贋金王
佐藤 清彦
発行:青弓社
この版元の本一覧
四六判 272ページ 上製
定価:2,000円+税 総額を計算する
ISBN978-4-7872-3140-6(4-7872-3140-5) C0036
品切・重版未定
奥付の初版発行年月:1997年06月
書店発売日:1997年06月01日

紹介

一攫千金の夢に憂き身をやつし、日夜贋金づくりにいそしむ強者たち。貧しさに糊口をしのぐ者、官憲を欺き傲岸不遜に嗤う者……セーラー服の可憐な美少女から有名博物学者まで、だましだまされながらも「本物を超える芸術」に挑んだ錬金術師列伝。

目次

第一章 藤田組贋札犯、百十余年後の逆転  1 大山嗚動してネズミ一匹の結着  2 フィクションに託す清張の想念  3 現代科学からのアプローチ  4 熊坂長庵は真犯人ではない  5 浮説がなぜ定説になったのか 第二章 ここは夢とロマンの世界  1 贋金つくりの子孫は消えた  2 中世自由都市は堂々の民鋳  3 江戸六地蔵と贋金つくり伝説  4 幕末の夢、開陽丸の“御用金”  5 偽札死すとも板垣は死せず 第三章 贋金つくりのピンからキリまで  1 無念の不発ブラキストン紙幣  2 西郷軍“金のなる木”始末  3 監獄でつくった猛者がいる  4 可憐なセーラー服の偽札つかい  5 蛇踊らせて“近づくなかれ”  6 巡査はなぜ偽札を使ったか  7 異地心中果たした男女の純情  8 「泣くな」で泣かせるこの番号  9 元軍人らの戦後最大偽造団  10 ゴミ捨て場から出た十億円  11 七色の顔を持つ童話作家  12 パソコン札とテレクラの関係 第四章 闇に消えうせた虚人たち  1 帝都にパニック“そっ歯の男”  2 疾風さながら八時間の犯行  3 史上最高の技術者チ−37号犯  4 “ヒロヒト金貨”盲点衝かれる  5 これぞ革命的偽札和D−53号 第五章 窮すれば、おエラ方もつくる  1 偽貨と真貨の鬼ごっこで自壊  2 「役人の罪こそ重し」の叫び  3 あちらもこちらも“偽貨”維新 第六章 生まれついてのコスモポリタン  1 一国を見事にだました大芝居  2 太平洋戦争下の陸軍贋幣作戦  3 贋幣作戦に乗った知恵者たち  4 半世紀さまよい続ける軍票  5 平和になっても続く謀略偽札  6 ここでも大国ぶりを競う米中 第七章 芸術、模造、偽造は紙一重  1 三船敏郎“偽札”ばらまく  2 ちょっと宣伝たちまち御用  3 偽札口実のあの手この手 第八章 ここは失意と絶望の世界  1 贋金つくりの論理と倫理  2 “専守防衛”で偽札と戦う  3 同じ偽造なら有価証券  4 贋金つくりにあすはない 参考にした主な本 あとがき

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青弓社

著者プロフィール

佐藤 清彦(サトウ キヨヒコ)

1930年生まれ。早稲田大学文学部卒。読売新聞社を経て、現在、文筆業。『おなら考』『脱獄者たち』(ともに青弓社)、『大冤罪──死刑後、犯人出づ』(イクオリティ)、『やぶにらみ・法律記事』『ねらい撃ち・法律記事』(日本評論社)、『奇談追跡』(大和書房)、『奇人・小川定明の生涯』(朝日新聞社)など。



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