国外逃亡の脱税弁護士、フィリピン入管が旅券偽造で逮捕

　【ダバオ（比南部ミンダナオ島）＝稲垣収一】フィリピン入国管理当局は２４日、大阪地検特捜部が所得税法違反容疑で逮捕状を取っていた元大阪府議で弁護士の小川真澄容疑者（６４）を偽造旅券所持の疑いで逮捕した、と発表した。

　入管当局者によると、今月１１日、他人名義の偽造旅券でフィリピンへ入国した疑い。週内にも小川容疑者を日本への強制退去処分とする方針という。

　入管当局は今月１８日、在マニラ日本大使館からの捜査協力要請を受け、小川容疑者を追跡。日本側からの「２４日午後にマニラを出国する」との情報に基づき、２４日午前１０時（日本時間午前１１時）ごろ、小川容疑者がマニラ首都圏マカティ市内の高級ホテルに滞在しているのを確認、身柄を拘束した。小川容疑者は逃亡中、マニラ首都圏のホテルやフィリピン国内の観光地を転々としていたという。

　小川容疑者は２００６年３月、大阪市内のビルの転売益約７億円を隠し所得税２億５０００万円を脱税したとして、逮捕状が出ている。ＩＴ関連会社役員ら４人（犯人隠避容疑で大阪地検が逮捕済み）から逃走資金を受け取り、中部国際空港からマニラ入りしていた。

　逮捕当時、小川容疑者はホテルの自室を訪れた当局者に対し、本名を名乗ったうえで、旅券が偽造であることを素直に認めたという。マニラ市内の入管施設に移送された後、施設内の事務室で待ち受けた地元記者ら約１０人の前にネクタイとスーツ姿で現れ、淡々と質問に答えていた。