小春日和の桃太郎スタジアム(岡山市)に大声援がこだました。Jリーグ2部(J2)昇格に“王手”をかけたファジアーノ岡山の注目の一戦をスタンドで観戦した。
さすがに、ホームでの最終戦ということもあって、観客席のほとんどがファジアーノを応援する地元ファンで埋まった。サポーター席にチームのエンブレム(紋章)が入った縦二十メートル、横三十メートルの巨大フラッグが広げられると、どよめきが起こった。
本紙紙面も応援に一役買った。チームカラーのワインレッド色に印刷された当日の紙面を、選手の入場に合わせて観客一人一人に一斉に広げてもらった。スタンド全体がワインレッドに染まる光景は壮観だ。
試合は前半戦の途中、レッドカードで一人を欠く厳しい展開となった。しかし、選手たちは相手の攻勢を必死でしのぎ、引き分けた。J2昇格への条件クリアは二十四日以降に持ち越された。
スタンドで「夢パス」を首に下げた子どもたちを多く目にした。今年からホームゲームで、小学生以下を入場無料としたファジアーノ独自のパスだ。家族そろってのサッカー観戦は、ほほえましい。
岡山初のJチーム誕生という大きな夢が近づいてきた。子どもたちに夢を届けるためにも、スタンドの声援はもちろん、地域の熱い支援が欠かせない。