計画への理解求める 岩手県立病院無床化で知事

 岩手県医療局が計画している6カ所の県立病院・地域診療センターの無床化について、達増拓也知事は25日、盛岡市内であった市議会議長会との懇談会で、「思い切ったことをしないと、岩手全体の医療体制が崩壊してしまう」と医療局の方針を後押しし、関係市町村に理解を求めた。

 達増知事は地域の拠点病院も医師不足に陥っている現状に触れ、「(診療センターを)応援する医師が過剰負担に耐えられなくなり、退職すれば岩手の病院がダウンしてしまう」と体制見直しの必要性を訴えた。

 2004年の病院再編計画で、県が診療センターの無床化を打ち出しながら、最終的に有床にしたことにも「衆院議員だった当時は(無床化を懸念し)、過疎切り捨てはまずいとの意識を持っていた」と言及。知事就任後の県立病院勤務医との意見交換で現場の窮状を訴えられ、無床化が医師確保に欠かせないとの見方を示した。

 達増知事は医師確保について「地域経済対策と並んで岩手が直面する最大の課題。医師不足への対応が県政課題の半分を占めると言ってもいい」とも述べ、解決に全力を注ぐ決意を見せた。

 議長側からは「県立病院を取り巻く環境の厳しさは承知しているが、県民が安心して暮らせるように地域の実情を考慮してほしい」と無床化に反対する声が上がった。
2008年11月26日水曜日

岩手

政治・行政



河北新報携帯サイト

QRコード

東北のニュースが携帯でも読める。楽天・東北のスポーツ情報も満載。

≫詳しくはこちら

http://jyoho.kahoku.co.jp/mb/