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ネットウォッチング

2ちゃん削除には300人のスタッフ、「“どこの板担当”ということはない」

ひろゆき氏VS山本一郎氏、第2回口頭弁論 19日

渋井 哲也(2007-03-20 12:24)
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 会社役員の山本一郎氏(34)が巨大掲示板「2ちゃんねる」の管理人西村博之氏(30)を名誉毀損で訴えた裁判の第2回口頭弁論が3月19日午後、東京地裁で開かれた。

■傍聴券交付だが、全員傍聴

2ちゃんねるの板削除には、西村氏自身も「毎回ではないですが」関与している
 第1回口頭弁論で西村氏が出廷したことで、2ちゃんねるやマスコミで話題を呼び、社会的関心を呼んでか、今回は傍聴券が交付されることになった。

 傍聴券は52。記者は13時20分ごろから並び、整理番号「2」。受付で問い合わせる人も多く、抽選になる可能性もあったが、抽選時間の同40分、並んだのが49人で、整理券を配布された全員が傍聴券を獲得。その後、法廷前で傍聴券を求めた人もいたために、満席となった。

 13時55分、山本一郎氏の代理人・小倉秀夫弁護士が原告席に着く。前回に続き、山本氏本人は現れなかった。14時になっても、西村氏が現れず、若干、傍聴席がどよめくが、3分過ぎ、西村氏が現れ、被告席に着いた。その際、すでに山本氏側から膨大な資料を提出しており、それを見た西村氏は「すげえ」とひと言漏らした。5分すぎ、開廷した。

 同訴訟は、山本氏が(1)2ちゃんねる上の書き込みの内容が名誉毀損にあたると主張し、(2)名誉毀損にあたる書き込みの削除を要請していること、(3)今後、「山本一郎」や「切り込み隊長」などとあるスレッドを立てないようにすること――を求めている。

 これに対して、西村氏は(1)訴状の郵便が届くまで書き込みの内容を知らず権利侵害を知り得ない、(2)訴状が届いた後は、一連の書き込みを削除した――などとして山本氏側の訴えを認めていない。

■山本氏側、膨大な資料を提出

 同日の口頭弁論では、山本氏側はさらに膨大な資料を提出。小倉弁護士によると、その資料は、削除等を要求している2ちゃんねるの「投資一般板」にある、山本氏への誹謗・中傷がある書き込みのコピーと、Googleや2ちゃんねる検索で「山本一郎」とのキーワードで検索した結果のコピーなど。

 「投資一般板」の削除人は誰か、と裁判長に問われた西村氏は、「300人のボランティアスタッフがいますが、(ある特定の削除人が)どこかの板を担当しているということはない。もちろん、(スタッフを)認定するのは僕ですが」と答えた。

 また、「その削除に、西村さんが関与しているのですか?」と問われ、西村氏は「毎回ではないですが」と一部の関与は認めたが、どのように関与しているかは明らかにしなかった。

 その際、小倉弁護士が「板ごとに決まっているわけではないが、300人のスタッフがいるということですね?」と聞かれ、「はい、そうです」とした。

 また、求釈明の一部に答えていない部分があったことには、西村氏は「答えたつもりなんですけど」としながらも、裁判長に「答えるかどうか、それは西村さんの判断です。本件と関係ないので、答えないでもいいですよ」などと説明され、納得していた。

 さらに、裁判長は「細かく書面でやりとりするよりも、山本さんは山本さんから、西村さんは西村さんから、お互いの言い分を聞いた方が早いですね」と提案すると、山本氏側は「こちらはやられているのは間違いないんで、今度どうしてくれるのか、というのを知りたい」と言うと、裁判長は「西村さんが否認している部分もあるので」と、「事実」確認を含めて、争点になっていることを改めて示した。

 次回の口頭弁論は5月7日。

■「強制執行のやり方は考えている」と小倉弁護士

 閉廷後、小倉弁護士は記者らのインタビューに答えた。

――西村氏の求釈明の回答について

小倉 書面では否認が多かった。しかし、スレッドの部分は漠然としていて、細かくは答えていない。

――第2回口頭弁論を終えてどう考えるか

小倉 (裁判の流れは)西村氏本人に証言させようということですよ。名誉毀損訴訟なんだから、西村氏が真実かどうかを明らかにする責任があるんです。

――なぜ、いまのタイミングで訴えているんでしょうか?

小倉 (問題となってる山本氏に関するスレッドが)80を超えているのは異常ですよ。過去ログに収録する時点で、消すこことは可能なはず。

――今後、勝ったとして、西村氏は賠償金を払ったり、スレッドを立てないような要求に応えると思いますか?

小倉 無視するんじゃないですか?

――では、どうするのですか?

小倉 強制執行のやり方は考えていますが、いまは内緒です。

■「なぜニュース性があるのか?」と西村氏

一方、西村氏も、記者らの質問に答えた。

――出廷した際、膨大な資料が目に前にありましたが、どう思いましたか?

西村 紙資源の……(笑)。裁判のなかでは1回も扱われないのかな。

――笑っていましたよね?

西村 これ、持って帰るのかな、って。

――全部読むのですか?

西村 公式には「読まない」とは言いづらいですね。

――今回も、山本氏は現れませんでしたが……。

西村 本人が来たいかどうかの問題で、来たくなければ来ないんじゃないですか。

――前回、山本氏の顔を見たいと言っていて、今回も現れませんでしたが、次回は出廷するのですか?

西村 微妙ですね(笑)。

――今回は、傍聴券交付になりましたが。

西村 でも、全員入れたんですよね?いいんじゃないですか。

――前回よりも、マスコミが来ていましたが。

西村 仕事をしているって感じですね。でも、未だになぜ、ニュース性があるのかがわからない。

――西村氏が出廷しているからでは?

西村 僕が出廷していることに、何の意味があるんでしょうか。

――毎日新聞の連載「ネット君臨」に関連して、取材した記者が取材内容を無断で録音したうえ、その録音した内容を西村氏に聞かせたとして、毎日新聞と取材記者を相手に訴えている人物が西村氏と会ったとの報道がありますが、本当に直接会ったのですか?

西村 それ言ってしまうと、面白くなくなるじゃないですか。興味津々なんで、様子を見ているところです。

 (ユナイテッド・フィーチャー・プレス)

 【編集部注】記者の申し出により、文意をわかりやすくするため、一部修正いたしました(2007/3/20 12:50)

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