MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

ニュース: 経済・IT 金融・財政産業・ビジネスIT写真RSS feed

【主張】中間決算 逆風を体質強化の好機に

2008.11.25 02:40
このニュースのトピックス主張

 企業の中間決算がほぼ出そろった。今年9月以降の米国発金融危機の拡大で経済情勢が一気に悪化し、多くの企業が業績見通しの下方修正を余儀なくされた。厳しい経済環境下で危機をいかに克服していくか。経営者の手腕が問われる状況である。

 中間決算は、金融危機の直接的影響で大幅な減益となった金融機関だけでなく、多くの企業が減収減益となった。輸出減と信用収縮で先行き不安が拡大し、生産や受注が急激に縮小した。

 新光総合研究所がまとめた上場企業(金融除く)の中間決算集計によれば、21年3月期決算も前年同期に比べて純利益が約26%減る見通しだ。14年3月期以来7年ぶりの減益予想である。

 業種別では自動車業界の不振が目立つ。トヨタ自動車は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比で54%の大幅減となった。電機業界も総じて厳しく、ソニーも営業利益が前年同期比63・7%減って、21年3月期の収益見通しを大幅に下方修正した。

 日本企業の中でも競争力があるとされてきたトヨタやソニーの業績悪化は、世界経済の急激な減速ぶりを印象付けるものだ。

 7〜9月期の国内総生産(GDP)の速報値は年率換算で0・4%減だった。約7年ぶりの2四半期連続のマイナス成長だ。10〜12月期は金融危機が深刻化した今年9月以降の状況が反映されるため、3期連続のマイナス成長を覚悟せねばならないだろう。

 しかし、日本企業のすべてが元気を失っているわけではない。携帯型ゲーム機で新たな需要を創出した任天堂は最高益を記録している。電機業界ではパナソニックが最高益を達成し、三洋電機の買収も発表した。三洋を統合し、成長が期待される燃料電池事業などを強化する狙いである。

 海外企業の買収に乗り出す日本企業も目立つ。M&A(企業の合併・買収)調査・仲介会社のレコフによれば、日本企業による海外企業に対するM&A総額は、今年に入って10月までの累計で前年同期の約3・7倍に増えた。株安や円高を業績拡大の好機ととらえる企業は少なくない。

 収益環境が厳しい時こそ、次の飛躍に向けて企業の知恵と戦略が問われる。先の深刻なデフレを、逆に企業の体質強化のきっかけとしたように、ピンチをチャンスに変える発想の転換がほしい。

PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。