【カイロ=井上道夫】アナン前国連事務総長、カーター元米大統領らは22日、滞在先のヨハネスブルクで記者会見し、人道状況を調査するためジンバブエに入ろうとしたところ、同国に査証(ビザ)の発給を拒否され、入国を断念したと発表した。AP通信などが伝えた。
査証を発給しない理由についてジンバブエ政府系紙は18日付の記事で「ジンバブエ政府は、与野党間の協議が続いていることや、農繁期で忙しいため、訪問時期を先延ばしすることを求めた」と説明。一方で、「人道支援と言いながら、訪問目的が野党支援の可能性がある」とする当局者のコメントも掲載した。
これに対しアナン氏は「(発給拒否に)正当な理由がない」と述べ、カーター氏も「ジンバブエ政府の指導者が国民を助けることに関心を持っていないことは明らかだ」と批判した。
大統領選をめぐる混乱が続くジンバブエでは、9月に与野党が連立政権樹立に合意したが、閣僚ポストの配分で対立が続いている。