたくの反応を。まぁid:NaOさんに訊かんと分かりませんが。

>下手というか、
論点が食い違ってるんだと思います。

あと、おたくという観点から加藤を論じるのは、多分やるべき事だと思いますし、それによって萌えの限界を知ろうとする試みには意味があると思います。

真道寺軍真道寺軍 2008/07/22 00:07 >オタクカルチャーが彼を救えなかった点を主に論じていると思うのですが。
>萌えの限界を知ろうとする試みには意味があると思います。

少なくともそれには反論されたまま、Naoさんもe_p_iさんも再反論できずにいる。
そのことをご自覚なさり、リベンジ戦への教訓として生かしていただければ幸いなのですが、「ひょっとしてお判りになってないんじゃ……?」という不安をひしひしと感じるのですよ。

ムホッムホッ 2008/07/22 02:59 オタク文化(特に萌えだと思う)が、
加藤のような人物を凶行に追いやらないように抑制しうる効能があった
として、
そもそも、オタク文化が、端からそれを目指していたかどうかが疑問。
(多分そうじゃない。)
で、ある以上はオタク文化(萌え、二次元)の、凶行抑制効果の限界を問う
事自体、あまり意味が無いのでは?

真道寺軍真道寺軍 2008/07/22 03:11 いや、それはそんなことはないと思います。
少なくとも本田氏自身が「萌えが凶行抑止になる」と主張していたのは事実です。
むろん、たったひとりの凶悪犯の出現をもって本田理論が破綻するのかどうかについては、大変に疑問の残るところではありますが。

NaONaO 2008/07/22 11:35 とりあえず少しだけ。勝手に大勝利宣言されても困るので。

>真道寺軍さん

話が戻って恐縮ですがぬるオタや消費型オタがオタクコミュニティの中で
多数を占めるに至ったこと自体については双方異論が無いところだと思います。(それをどう解釈するかは別にして)
ぬるオタとか消費型オタが具体的にどういうのを指すかというと、「げんしけん」に見られるようなまったく求道者的ではなく、現実世界からの分離をともなわない(志向しない)スタイルです。
そういう人々は二次元対象をある種割り切ってとらえているために、盲目的没入をすることはないわけです。
だからそんな人々は本田理論におけるような仮想世界への強力なコミットメントをなしえないということになる。
本田フォロワーとしてはこういう形の批判は怒り心頭でしょうが、あえて言わせていただくと、本田理論の適用範囲というのはオタクコミュニティの中でもごく一部ということになるわけです。(先ほどぬるオタや消費型オタが大多数と確認しました)
とすると、本田透が自説をオタク全体の傾向性のように語ったのは間違っていたのではないだろうか。加藤事件は本田理論を受け入れないぬるオタ、消費型オタの存在を白日の下に晒したのではないか、と言えるわけです。
(加藤がオタクなのかどうかという問題については、掲示板の書き込みに漫画やアニメのせりふを使っていることや前日に買い取り価格換算で数万円分のエロゲーを秋葉原に持っていっていることから、少なくともぬるオタ、消費型オタとして分類して瑕疵はないと思います)
あとはそうですね、加藤のような現実社会で恵まれないものこそが本田理論によって救われるべきなのに、彼はまったくそれに頼らなかったという問題ですね。素養のある者しか救えないのなら勝手に内輪でやっててくださいレベルのサークル内理論にまで堕してしまうでしょう。

NaONaO 2008/07/22 11:52 id:ruletheworld

オタ=恋愛なんかしない!→オタ=いや、恋愛するやつもいるかもしれない
論旨がまったく変わってますが大丈夫ですか!
当の文章を切断操作と言われても、はーんそうですかという感じで、
オタクの規模拡大や経済的影響とかを語るときはぬるオタレベルまで一緒くたにして語るのに、こういう事件があった途端、「あいつはぬるいからオタじゃねえ」と返す刀で切っちゃうのはどうなのよって話。
別に自分を一般人の側において一般人から見たオタ批判をしてるわけじゃないし。元文章に散見される小ネタに気付かないとしたら、オタとしてアンテナ低いという別の問題だな。
「オタだから犯罪を犯した」という因果関係論ではなくて「オタの中から犯罪者が出た」という事実を見つめろってハナシ。アナタの不可思議な定義では加藤はオタじゃないのかも知らんけど。
本田理論に関して言うと、本田のせいで事件が起こったとかどんだけ誤読だよ。言ってるのは本田理論の適用範囲の狭さとそれに伴って、救われるべき他一法を救うことが出来なかった無力さについて。
まあ以降のレスは記事で書いてTBしてもらえると助かる。

