第二次世界大戦中に旧日本軍に連行され「慰安婦」として性的被害を受けたフィリピン女性らを撮った写真展「ロラを訪ねて。」が左京区の喫茶店「キッチンハリーナ」で開かれている。市民グループ「旧日本軍性奴隷問題の解決を求める全国同時企画京都実行委員会」のメンバー、稲荷明古(あきこ)さん(25)=左京区=が06年にマニラで撮影した10点を展示。「証言者の生の声を聞けるのは私たちの世代が最後。伝えていかなければならない」と活動に取り組む。9日まで。
「ロラ」はおばあさんを意味する。05年に同会の証言集会のために来日したピラール・フリアスさんを、翌年にメンバーと訪ねた。3日間滞在し、旧日本軍に目の前で父親を殺害、母親をレイプされ、姉と2人で慰安婦とされたというロラたち6人の証言を聞いた。証言後は一緒に歌って踊り、その明るさに「人としての尊厳を自分たちで回復した力を感じた」という。
写真の中のロラたちは一様に笑顔だ。「自分たちが味わった痛みを他の誰にも味わってほしくないという愛情を感じる。この笑顔をみんなに見にきてほしい」と稲荷さんは話す。写真展は午前11時~午後6時半(7、8日は午後9時まで。6日は休み)。
30日には慰安婦とされた呉秀妹(ウシュウメイ)さんと人身売買などの問題に取り組む呉慧玲(ウホエリン)さんを台湾から招いた証言集会が下京区の「ひとまち交流館 京都」で開かれる。午後2~6時。一般500円、大学生300円、18歳以下(大学生は除く)は無料。実行委の浅井さん(090・8124・7752)。【古屋敷尚子】
毎日新聞 2008年11月5日 地方版