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「人生が変わってしまった」/22人の1人の保護者が心情を吐露/神田高校不適正入試問題
- 子育て・教育
- 2008/11/26
「子どもの可能性の芽が摘まれてしまった。謝罪されても、もう時間は戻らない」―。県立神田高校(平塚市)が入試で選考基準を逸脱し、本来なら合格していた二十二人の生徒を服装の乱れなどを理由に不合格にしていた問題で、突然届いた県教育委員会からの手紙に当該の生徒やその保護者は戸惑っている。ある保護者は「(こうした事態を招いた)関係者が処分されないのは甘い」と怒りをあらわにした。
神田高で基準点を超えながら不合格になったのは二〇〇四年度、〇五年度実施の入試でいずれも六人、〇七年度は十人。
現在十八歳になる長男が〇五年度の後期選抜を受けた小田原市内の母親(53)は今月半ば、県教委から「お話したい」と手紙が届いた。その数日後の二度目の手紙に「合格圏内に入っていたにもかかわらず不合格にされていた」と理由が示されていた。
母親は事態をのみ込んだ。「息子もあの時入学していれば違った人生を歩んでいたはずなのに」と悔しさを隠さない。
長男は「俺だって高校生をみるとうらやましいし、高校に行きたかったよ」と話すが、進学した同級生は高三。「ようやく仕事を見つけ車の免許も取った。今さら三年間通う気にはなれない」
中学生時代、茶髪にしたことが原因で教室に入れてもらえず、中二半ばから不登校になった。再起をかけ中三から横浜市内の公立中に転校。親類の家に下宿し、塾に通って個別指導を受け高校受験に備えてきた。
塾の先生とも相談し、小田原市内の実家から通える距離も考慮して神田高を選んだ。母親は当時、「お母さん、受かったと思うよ」と長男が明るく話していたことを覚えている。ピアスの跡もあったが、髪を黒染めして受験に挑んだ。「息子は外見とは違い思いやりのある子。周りに迷惑をかけるようなことをする子ではない」(母親)。
入学した通信制高は続かず、交通事故でけがしたことをきっかけにふさぎ込み、うつ状態になったこともある。ことし夏前からハローワークに通い、とび職の仕事を見つけて働き始めたところに、手紙が届いた。
神田高の前校長の復帰を求める嘆願書が提出されたことを、母親は報道で知った。複雑な思いをにじませた。「不合格にされた息子のことも理解してほしい。(外見という)偏見で二十二人の人生を変えたのだから」
県教委は不合格にされた受験生とその保護者に手紙を出して当該者と伝えている途中。「生徒や保護者と直接会って謝罪し、今後の対応を相談したい」(高校教育企画室)としている。
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土方もぐら
[2008/11/26 10:42:54]
自分が高校受験をした埼玉では内申書が重要視されていました。
内申書には中学校生活での学業成績や校内活動また授業態度や服装の乱れなども考慮されていたはず。ふだんから茶髪にしたりボタンを外して制服を着たりしていれば評価もそれなりに。
受験の際に好ましくない身なりで臨んでいた以上教科の成績が合格範囲にあったとしても、不適とされて仕方ないだろうとこの事が明るみになったときから感じていました。
土方もぐら
[2008/11/26 10:44:08]
受験する態度が学生として相応しく無いのを恥じるべきで学校のせいにするのはお門違いのような気がしてしまいます。
受験時など初見ではどうしても外見で判断するのは致し方ない、それが嫌なら端からそうするべきでは無いと子供を厳しく育てていくべきでしょう
たしかに未だにおかしな校則で縛り付ける学校もありますが、社会に出て守らなくては行けないマナーや法律をまず守ってから問題点を変えていくのが筋でしょう。
了
飲み物
[2008/11/26 12:09:13]
私も落とした学校の責任にするのは間違いだと思います。
子供のした事とはいえ、いずれ社会に出る身。
そこで「受けるから髪だけ染めた」とか安易な考えでは遅かれ早かれしっぺ返しが自分に返ってきてたと思います。
それを、社会や他人のせいにだけはして欲しくないです。
子供が「常に見た目やマナーなんて気にしても、何の意味も無い。
気にする努力をするだけ損。」
なんて思われないような神奈川であって欲しいです。
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