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SCEJ、「“美・画面”な“PSP-3000”」国内でも発表
PS3経由で離れた相手と対戦が可能になるなどサービス的にも進化

9月2日 発表

【プレイステーション・ポータブル (PSP-3000)】
10月16日 発売

価格:19,800円 (バリューパック:24,800円)

ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンのプレジデントを務めるショーン・レーデン氏。恒例の「内ポケットからPSPを取り出す」を行なった
 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの国内向け販売を担当しているソニー・コンピュータエンタテインメントジャパン (SCEJ) は、プレイステーション・ポータブルの新型機「PSP-3000」を10月16日から19,800円で販売すると発表した。同時に各種アクセサリも発売される。

 「PSP-3000」は8月21日にヨーロッパにおいて発表され、日本でも発売されることは明らかになっていた。大きさや重さに変更はないが、画面表示が美しくなったほか、マイクロフォンが内蔵されるなどハードとして進化している。

 9月2日に都内で行なわれた「PSP『プレイステーション・ポータブル』年末戦略発表会」では、同社のプレジデントを務めるショーン・レーデン氏が登壇。PSPの現況とPSP-3000の商品説明を行なった。

 PSPの現況については2007年9月に発売したPSP-2000が好調で、ショーン氏は「すばらしいスタートを切った」と表現。「今年の全コンシューマゲームハードウェアの1/3を占めている」と数値を引き合いに出し、好調が続いていることを説明した。またハードの販売台数の伸びに合わせ、ソフトウェアも同時に伸びていると言い、現状を「典型的なポジティブ・スパイラル局面」と言い表わした。

 同時にユーザー動向についても触れ、「ゲームもやっているが、ほかにもたっぷり使っている」とその傾向を分析。データによれば「(ゲーム以外に) 特になし」というユーザーは全体の16%に留まっており、「音楽を聴く」を筆頭に、動画、写真、Webブラウジングなど様々な用途で使用している。ショーン氏はPSPをもじって「“プレイステーション・パーソナル”とも言える」と表現。「ライフスタイルのひとつの道具となっている」と続けた。

 ここでショーン氏が胸ポケットから取り出し前方に掲げたのが、発表会の目玉となるPSP-3000。PSPの最も大きな特長である大きな液晶について「PSPの顔は液晶。それが進化した」と切り出した。画面サイズは4.3インチで480×272ドットという点では、これまでのPSP-2000と違いはないが、コントラスト比などが向上し、残像感の少ない映像も実現している。

 しかし、ショーン氏は「液晶だけではない。マイクも内蔵している。ゲームのデザインに役立たせることができる」とし、マイクを使用した新しいゲームの登場に期待しているコメントを残した。さらにユーザーからの要望が大きかったという「インターレース出力対応」についてもアピールする一方で、「PSPの特長のひとつ、カラーバリエーションを始めから用意している」と、ピアノ・ブラック (PSP-3000 PB)、パール・ホワイト (PSP-3000 PW)、ミスティック・シルバー (PSP-3000 MS) の3色を同時に発売すると発表した。

 ショーン氏はここでバリューパックに話題を移した。バリューパックは3色それぞれ用意され、価格は24,800円。本体のほかにバッテリーパック、ポーチ、ストラップ、クロス、そしてメモリースティックPRO Duo (Mark2) が同梱される。メモリースティックPRO Duoの容量は4GB。安くなっているとはいえ、大容量のメモリが用意されている。これは、前述のユーザー動向を参考にした結果だろう。ショーン氏は「PSPのデモや、PS oneのダウンロードコンテンツ、音楽やビデオを楽しめるように」と説明している。

 これらを総合しPSP-3000のプロモーションコンセプトを「美・画面 PSP」と発表。「画面がシャープになっている。私は自信を持っている。継続的に欲しい機能を入れていかなければならない」と今後もPSPを進化させていくことを表明した。

