医師増員と医師研修制度の充実など「地域医療の再生」を国に求めようと、県内の医療関係者が24日、医師と医学生を対象とした署名を募る会を結成した。関係者は「医師と学生が自ら声を上げ、国や地域社会に訴えよう」としている。
署名活動は全国的な取り組みの一環。「医療崩壊の根底には医師不足があり、国の責任で増員をすべきだ」として、邉見(へんみ)公雄・全国自治体病院協議会会長らが7月から全国に呼び掛けている。
県内では、各地の医師会などが中心となり、8月から活動を開始。医師と、宮崎大学医学部などの医学生計約3200人のうち、過半数の署名集約を目指しており、これまでに約330人分の署名を集めている。
宮崎市で開かれた結成集会では、(1)勤務医が働き続けられる抜本的な施策を早急に講ずる(2)大幅な医学部定員増と医学部の教育体制拡充(3)指導医確保と医師研修制度の充実(4)これらに必要な予算措置‐を決議。宮崎大医学部3年の黒木史仁さんが「医学部生も現在の状況でよりよい医者になれるか、将来に不安を覚える。医師側から国や社会に訴え、医療崩壊を阻止する」と決意を述べた。
講演した邉見氏は、医療崩壊対策として、低医療費政策の撤廃や大学教育の変革などを挙げたうえで、「地域住民と医療界が一体となった医療が求められる」と訴えた。
=2008/11/25付 西日本新聞朝刊=