「精神疾患」10年で4倍 地方公務員の長期休職理由
二〇〇七年度に精神疾患で長期の休みをとった地方公務員の数が十年前の四倍に増えていることが、総務省の外郭団体「地方公務員安全衛生推進協会」(東京)の調査で分かった。職員全体の中で占める割合も、データが残る一九九三年度以降、初めて1%を超えた。専門家は人員削減や成果主義の導入によるストレスを指摘する。
調査は都道府県、政令指定都市、都道府県庁所在地、三十万人以上の市のほか、都道府県ごとに任意の四市町村をサンプルに実施している。
警察、消防、教育職員は含めず、精神疾患を理由に一カ月以上休んだ職員の人数を十万人当たりに換算。〇七年度は、全国の地方公務員の四分の一に当たる約七十六万人を対象にした。
がん・白血病や心不全・脳梗塞(こうそく)などと同様、二百人台前半で推移していたが、一九九八年度ごろから増え始め、〇七年度、初めて千人を超えた。九七年度の二四六・九人から約四・二倍になり、調査対象の病気の中で突出して多い。
関西福祉科学大学の長見まき子准教授=産業精神保健=は「精神疾患にかかる公務員の数は、民間企業の社員の数倍」と指摘する。
背景には、公務員に対する市民の目が厳しくなった▽平成の大合併や行革による人員削減で業務量が増加した▽異動が多く、公務員の「奉仕の精神」になじみにくい成果主義の導入が進んだ-などがあるという。
兵庫県と神戸市によると、〇七年度に同様の理由で休んだ職員は、県が百二十四人(九七年度比三・八倍)、同市が百四十八人(同一・九倍)。長見准教授は「休んだ職員のフォローだけでなく、組織のあり方から見直す必要がある」と話している。
- 財団法人 地方公務員安全衛生推進協会
- EAP研究所 (関西福祉科学大学)
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