「スーパーマリオギャラクシー」のレビューの続きです。
前編はこちら↓
http://idada.blog89.fc2.com/blog-entry-50.html
ソフト公式サイト
http://www.nintendo.co.jp/wii/rmgj/index.html
Wii.comの紹介ページ
http://wii.com/jp/articles/mario-galaxy/
3Dアクションの楽しさを抽出した遊びやすいゲームデザイン
・迷いにくいステージ構成
すでに何度か書いていますが、今回のマリオのステージは小さな惑星を渡り歩いていくような構成になっています(もちろんそこそこ大きな惑星もあります)。
従来の3Dアクションに比べ1つ1つのフィールド(惑星)が小さく、基本的にはゴールまでの道のりは一本に絞られています。このため次にどこに行けばいいのかがはっきりとしていて、ほぼ迷わずにゴールに到達できるようになっています。
また球状地形は平面地形に比べ全体像が把握しやすく、そのわりに走れる面積も大きいため、「迷いにくさ」と「自由に走り回る楽しさ」がある程度両立できています。
・「半固定カメラ」を多用した、カメラ操作の手間が少ない視点
半固定カメラというのは僕が勝手につけた名前です ヽ(・ω・ ノ)
これはつまり、なんらかの「軸」や「点」といった制約にそって動くカメラのことです。
例えば球状地形では、ほとんどの場合カメラは常に球の中心点を向くようになっています。マリオを上の方から見下ろすような視点ということです。
この視点ならばマリオの周囲が見やすいのはもちろん、球状地形なのでわりと遠くの地面まで見ることができます。通常の平面地形だと、真上からのカメラでは遠方が見えないですよね。
他の例として円柱地形などがあります。この場合円柱の中心軸に向かって常にカメラが向いていて、円柱のどこに立ってもカメラがマリオを上の方から撮るようになります。
この他、常に一方向から見る視点(カメラが回転しない)なども多く使われています。
どの半固定カメラもマリオの周囲の状況がほどよく視認できるよう調整されており、かつカメラ操作(Wiiリモコンの十字キーで行う)の必要性はだいぶ低く抑えられています。
従来の3Dマリオは「とりあえず3Dのフィールドを用意して、カメラ操作はプレイヤーにおまかせ」といった感じが強いのですが、今回のマリオはカメラ操作を極力減らすために、地形デザインの段階からかなりの工夫がこらされているようです。
それでいて、カメラを固定しすぎて見た目が地味になるようなこともありません。
・自由度は若干低下
このへんの説明からなんとなく読み取った方も多いと思いますが、今回のマリオは今までに比べやや自由度が落ちています。
惑星1つ1つが小さいぶん、広いフィールドを自由自在に探索する楽しさは減少しましたし、カメラをいつでも好きなように動かしたいという人からすると不満に感じるところもあるかもしれません。
しかし優れたゲームデザインをするには割り切ることが大事だと思います。
3D空間で自由にマリオを動かすという楽しさを抽出するため、それを阻害する要素(道に迷うこと、カメラ操作の手間など)をそぎ落とすことを優先したわけです。
何を最も重要視すべきかが明確に見えているからこそできる判断だと思います。
引き締まったゲームバランス
今回の3Dマリオには1つ大きな変更点があります。それは「ライフが3つしかない」ということ。
ちなみに「スーパーマリオ64」のライフは8つです。「スーパーマリオサンシャイン」もどうやら8つらしいですね。
「誰にでも遊べる3Dアクションを」ということで難易度は下がっているかと思いきや、むしろこのライフ数のせいでマリオが死にやすくなっているのです。
クリボーが相手でもちょっと油断するとあっさり死んでしまいます。
しかしライフが少ないからこそよりゲームを丁寧に遊ぶことができるようになっているのです。
ライフが大量にあると、多少ダメージを喰らっても何となくクリアできてしまいます。そのためプレイが雑になったり、ほとんどのステージは一度クリアしておしまい、ということになりがちです。
死にやすいゲームバランスになったことで緊張感が生まれ、クリアしたときの達成感が増えています。またリトライ回数が多くなることにより、より短時間でステージを攻略する方法がわかってきたりして、上達する楽しさも大きくなっています。
残機数はわりと増えやすく、リトライポイントが適度に設置してあるので、ミスするたびにまた長いルートをやり直しということもありません。およそちょうどいいバランスだと思います。
こういった軽い緊迫感や「死んで覚える」難しさは、ちょっと昔のゲームを思わせますね。
ちなみにライフ回復アイテムとしてコインがステージに用意されていますが、いつでもたくさん取れるような配置にはなっていません。これも程よいバランス調整の一環になっています。
Wiiリモコンを使った仕様がアクセントに
・息抜きにちょうどいい(?)おまけステージ
通常のステージとは別に、Wiiリモコンを使った特殊操作のステージが途中いくつか用意されています。
たとえば縦にしたWiiリモコンを傾けてボールを転がしゴールを目指すステージや、横にしたWiiリモコンをひねって進行方向を変えるレースゲームのようなステージ、ほぼポインターのみで操作するミニゲームステージなどもあります。
・便利な空中スピン
Wiiリモコンを振るとスピンというアクションができるわけですが、これを空中で使うと何かと便利です。
空中スピンをするとちょっとだけマリオが浮くので、着地点を調整したいときにしばしば使います。
3Dアクションはなにかと位置がズレることが多いので空中スピンは個人的にお気に入りです。
・ポインター操作はやりこみがいがあるかも?
ポインターでスターピースを集めたり敵にぶつけたりできるわけですが、これってマリオの操作とはほぼ分離しているんですよね。
なので上手い人なら、マリオをノンストップで動かしつつポインターも同時に使いこなすような、かなりテクニカルな遊び方もできるかもしれません。
逆にアシストプレイ時はポインター操作をまるごと2Pに任せることもできるので、プレイヤーのレベルによって使い分けられそうです。
さいごに
自分で書いといてアレですが、レビュー長すぎです ヘ( `Д´)ヘ
それだけ評価したい部分が多いものだと解釈してもらえれば。
グラフィックや音楽の水準もかなり高く、丁寧に作りこまれているのがひと目でわかります。
それから値段が安いのもいいところ。定価5800円(税込)です。
うちの近所では5000円弱で買えました。ゲームのボリュームを考えると結構おいしいですね。
おまけ。ゲーム内の小ネタを2つ。
・ヌンチャクを振ってもスピンができる
・空中でスピン→ヒップドロップと連続入力すると、近くにいる敵などに向かって落下する追跡ヒップドロップができる
ひょっとしたらマニュアルとかに書いてあったりするかもしれませんが。
・・・たぶん書いてないよね?