NaONaO 2008/07/22 11:54 ×救われるべき他一法
→○救われるべき対象

真道寺軍真道寺軍 2008/07/22 12:54 >話が戻って恐縮ですがぬるオタや消費型オタがオタクコミュニティの中で
多数を占めるに至ったこと自体については双方異論が無いところだと思います。

異論のあるなし以前に、僕は

>「ぬるオタ」の定義そのものがよく判らないのですが、

と言ったはずですが。今回ご説明いただいた

>現実世界からの分離をともなわない(志向しない)スタイルです。

という定義も何が何だかよく判らない。「求道者」的熱意を持たない者が「ぬる」いというのは一般論としては判るけれども、「現実世界からの分離をともなわない」「仮想世界への強力なコミットメントをなしえない」と飛躍するのが何なんだか判らない。
そこでまた「加藤がぬるオタである」との断定がいきなりなされる理由も不明です。
あなたの情報を見る限り「ぬるくないオタ」であった可能性が何故ないのか、僕にはさっぱり判りません。
僕の申し上げた

>「ぬるオタや消費型オタ」が「いまやオタクコミュニティの多数を占めるに至った」こと、即ちおたく業界の拡大それ自体が、ぼくは本田氏の「分析」の正しさを証明しているようにしか思えないのですが。

という言葉の意味が、恐らくNaoさんには全く理解ができなかったのではないでしょうか。
僕は上の文章を「正露丸はとてもよく効くお薬なので、ちょっと胃弱という程度の人にも愛用されていますよ」といった程度の意味で書いただけです。
ごく普通の一般論だと思います。
Naoさんの中にある強固な思い込みが、理解を妨げていただけなのです。

そしてまた、仮に、百歩譲って、加藤がぬるオタであったとの根拠も(そもそもぬるオタの定義すらも)あやふやな仮説を全面的に信じたとしましょう。
それでも僕が最初に申し上げた「加藤ひとりの件で敗北敗北と騒ぐのはいかがなものか」との疑問に対しての答えは、未だ全くなされていません。

残念ですが、「勝手に大勝利宣言」を続けているのは徹頭徹尾Naoさんたちの方のようです。

ムホッムホッ 2008/08/02 05:40 加藤自身がキレた理由が、
彼女がいなかったからなのか、
それとも、派遣労働ゆえの解雇後に起こるであろう人生の破綻の予感からなのか?

後者が原因。
失うものは(加藤自信の命以外)何もないってぐらいに
追い詰められないとあそこまでは暴れない。
彼女がいないくらいで、失うものが無いってところまでは追い詰められやしない。
(しかし、加藤は中坊の頃彼女がいたとかいなかったとか、
何年か前に彼女がいたとかいなかったとか、その手の話を見かけたホントか?)

凶行の原因が、彼女がいないというところには無い以上、二次元の凶行抑止能力を論じても、
加藤の凶行の原因とは噛合わない話になる。

NaONaO 2008/08/03 09:14 >真道寺軍

>という言葉の意味が、恐らくNaoさんには全く理解ができなかったのではないでしょうか。

まったく理解できませんね。正露丸のたとえも意味不明です。
というか、あなたの長文自体が大好きな本田透を貶されて逆ギレした勢いでかかれたもののように思えます。『ぼくは本田氏の「分析」の正しさを証明しているようにしか思えないのですが。』という言い回しを何度もしていたり。別に現住所の本田透スレでそれを言うのは思う存分やってもらってかまわないと思います。しかし、本田の萌える男理論では零れ落ちてしまう、救えないようなタイプのオタクが出現し、そして凶行に及んだ。それを本田理論の適用範囲の狭さととるか破綻ととるかは人それぞれでしょうが、敗北と表現しても差し支えないものだと思います。(もっともそれを認めることを許さない方々もいるでしょうが、本田自身がかの理論の拡大可能性を語っていたことを忘れてしまっているのでしょう)

