国土交通省は25日、道路事業の費用対効果の計算方法を見直すことを正式に決めた。道路整備による「便益」が従来より低く算出されるため、建設が認められないケースも出そうだ。
同日の検討委員会で了承した。道路の便益は「走行時間短縮」「走行経費減少」「交通事故減少」の3要素で算出し、費用(事業費と維持管理費)を上回る便益があれば建設できるのが原則。
時間短縮の便益は、業務目的の場合は道路整備で浮く賃金の額などが基準だが、今回はもともとの賃金が相対的に低い小規模事業所も対象にすることで、道路整備の便益が小さくなるようになった。
レジャーなど業務目的以外の場合、短縮時間を仕事に充てると仮定し賃金が増える額が便益になるが、運転者の手取りにならない税金分を差し引くことにした。今後は新しい計算方法で個別路線ごとに費用対効果が計算されるが、国交省道路局は「従来より便益が1~2割減る事業が多いだろう」とみている。【位川一郎】
毎日新聞 2008年11月26日 東京朝刊