県は第1回県自治体病院支援対策本部会議を開き、県内の自治体病院25施設を対象に行った経営状況の実態調査結果を報告した。調査の結果、約半数の病院が「緊急、または1、2年以内に経済対策が必要」と判断された。
県自治体病院支援対策本部は、銚子市立総合病院の診療休止問題などを受け、堂本暁子知事を本部長として9月に設置。調査は9月24日から11月6日までの約1カ月半で、経営改善に向けたこれまでの取り組みや経営上の問題点など、7項目について聞き取り調査などが行われた。
調査の結果、病院事業の主な経営指標とされる「病床利用率」で、「経営安定」とみなされる7割を下回ったのは11施設。また医業収益に占める職員給与の比率が51%以上となったのは16施設で、全体の約7割となった。
経営悪化に陥り「経済対策が必要」と判断されたのは半数に及び、このうち病院と各自治体が一体となった経営検討委員会が設置されていたのはわずか4施設だった。
県医療整備課は「銚子市立総合病院の問題以来、公立病院に不信感を抱いて看護師が集まらなくなった病院もある」と指摘している。堂本知事は「調査結果を踏まえ、自治体病院に対しての施策をできるだけ早く行いたい」と話した。【斎藤有香】
毎日新聞 2008年11月25日 地方版