熊本市の慈恵病院が運営する「赤ちゃんポスト」(こうのとりのゆりかご)に預けられた子どもの養育や人権を考えるパネルディスカッションが23日、熊本市の熊本学園大であり、パネリストの蓮田太二・同病院副院長、黒田信子・県中央児童相談所児童相談課長、鈴木博人・中央大教授がそれぞれの立場から提言した。県弁護士会などが共催する「子どもの人権研究会熊本大会」の一環として開かれた。
養子縁組制度などの充実を通じ、預けられた子どもを施設ではなく、早期に家庭で育てることの大切さを強調した蓮田副院長は「命が救われても、幸せになってもらわないと(私たちが)責任を果たしていると言えない」と語った。鈴木教授も「子どもの年齢が上がっていくほど親子関係の構築が難しくなる。なるべく早く処遇した方が育てやすい」と賛同した。
黒田課長は、養子として引き取られた子どもの出自を本人に告知することに関して「言われなくても子どもは薄々感じている。告知して新しい親子関係を築くことが大切だ」と指摘した。
=2008/11/25付 西日本新聞朝刊=