【ロンドン=吉田ありさ】英政府は24日、総額200億ポンド(約2兆9000億円)と国内総生産(GDP)の1%に相当する規模の景気刺激策を発表した。付加価値税(消費税)の基本税率を一時的に17.5%から15.0%に引き下げる減税が柱で、個人消費を下支えする。財源は将来、高所得層の所得税率を引き上げて賄う方針だ。
ダーリング財務相が同日、英下院で表明した。2009年の実質成長率の政府見通しはマイナス0.75―マイナス1.25%と、3月時点(2.25―2.75%)から大幅に下方修正。財務相は景気刺激策などで09年後半から英景気は回復し「10年にはプラス成長に戻る」と予測した。
消費税の基本税率の引き下げは今年12月から09年末までの時限措置で、総額125億ポンドの減税となる見通し。基本税率の変更は1991年に15.0%から現行の17.5%に引き上げて以来。学校施設建設などの公共事業を拡大するほか、中低所得層向けに導入した臨時減税措置の期限を延ばす。財政収支の中期的な悪化を防ぐため、高所得層の所得税率を11年度から45%に引き上げる方針を示した。
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