重い心臓病で、大阪大病院(大阪府吹田市)に入院していた女性(74)が、体内に入れたポンプで全身に血を送る「埋め込み型補助人工心臓」をつけて回復し、近く退院する。日本では従来、人工心臓は、後から心臓移植を受けることを前提に装着されてきた。しかし女性は高齢のため移植ができず、人工心臓をつけて一生を過ごす見通しだ。こうした人工心臓の「永久使用」は国内では初めて。海外では数百人が経験しており、7年半生きた患者もいる。
患者は奈良県の主婦、南元子さん。26日、阪大病院で記者会見し「(今年5月に他の病院から)阪大に運ばれた時は半分死んだような状態だった。今はやりたいことがたくさんある。音楽会や劇を鑑賞したいし、自分で歩いて本屋に行って本を選びたい」と笑顔で話した。
07年7月に心筋梗塞(こうそく)を起こし、重い心不全が続いた。今年9月に阪大病院で小型の人工心臓(長さ5・5センチ、重さ90グラム)を埋め込む手術を受けた。欧米では認可済みだが日本では未認可で、患者に使う試験中という。【高木昭午】
毎日新聞 2008年11月26日 東京夕刊