小児科外来でトリアージ 大館市立総合病院、今月から
小児科の看護師が受付時に患者の体温や脈拍、下痢や嘔吐(おうと)の症状など15項目を確認。緊急性の高い順にレベル1(蘇生=そせい)、2(緊急)、3(準緊急)、4(非緊急)の判定を下し、3以上の患者の診察を優先する。 同病院の小児科には、周辺市町からの患者も含めて1日50―80人が受診に訪れる。11月初めから約2週間で、計20人ほどの子どもがレベル3と判断され、診察順を繰り上げられた。 大館市立総合病院の小児科医には9月まで4人の常勤医がいたが、同月末に1人が退職。1人は掛け持ちしていた業務が多忙となり、10月から実質2人となった。 2人のうちの1人、丹代論医師(35)は「本来は(患者受け入れ制限など)診療縮小の必要があった。患者に迷惑を掛けず、縮小せずに済むシステムとして、トリアージを始めた」と説明する。 インフルエンザや風邪が流行する冬には、患者が1日100人を超え、重症者も増える。同病院の小児科医には、救急対応やリスクが高いお産への立ち会いも求められているため、外来の診察が一時的にストップする事態も想定され、トリアージの効果が期待されるという。 トリアージの円滑な運用には、待ち時間が長くなる「非緊急」患者の理解と協力が不可欠なほか、看護師が適切な判定を下すための研修も必要となる。 丹代医師は「市民の意見も聞いて制度をよく検証しながら、外来トリアージを進めていきたい」と話している。
2008年11月26日水曜日
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