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東国原騒動再び? 国政転身「即入閣ない限りない」 知事が微妙な発言

2008年11月23日 11:03
[ワッペン・特報2008]
 ●中山前国交相と10月には密会 出馬意向示していた

 衆院解散・総選挙が取りざたされていた10月初め、失言で国土交通相を引責辞任した中山成彬衆院議員と東国原英夫宮崎県知事がひそかに面会し、宮崎1区の候補者問題を協議。知事が自民党推薦の無所属で立候補する意向を示していたことが22日、関係者の話で分かった。国政転身問題はその後沈静化したが、今国会の会期延長が確実な情勢となり政局の緊迫度も強まる中、知事は再び“意欲”を示唆。騒動再燃の兆しが出てきた。

 自民党や地元関係者の話を総合すると、両氏は10月2日夜、宮崎市内で会談。国交相を辞任したばかりの中山氏は、次期衆院選には立候補しない考えを伝え、知事に出馬を促した。

 知事も意欲を示し「公示日に出ても通ります」「自民党公認じゃなくて、推薦でいい」などと語る一方、中山氏の後継者と見なされることへの拒否感を伝えたという。

 2日後、中山氏は記者会見し、衆院選不出馬を表明。後継候補について具体名は明かさなかったものの「国のため一身をなげうつという気持ちを持った方」と語り、知事の存在を示唆。その4日後の10月8日には、都内で開かれた九州横断自動車道建設促進大会で来賓あいさつをした際、同席した知事に向け「どうしても出てもらわないと困る」と決断を迫った。

 ただ、知事の国政転身問題は、県民の大半が不支持の意向を示し、解散・総選挙も先送りとなったため沈静化した。

    ■   ■

 ところが、今月20日、知事は宮崎県延岡市で開いた自身の政治資金パーティーで突然、約600人を前に微妙な発言を連発した。「国の制度を変えないと格差は埋まらない。だから制度を変えたいと言っただけ」「衆院480、参院242。722分の1になろうとは思っていない。1年生から議員になってどうのこうのと言われても、それだったら行かない」「初当選初入閣。閣僚ポストが確実でない限り、行かないですよ」

 10月の出馬騒ぎに関しても「今回、迷ったのはどういうことか」と話し始め、一転、「迷ってないんですけども…。まあ、それに関することはあったような、ないような」と言葉を濁しつつ「宮崎から歴史を変える、そんな荒業もせんないかん」と意欲を表明。「やや危うい話もしました」と講演を締めくくった。

 西日本新聞の取材に、知事は中山氏との極秘会談について「ないです」と否定し、中山氏は「今は言えない」と述べた。自民党関係者は知事の国政転身に関し「麻生太郎首相も乗り気だった」と語る。当時、党選対幹部も動き、総務相や観光特命相ポストを提示したといった話も出ている。

 中山氏の不出馬表明を受け、党宮崎県連は公募方式で宮崎1区の公認推薦候補を元参院議員の上杉光弘氏に決めたが、党本部は「中山氏と調整し、話をつけてきてほしい」と難色を示している。中山氏を盾にして知事の出馬環境を整える思惑があるとみられる。

 宮崎県庁の幹部らが「知事は今の仕事にもう飽きたという感じ。次の役を演じたいのでは」「内閣支持率は下落の一途。知事は泥舟には乗らない」などとささやき合う中、党関係者は、現在の知事の胸中を見透かしたように言い切る。

 「一度出たいと思ったら、気持ちはもう、どうにも止まらない」
(東京報道部・山口英宏、宮崎総局・郷達也)


=2008/11/23付 西日本新聞朝刊=

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