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鎮静剤投与と死亡の因果関係否定 妻の請求棄却
このニュースのトピックス:民事訴訟
直腸がん手術後に夫=当時(50)=の容体が急変し死亡したのは、鎮静剤などを過剰に投与したためとして、妻が病院を設置管理する宮城県に約1億900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は25日、「投与と死亡との間に因果関係は認められない」として請求を棄却した。妻側は控訴する方針。
潮見直之裁判長は「鎮静剤は過量に投与されており、夫の心停止が鎮静剤の薬効によるものではないかとの疑いを抱かせることは否定できない」としながらも「医学的知見に照らせば、薬効による心停止と考えるには時間経過が短すぎる」と判断した。
判決によると、男性は平成15年7月10日、宮城県立がんセンターで直腸がんの手術を受けた。その後、「腸が動いて痛い」と訴えて容体が急変し、7月14日に死亡した。