嗚呼幻の定吉七番

2008-11-26 12:09:21 Theme: 日記

定吉七番シリーズという小説がある。


作者は東郷隆(とうごう・りゅう)で、吉川英治文学新人賞や新田次郎文学賞を受賞されたノンフィクション作家にして小説家のえらい先生なのだが、定吉七番シリーズというのがこれまたぶっとんでいて、舞台は大阪、大阪商工会議所秘密会所所属の殺人許可証を持つ丁稚、定吉七番こと安井友和が、『全ての関西の食卓に納豆を!!をスローガンに(関西人は納豆嫌いが多い)、東日本から関西系企業を駆逐する為に暗躍する謎の秘密結社、NATTOと戦うという物語なのである。


ようするに、007のパロディーなのであるが、別段そんなことどうでもよいくらいに面白かったのだ。


私は、25歳ぐらいのときにこのシリーズの第一作『定吉七は丁稚の番号』(角川文庫)をふと神戸市長田区は神戸デパート前の書店、秋田百文館(わたしたちの間では、あきたもももんかんという通称であった)で見つけ、ぱらぱらと読み出したところやめられなくなり、その後のシリーズが発売されるや否や、可及的速やかに、アズスーンナズポシボー購入し、むさぼり読んだ記憶がある。


『そうかあ。とうとう関西の笑いが、こうして全国区の小説として昇華したのであることよなあ』としみじみ思ったものだ。


さて、PCエンジン用のゲームROMを物色していたところ、その定吉七番がPCエンジン用にゲーム化されているということを知ったのである。『定吉七番 秀吉の黄金』というのがそのタイトルらしい。そんなものが発売されているとは、まったく知らなかったのである。


ところが、なんということか、ROMイメージが落ちていないのである。


海外のサイトで、やっとダウンロードさせてくれそうなところに辿り着いたと思ったら、なにやらユーザ登録を求められてしまった。


わけのわからぬところで、やたらめったらにユーザ登録をしてはならんというのが、インターネット利用の鉄則なので、そこはしぶしぶ諦めたのだが、なんとかROMを入手せぬことには諦めきれない。それなくしてゲームミュージアムの完成もないほどだと思っている。


かくして、毎夜毎夜、定吉七番のROMを求めて、幽鬼のようにインターネットの大海原にさまよい出ている私なのであった。


どこにあるんだぁー!定吉七番のROMやぁーい。


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