PSP-2000は軽さがクローズアップされたが、今回は「一言で言えば“美・画面 PSP”」とショーン・レーデン氏は紹介 会場に置かれたPSP-3000とPSP-2000を比べたデモ。この写真では斜めから撮影しているために一概には比較にならないが、PSP-3000のほうが自然な映りを実現している PSP-3000とPSP-2000の裏側の比較。ほぼ変わりがないが、UMDスロットカバーの円が、PSP-3000の方が細くなっているのがわかる
会場に展示されていたPSP-3000の3色のカラーバリエーション。左からピアノ・ブラック (PSP-3000 PB)、パール・ホワイト (PSP-3000 PW)、ミスティック・シルバー (PSP-3000 MS)。それぞれ若干キラキラとしており、PSP-2000とは表面加工が違っている
「PSP-3000」のポイントとして紹介されたスライド。画面が美しくなった点が最も大きいが、続いて紹介されたマイクが内蔵された点も大きい。ショーン・レーデン氏もマイクを利用したゲームの登場が期待されるといった発言を行なっている。また、ユーザーからの要望が多かったゲーム画面のインターレース出力対応もアピールした
弊誌では既報の通り発売予定日は10月16日で、価格は19,800円と従来と変わらず PSP-3000のバリューパック。楽しむために必要なものが一通り揃うが、なんと言っても大きいのはメモリースティックPRO Duoの容量が4GBという点だろう バリューパックの商品構成を示したスライド。各カラーバリエーションごとに用意されている



■ システムソフトウェアのアップデートで機能追加を加速

アドホックモード対応ソフトでも、PS3を経由することで遠く離れたユーザーと遊ぶことができる機能を実現。PS3側でテキストチャットとボイスチャットが可能なのが大きい
 ハードウェアの進化とは別に、PSPはシステムソフトウェアをバージョンアップさせることで様々な機能を手に入れ進化してきた。ショーン氏も「ハードだけではダメ。ソフトウェアも、サービスも拡大させていきます」と語っている。

 ソフトウェア、サービス面での進化について、まず登場したのがPSPのPLAYSTATION Storeへの対応。これまでPLAYSTATION Storeに対応していたのはプレイステーション 3とPCのみだったが、秋に行なわれるPSPのシステムソフトウェアのアップデートにより、PSPから直接PLAYSTATION Storeにアクセスすることができるようになる。PSPのデモや、PS oneのゲームを楽しめるゲームアーカイブスをWi-Fiが繋がればPSP上から直接購入することができるようになる。

 実は先日発表されたSCEJの発売カレンダーで「勇者のくせになまいきだor2」と「BLEACH〜ソウル・カーニバル〜」の2タイトルが、パッケージ版の発売と同時にダウンロード版も発売されることが明らかとなっているが、このバージョンアップを見越してのことだったわけだ。つまり、PSPがPLAYSTATION Storeに直接繋がることで、新作タイトルもダウンロードして購入して楽しめることになる。これは携帯ゲームとしては大きな変化のひとつと言えるだろう。ショーン氏も「一気にビジネスを拡大できる」と期待をかけている。

 さらに、PS3でサービスが行なわれて人気を集めている「まいにちいっしょ」だが、PSPでも楽しめるようになる。ショーン氏は「無料でダウンロードしてもらえれば」とコメントしているので、PS3版同様、アプリケーションを無料でダウンロードすれば、毎日新しいコンテンツが楽しめるようになるものと考えられる。

 そして、さらにゲームユーザーとしては大きな話題が発表された。PSPにはアドホックモードに対応したタイトルが多数発売されているが、これまでは通常、PSPを持ち集まって楽しむしかなかった。しかし、PS3を経由してPLAYSTATION Networkサーバーにアクセスすることで、なんと離れた相手ともアドホックモードのゲームがプレイできるようになるのだという。ショーン氏は「みんな家に帰ったら遊べない。しかしこの機能を使えば、家に帰って『モンスターハンターポータブル 2nd G』を遊び続けることができる」とコメントし、「PS3とPSP、繋がっているフォーマットだからこそこういったことができる」とプレイステーションの総合力をアピールした。

 この機能については詳しくは後日発表される予定だが、いくつか明らかになっている点を挙げると、ただ単にPSPからPS3を経由してゲームをプレイすることができるだけではない。発表会で映し出されたスライドによれば、PS3側で同時にテキストチャット、ボイスチャットを行なうことができるようだ。ゲームしながらテキストチャットは現実的ではないが、ボイスチャットであれば十分利用できる。

 この機能はシステムソフトウェアのアップデートではなく、PS3にアプリケーションをインストールすることで対応する予定。アプリケーションは無料で提供され、インストールすることで対応ソフトウェア (ゲームのタイトル名) が表示され、選択するとユーザーが立てた部屋を表示。マッチングが行なわれるという。各ユーザーの通信状況なども表示され、それを参考にゲームに参加することもできるほか、PLAYSTATION Networkではフレンド登録機能などもあるため、それらの機能とリンクさせることも検討されている。