>ムホッ

そんなに長くないんだから加藤の携帯書き込みくらい全部読んでから話しような?それも見ずに勝手に断定しても意味ないから。

真道寺軍真道寺軍 2008/08/03 16:14 Naoさん>

>逆ギレした勢いでかかれたもののように思えます。

奇遇ですね。
ぼくにはあなたの今回のレスが逆ギレした勢いでかかれたもののように思えますが。
正直、あれだけ平易な例えを持ち出してきてそれでまだ尚「まったく理解できません」と言われ、本当に途方に暮れているのですが、乗りかかった船ですので、もう一度、手取り足取りご説明いたしましょう。
話の流れ上、まずぼくの考えを述べ、その次にNaoさんの中にある思い込みを推察する順番になり、少々判りにくいかも知れませんが、何度か読み返して主旨を掴んでいただければ幸いです。

ご存じかと思いますが、正露丸とはクレオソートを主成分とする胃腸薬であります。
本田氏の主張をごく大雑把に「萌えによる心の痛みの癒し(安っぽい言葉ですが…)」と表現しても間違いではないかと思います。
つまり、上の例えでぼくは正露丸の治療効果を「萌えの治療効果」の比喩として使ったわけです。
つまり、「ぬるオタの増加=おたく業界の拡大」というのを、ぼくは「ちょっと胃弱という程度の人にも愛用されていますよ」と例えたわけですね。
正露丸が売れていること自体が、正露丸の治療効果の何よりの証明ではないか、と例えたわけです。
普通に考えれば、そう結論せざるを得ない一般論であるかと思います。
ところがNaoさんの発言はこの常識的考え方が転倒してしまっているわけですね。

察するに、Naoさんは本田氏の主張を、「飲めばすぐ効くお薬」ではなく、「操縦にものすごく熟練を要するスーパーロボット」のように捉え、それで「ぬるオタには操縦が無理だろ」とおっしゃっているのだと思います。
ここで「ロボットの操縦」と例えたものは、つまりは「二次元への没入」の能力なわけですが、しかし、それにそもそも修行なり熟練が必要なのか、或いは(エヴァンゲンリオンのように)操縦者に類い希な資質が必要なのか、ぼくには大変疑問なわけです。

Naoさんの中では、ぬるオタと本田的なコアオタとの間にものすごい乖離があるという前提ができあがっているようですが、残念なことにそれがぼくには全く理解できないのですね。
ぬるオタの特徴としてNaoさんは

>現実世界からの分離をともなわない(志向しない)スタイルです。

>そういう人々は二次元対象をある種割り切ってとらえているために、盲目的没入をすることはないわけです。

とおっしゃっていて、ここがNaoさんにとって大変に重要なポイントであるのは判るのですが、それがぼくにとっては意味不明なのです。
アニメやゲームを楽しめている時点で、誰もが「萌え」という名のロボを操縦する資質を持っているように、ぼくには思えます。

Naoさんが、加藤がぬるオタであったという説明をいまだできていないことからも判るように、現実は「コアオタになれれば犯罪者にならない/ぬるオタだったから犯罪者になった」といった単線的なものではありません。
加藤の事件からして、現実からのストレスもあれば、生育史に原因を求めることもできましょうし、先天的な気質の問題もあるかも知れません。ムホッさんの言い方もちょっと一本調子かと思いますが、当然、仕事上のトラブルも大きな一因となっていたはずです。
逆に言えば、コアオタであろうとも限界以上のストレスを受ければ、暴走することは当然あり得るわけですね。
そこをあまりに粗雑にぬるオタとコアオタ(これはぼくの造語ですが)という「前提」を作り上げ、前者には本田理論が通用しないという理論を作り上げるNaoさんは、ぼくの目からは「正露丸を飲んでも胃癌が治らなかったぞ!」と文句をつけるクレーマーのように見えます。
おたくの中で例外的な加藤の例を持ち出して「敗北、敗北」と騒いでいるのですから、正露丸の愛用者が何十万人といる中で、飲んで病気が治らなかった者(しかも病因が胃弱によるものかすらも判然としない)が一人出ただけで正露丸を全否定しているのと、それは変わりがありません。

