ずっと欲しいと思っていたPDA(携帯情報端末)だが、スケジュール管理、サイズ、地図・GPS機能など、筆者の要求を満たすものには、これまで出会えずにいた。だが最近イー・モバイルから出たスマートフォン「Touch Diamond」は、定額でパソコンのモデムとしても使えるなど好みに合うもので、GPS内蔵コンパクトPDAとして活用している。
もう15年以上前からPDA(携帯情報端末)が欲しいと思っていたのだが、これという何かを感じるものにはずっと出会えず、手を出しかねていた。最近久々に「欲しいな」という気分が高まってきていたのだが、評判だったiPhoneには、何故か食指が動かなかった。もともとはMac使いで貧しさ故、やむなくWindowsに移行した自分としては、我ながら意外だった。なんか決め手に欠けていたんですなあ。
そんな筆者がPDAに求めていたのは、スケジュール管理、邪魔にならないサイズであること、そして地図・GPS機能の3点。
まずスケジュール管理は、とにかくMicrosoft Outlook(アウトルック)と心配なく同期できなければいけない。この時点で、筆者にとってはiPhoneは圏外に去りそうになる。「対応している」とはいうが、Mac使いだったころの記憶をたぐり寄せると、やはりWindows環境とのやりとりには不安が残る。「だったら、はじめからWindows MobileのPDAにすれば確実だろ」ということになるのだ。
オモチャとしてだったら多少難点があっても愛せるのだが、今回は実用性と信頼性を重視しているのでiPhoneは却下。ついでに日本でサポートしているキャリアがソフトバンクだという点も、筆者にとってはマイナスポイント。家族がYahoo! BBと契約したときのサポートの悪さなど、個人的によい印象を持っていなかったのだ。
次にサイズだが、紙の手帳みたいな大きさでは持ち運ぶ気がしないし、それだけの大きさがあるのだったら、電源いらずで信頼性の高い紙の手帳そのものを持てばいいじゃんという考えである。これまでに出ていた多くのPDAは、この点で失格となる。すでに生産中止になっているがDellのAxim X51vなどには、機能上もかなり引かれたのだが、やはりこのサイズなどが気になって、購入には至らなかった。
最後に地図・GPS機能について。これは特に都内での位置確認に利用したいという理由からのこだわりだ。また、もともと地図マニアっぽい傾向があることもあるだろう。既存のPDAやスマートフォンにも、USBやBluetooth接続で拡張機能としてGPSを利用できるものはあっものの、システム管理や装備が煩雑になるので内蔵しているものが欲しかった。
その点、2004年に発売され人気を呼んだ台湾MiTAC社製のGPS内蔵PDA「Mio 168」は、かなり心に響いたのだが、筆者には大きすぎた。また同じくGPS内蔵でGoogleマップにも対応しているiPhoneは、この条件だけ見ればかなりいい線をいっていたのだが、昭文社の電子地図ソフトPocket Mapple Digital(Super Mapple Digitalに付属している)が使えない点が痛すぎた。GPS信号の受信機は電話機能とは無関係なので、電話の圏外でもこのデータがあれば、現在地を詳細な地図上で確認できるPDAとして利用できるはずなのだ。
そんな中、出会ってしまったのが、台湾HTC社が開発したWindows Mobile 6.1搭載のスマートフォン「Touch Diamond」だ。手のひらサイズで、重さは約98g。ハードウェアキーボードを廃し、操作は2.8インチの液晶タッチパネルで行なう。
日本ではまず10月10日にイー・モバイル(EMOBILE)からデビューしたほか、11月に入ってからはNTTドコモおよびソフトバンクモバイルからも発表された。Touch Diamondにスライドキーボードを追加した「Touch Pro」も併せれば、HTC社製端末がKDDI(au)も含めた国内の携帯電話キャリアに投入されることになる。これがまさに筆者のニーズにほぼ応えるものであったのだ。当時はイー・モバイルのS21HTだけが発売されていたのだが、知ってから1日だけ考えて「お買い上げ」と相成った。貧乏なのに、大丈夫なのか?
さて、本来ならこれはWindows Mobile搭載のPDA機能を持つ「携帯電話」と捉えるのが自然なんだろうが、実は筆者は「電話」としての機能は全く期待していない。そしてそれは何故イー・モバイルをキャリアに選んだかということと関係する。ただ我慢できずに「買ってもうた〜」わけではない。というのも、イー・モバイルの端末は、定額でパソコンのモデムとしても使えるのだ。
この他キャリアにない利点に比べれば、サービスエリアが少々狭いのは許せるというもの。エリア外でもPDAとしては使えるわけだし、仮に通信を一切しないとしても、GPS、無線LAN、Bluetooth機能を持ち、4Gバイトのストレージ(データ記憶装置)を備えるPDAとして考えた時、同様の機能を持つちょっと前のPDAとコストはほとんど変わらない。一方で、これほどのコンパクトさは、これまでのPDAにはなかったものなのだ。何しろワイシャツの胸ポケットに定期入れと一緒に入っていても、全然気にならないのだから。そんなわけで筆者は、単体でも通信ができるPDA兼モデムとして、この端末を購入した次第。同じようなニーズを持つ方にはオススメの1台と言える。
ただし電話圏外でのGPS機能の利用については、機種固有の問題等で、できない可能性も、考えにくいが「絶対にない」とはいえない。しかしスペック的には可能なので、それはこれから人柱となって試すつもりだ。
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