 PSP-3000だけではなくPSP-1000、PSP-2000もこの機能を利用することはできるが、問題はPS3側にある。無線LAN機能を持つPS3は大丈夫だが、PS3 20GBモデルは無線LAN機能を搭載していないため、この機能を実現することができない (PS3とPSPをアドホックで接続する必要があるため)。この点ではハード的に対応できないということで残念だ。

 また、アドホックモードに対応するソフトは多数発売されているが、全てのソフトでこの機能が利用できるのかと言えば、現状はそうではないという。しかし同社では秋のアップデートで全てのソフトのアドホックモードを楽しめることはできないが、順次検証し対応させていく予定ではあるという。とりあえず発表会で発表されたスライドにあるように「モンスターハンターポータブル 2nd G」の対応は最優先で行なわれているようだ。

 ハード的な進化はもちろん、ソフトウェアで新たな楽しみが広がる進化については、どんどんと実現させていって欲しいところ。ショーン・レーデン氏は馴れない日本語で「我々は遠慮無く進化する」と力強く挨拶。今後の進化にはその言葉通り期待したいところだ。

ショーン・レーデン氏は、発表会冒頭からPSPの現況、PSP-3000の説明、ソフトウェアのバージョンアップなどについての説明を行なった フォトセッションの冒頭、プレゼンテーションを行なったサードパーティ各社と握手をしてみせたショーンレーデン氏。写真はスクウェア・エニックスの橋本真司氏と握手しているシーン 本日の登壇者が一堂に会し、新しいPSP-3000をそれぞれが持ち、フォトセッションを行なった
「PSP-3000」をアップにしたところ。画面下のボリュームとPSPロゴの間の穴がマイク。またHOMEボタンがPSPボタンに変更になっている。そして側面の丸みが若干変更されている。これは持ってみるとわかるだろう 秋にPSPのシステムソフトウェアがバージョンアップとなる。その中で大きいのがこのPLAYSTATION StoreにPSPからWi-fiを通じアクセスできるという点。PS oneのソフトなどをPSPから直接購入しダウンロードできる これまたファンにはたまらない「まいにちいっしょ」がPSPでも楽しめるという点。毎日コンテンツがアップデートされるし、アップされたコンテンツをちょっとした時間で楽しめるという点では、楽しめるコンテンツとなりそうだ
PSPのハードウェア、ソフトウェアの販売数の推移を現わしたデータを引用し、PSP-2000が発売されてから好調であると説明 2008年の国内販売状況。1,000万台を超えたことが大きいだろう。SCEJによれば、カプコンの「モンスターハンターポータブル 2nd G」発売以降も伸びているとコメント ユーザーのPSPの利用状況も明らかにされた。ゲームだけに使用しているユーザーは16%と少数派。動画や音声、Webブラウジングなど様々な用途で使用していると分析した
同時発売アクセサリ。2GBのメモリースティックPRO Duo (Mark2) やポーチなどがパックとなったアクセサリパックが3,800円。2,200mAhのバッテリーパックも、パール・ホワイトのバッテリーカバーと、ミスティック・シルバーのバッテリーカバーの付いたものがそれぞれ発売となる 会場に展示されていたポーチ。カラーバリエーションに合わせ、ピアノ・ブラック用とパール・ホワイト、ミスティック・シルバー用の2色が用意されている。PSP-3000専用というわけではなく、PSP-1000、PSP-2000でも使用可能。価格は1,800円
アクセサリのひとつPSP-2000/3000用クレードル&D端子ケーブル メモリースティックPro Duoをはじめとした4点セットの「アクセサリーパック」 2,200mAhのバッテリーカバー付きバッテリーパック
PSP-3000単体の商品パッケージ。カラーはピアノ・ブラック PSP-3000バリューパックの商品パッケージ。カラーはパール・ホワイト PSP-3000とPSP-2000の広報写真の比較。こうしてみると、左右が丸みを帯びているのがわかるだろう


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□プレイステーションのホームページ
http://www.jp.playstation.com/
□ニュースリリース
http://www.jp.playstation.com/info/release/nr_20080902_psp3000.html
□関連情報
【9月2日】SCEJ、新型PSP「PSP-3000」発売日と価格決定!
10月16日発売で19,800円
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080902/psp1.htm
【8月21日】SCEJ、「PSP-3000」を10月にも発売
画面輝度などが向上したディスプレイを搭載。マイクも内蔵
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20080821/psp3000.htm
【2007年8月9日】写真で見る、外部出力対応、メインメモリ倍増の「PSP-2000」
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20070809/psp2.htm

(2008年9月2日)

[Reported by 船津稔]



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