現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. その他・話題
  5. 記事

74歳女性に補助人工心臓 阪大病院が新治療法

2008年11月26日11時37分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

写真埋め込み型の補助人工心臓を付けた南元子さん(74)。近く退院の予定という=大阪府吹田市の大阪大学病院

 大阪大学病院(大阪府吹田市)は26日、重い心臓病を患って入院していた女性(74)が、補助人工心臓の埋め込み手術で回復し、近く退院すると発表した。高齢者が長期使用目的で人工心臓をつけ、在宅治療に入るのは国内で初めてという。同様の高齢患者は国内に千人以上おり、新しい治療法として期待される。

 同病院によると、女性は、重症の虚血性心筋症を患った奈良県在住の南元子さん。07年7月に心筋梗塞(こうそく)で倒れ、今年5月から同病院で入院していた。国内では心臓移植を受ける患者は「60歳未満が望ましい」とされる。南さんが自宅療養を望み、今年9月に新型で小型の補助人工心臓の埋め込み手術を行った。装置は直径約2センチ長さ約5センチの筒状。耐久性があり、英国で7年半使用した患者がいるという。

 南さんは「これを付けて、世の中が開けた感じ」と喜びを語った。これまで病室に寝たきりだったという。

 心臓血管外科長の澤芳樹教授は「新しい治療法として、移植を待つ患者、受けられない患者の選択肢にできるようにしたい」と話した。

 国立循環器病センターの中谷武嗣臓器移植部長は「欧米では、同様の治療法は、長期の在宅治療として広まりつつある。移植以外の選択肢としても、国内でも検討すべき課題だ」という。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内