MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

ニュース: 政治 政局政策地方行政写真RSS feed

【明解要解】「立ち木」で遅れる静岡空港開港 滑走路短縮で巨費、需要も期待薄? (1/2ページ)

2008.11.25 06:55
このニュースのトピックス地方自治

 来年3月に予定されていた静岡空港(静岡県島田市、牧之原市)の開港が最長7月まで延期される事態となった。滑走路西側に残る反対派地権者の「立ち木」が航空法に触れたためだ。石川嘉延知事は「収用時の測量ミス」を認め、謝罪した。土壇場での失態は想定外の公費支出をもたらし、開港機運に水を差した。地方空港をめぐる環境が厳しい中、県が柱として進めてきた事業の先行きは不透明だ。(静岡支局 磯山道彦)

                   ◇

 この問題は反対派が空港事業認定の取り消しを求めた訴訟で、航空法で定めた高さ制限を超す立ち木の存在が分かり表面化。空港の基本施設が完成し、開港に必要な公的手続きを始める矢先の9月11日のことだった。

 10月末の県議会で滑走路西側の約1400メートル先に立ち木153本と土地3カ所(計7・4平方メートル)が残っていることが明らかになった。地権者との交渉は合意に至らず、高さ制限への対応策として、2500メートルで完成した滑走路を暫定的に300メートル短縮する工事の実施と、開港予定の延期を正式に表明した。

 短縮滑走路は「いつでも元通りに戻せる状態」(県空港部)で運用されるが、新たに航空灯火や標識を追加する工事に1億1000万円の出費が必要となり、荒天時に有効な電波誘導方式での着陸もできないなど前途多難だ。

 静岡空港の愛称は「富士山静岡空港」。外国人に人気が高い富士山に一番近い空港としてアピールしている。空港建設の総事業費は1900億円。「経済力と豊かな県民生活の維持に必要」として平成8年に国の設置許可を得た。

 県は14年の調査で開港時に国内線106万人、国際線32万人の年間需要を見込み、観光客誘致と経済効果で556億円の県内総生産と8000人の雇用創出を想定する。これまでに決まったのは、国内3路線(札幌、福岡、那覇)と海外1路線(ソウル)。県内の航空会社が3路線(小松、熊本、鹿児島)への参入を表明し、中国・上海線も近く確定する見込みだ。

このニュースの写真

PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。