【ブリュッセル福島良典】家計の苦しいベルギー人の若いカップルが、生後間もない赤ん坊をインターネットで知り合ったオランダ人夫妻に売り渡していた事件が明るみに出た。ベルギー、フランス紙などが24日報じた。ベルギー捜査当局は出生にかかわる事実を偽った容疑でカップルから事情を聴いている。
報道によると、ベルギー北西部ヘントに暮らすベルギー人女性(24)は当初、妊娠を同居中の男性(22)に隠していた。だが、中絶可能な時期を過ぎたため、既に子供1人を養育中のカップルは2人目を育てるのは金銭的に困難と考え、売買を計画。子供を欲しがっていたオランダ人夫妻=いずれも26歳=とネットで知り合い、今年7月、出産翌日に病院の駐車場で「取引」したという。地元メディアは売買金額を「5000~1万ユーロ(約62万~約124万円)」と報じている。
オランダ人夫妻は実子として出生届を出し、オランダで育てているという。
毎日新聞 2008年11月25日 18時53分