ムホッムホッ 2008/08/03 22:42 >Nao
マスコミ・ネット報道で幾つか見てる。
しかし、加藤の女絡みの携帯書き込みを額面どうりに受け取って、
それを凶行の動機とするのは首を傾げてしまう。

「女がいない」と「職がなくなった」、
どちらがこれだけの凶行に駆り立てた動機だろうかと考えると、
いなくても生きていくには困らない女が原因とは、まず考えられない。

Nao氏は、彼の凶行はどっちにあると思う?

NaONaO 2008/08/12 02:54 >真道寺軍さん

今までの議論がすれ違っていた理由がやっとわかりました。

>本田氏の主張をごく大雑把に「萌えによる心の痛みの癒し(安っぽい言葉ですが…)」と表現しても間違いではないかと思います。

私は本田氏の主張を「萌えは既存の恋愛に対するオルタナティブである」ととらえていました。だからこそ仮想の物や人に恋愛に相当する感情を抱くには素養、あるいは修行なり熟練が必要であると考えていました。
しかしながら真道寺軍さんの解釈のように、本田氏の主張の根本が胃弱への治療効果に相応する部分にあるのならば、私がこのエントリで述べた批判は的外れだったということになるでしょう。
いえ、もっと正確に言うならば私が批判する必要も無かった、とするべきでしょうか。
つまり萌えは胃弱に対する癒し効果のようなものしか与えないのであれば、彼の理論によっては最初から加藤はおろか非モテやリアル恋愛に敗れた者あるいはそのフィールドに上がることさえできない者を救うことはできなかったということになる。
つまり私は本田理論を過大評価していたことになるわけで、真道寺軍さんの解釈程度の意味合いであれば最初から批判する必要も無かったなと思うわけです。

NaONaO 2008/08/12 03:02 >ムホッ

まあしかし、女がいれば多分次の職探してただろうとは思うんだよね。
彼女がいないことに対する鬱屈した感情がずーっとあって、それが爆発するきっかけとしてツナギ隠しがあるわけだから、仕事のことだけに限定するのもどうかと思うわけ。
少なくとも彼にとって女は「いなくても生きていくには困らない」存在ではなかったことをちゃんと受け止める必要がある。

真道寺軍真道寺軍 2008/08/15 04:12 ぼくは難解なことは全く言っていないので、(賛否はおくとしても)言わんとしていることは伝わっているのだ、と信じたいのですが…。
随分とまた、自説を簡単に翻しましたねw
ぼくとしてはNaoさんが

>仮想の物や人に恋愛に相当する感情を抱くには素養、あるいは修行なり熟練が必要であると考えてい

た、その理由を知りたかったのですけれど。

冷静に考えていただきたいのですが、萌えが恋愛に代わるオルタナティブか否か、ということと修行や熟練が必要であるか否かは、全く無関係です。

萌えの機能が「癒し」(つまり、「胃弱への治療効果」)であるならば、「加藤や非モテやリアル恋愛に敗れた者あるいはそのフィールドに上がることさえできない者を救う」可能性が当然、見込まれると思うのですが、ここでもNaoさんの考えは通念の全く逆を行っているように思います。

アニマルセラピーというのがあると思います。
詳しくは知らないけれども、例えば幼くして子供を亡くした親が、慰めのために犬を飼うとか、多分そんなのだと思います。
犬さえ飼えば、どんな悲しみも晴れるというわけではないでしょうが、犬を飼うことで慰めになっている人々も、大勢いることだろうと思います。
「萌え」とはそういうことであり、そんな難しいことは、ぼくも本田氏も言っていないはずなのですが、Naoさんはどうしてそのような摩訶不思議な解釈をなさるんでしょうか。

まあ理由など何もなく、「敗北」という結論だけがまずあったからこそ、自説を簡単に翻しただけなのかも知れませんが。

ムホッムホッ 2008/09/28 12:54 >>少なくとも彼にとって女は「いなくても生きていくには困らない」存在ではなかったことをちゃんと受け止める必要がある。

では、仕事のあった間は凶行に及ばずに、仕事をクビになった直後に凶行に及んだのは何故だろう?その間ずっと女はいなかったが。

NaONaO 2008/09/28 14:19 >真道寺軍さん
ところで『アキバ通り魔事件をどう読むか』(洋泉社)は読まれましたでしょうか?そこに本田透の対談があるんですが、本田はこう言ってます。

僕、『電波男』出したときに「僕も似たような人間なんですけれど、こんな風に萌えられないんですけど、どうすればいいでしょう」って言ってこられて困りまして、そんなの人間努力あるのみで、タダでラクして救われる方法はないんですよ」って言いましたけど。(p72)

これは本田自身が萌えるために努力を必要としていると認めている発言ですよね。これに異論があるなら僕に言うより本田に抗議しに行くべきだと思います。

>ムホッ

それを言うなら彼は何度も辞職・契約解除による解雇を経験しているけれど、そのときはいずれも犯行に及んでいないのはなぜ?

真道寺軍真道寺軍 2008/09/29 07:35 お久し振りです。
相変わらずひたすら相手に言いがかりをつけるだけのレス、ご苦労様です。
僕は万人が「萌え」られるとは一言も言っていないのですが。
むろん、僕は以前、おたくであれば誰もが「萌え」られるのではないかとも書きました。
しかし、それはあなたが(無理矢理に、自分の望む結論を導くためだけに)「ぬるオタ」という概念を持ち出して、おたくと言えども萌えることに類い希な資質が必要であるかのように書いたから、そんなスキルは必要ないだろうと書いただけです。
世の中には水泳のできない人間もいるが、一方でそれが誰にでも習得できる普遍的なスキルでもある、というのといっしょですね。

しかも、件の記事で本田氏に相談してきた人物は、果たしておたくだったかどうかすら判然としないというおまけつきです。
本当にお粗末極まることだと思います。

僕が繰り返しているたったひとつの主張を、Naoさんにいまだ理解できずにいらっしゃることが、僕にとっては大変に不可思議です。
本田氏に責を押しつけるのはそろそろやめて、アニマルセラピスト(そんな職種があるのかどうかは知らない)に対して「動物アレルギーの人間に対してお前たちのやっていることは無効だ、アニマルセラピーなどやめちまえ」と言いがかりをつける旅に出られてはいかがでしょうか?

NaONaO 2008/09/29 08:18 うーん、わかりませんかねえ。

>僕は万人が「萌え」られるとは一言も言っていないのですが。

私は終始そういう人を包摂できなかった点を問題として指摘しているんですけど。
本田透の主張はそんなやつらをターゲットにしていない、と言うならその理論ってのは彼が主張するほどのインパクトは無いから別に相手にする必要もなかったね、あー損した。ってことなんですけど難しいですかあ?
それを「敗北」と表現するのは至極全うな用法だと思うんですけど。
自分の好きなキャラクターが汚されたと言って自宅に誹謗中傷の手紙を執拗に送り続けるようなハードコアな人も世の中にはいるようですが、オタクはすべてそういうファナティックな人種である、という感覚で物事を考えてはやはり明後日の結論しか出ないんじゃないかと思いますよ。
あとアニマルセラピーの話はよく知らないしこれから勉強する予定もないので、言いがかりをつけるたびに出たければご自分でなさってはどうですか?

真道寺軍真道寺軍 2008/09/29 20:47 なるほど、「ただひとりの例外もなく救えなければその治療法は全くの無価値だ」とのずっと繰り返していらっしゃった奇怪な主張にしがみつき続けられるのですね。
僕はその偏狭な考え方そのものに疑問を呈したのですが、「疑問を感じようが感じまいがそれがオレの信念だ」とおっしゃるのであれば、それは仕方がありません。

僕には、「これだけ萌えが世間に広まっていること」そのものが本田氏の主張の正しさを証明であり、大変に驚くべきことに見えるのですが。

それとファナティックでハードコアな誹謗中傷を続けているのは徹頭徹尾Naoさんでいらっしゃるかと思います。
大変に格好のいい振る舞いだと思います。
もっともその意味で、そのような感覚で物事を考える人には明後日の結論しか出せないのだ、とのお考えには全面的に賛同しますが。