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Back to the 90's
アメリカの状況をみていると、日本の90年代を違った形で後追いしているようにみえる。いわば日本は、映画"Back to the Future"で未来にきたようなものだから、これからどうなるかも予測できる。今度の下院による金融危機対策の否決は、ドラスティックではあるが、日本のバブル崩壊初期に起きた拒否反応とよく似ている。
1992年の夏、私はNHKスペシャル「追跡・不良債権12兆円」という番組を担当し、金融業界の関係者に取材していた。その実態はこの公式の数字(グロスの額)よりはるかに悪く、公的資金の注入は避けられないというのが彼らの一致した見方だった。宮沢喜一首相は、この年の軽井沢セミナーで、興銀の中山素平などが設立に動いていた担保不動産の買い上げ会社に「公的資金を注入することにやぶさかでない」とのべた。
このとき関係者がみんな心配していたのは、日債銀が関連ノンバンクで1兆円を超える不良債権を抱え、インターバンクの資金が取れなくなっているという話だった。大塚将司氏によれば、邦銀がNYで開いている次長会で、日債銀の次長が「東銀は当社への資金を絞っている」と非難し、これで問題がかえって表面化する事件があった。宮沢の話には、実はこういう具体的な背景があったのだ。
しかしこれに対する一般の反応は、予想どおり否定的なものだった。日経連の永野会長は銀行の自助努力を求める談話を発表し、これにマスコミ各社も同調した。大蔵省でも、銀行局は事態が深刻であることを認識していたが、主計局は財政支出をきらい、公的資金論を封じようとした。当時、羽田蔵相にインタビューしたら、「不良債権」という言葉さえ使わず、「邦銀は健全だ」という作文を書類から目も離さずに読み上げた。大塚氏によれば、生命保険文化センター研究員の大田弘子氏は当時、産経新聞にこう書いている:
これに比べると、アメリカの今の状況は日本の92年とそう変わらない(20%ぐらい地価が下がった)が、当局の動きは速い。リーマンの破綻処理では一足飛びにに97年の山一まで行き、それに対する市場のリアクションが予想以上に大きいことにあわててAIGを救済したのは翌年の大手21行への資本注入と似ている。日本は公的資金50兆円を逐次投入して半分近くを失ったが、アメリカは一挙に7000億ドル投入することを決めた。そこまではよかったのだが、肝心の議会(つまり選挙民)が金融危機を理解していないために、日本の92年に逆戻りしてしまったわけだ。
日本の場合は、世論の反発を恐れて公的資金を封印し、いったん騒ぎは収まったが、ここで隠蔽した危機が98年に表面化したときは、もう収拾がつかなくなっていた。日本の不良債権はアメリカに比べると貸借関係も単純で、コアの規模は一桁小さかった(ネットで10〜20兆円程度)のに、それを10年かけて10倍にふくらませてしまったのだ。
だから今回のポールソン案は、遅かれ早かれ(いくらか修正して)通るだろう。Bailoutが好きな人は一人もいないが、それは避けられない。むしろサブプライムによる損失がネットで2兆ドルだとすれば、グロスで7000億ドルという今回の案は第一歩にすぎない。最終的には、金融機関の清算あるいは公的資本注入という局面が来る。しかも金融危機の及ぼす実体経済への負の外部性は、その何倍にも及ぶ。NY証券取引所は、1日で時価総額を1兆ドル以上失った。
日本の教訓は、破滅的な事態が起きないと「自助努力」論は押さえ込めないということだが、アメリカ人はリーマン破綻という「ショック療法」でも目が覚めないようだ。AIGを救済したのは、失敗だったのではないか。
追記:アメリカのブログやSNSを読むと、驚いたことに議会の決定を支持する声が圧倒的だ。英文ブログに日本の教訓を書いた。
1992年の夏、私はNHKスペシャル「追跡・不良債権12兆円」という番組を担当し、金融業界の関係者に取材していた。その実態はこの公式の数字(グロスの額)よりはるかに悪く、公的資金の注入は避けられないというのが彼らの一致した見方だった。宮沢喜一首相は、この年の軽井沢セミナーで、興銀の中山素平などが設立に動いていた担保不動産の買い上げ会社に「公的資金を注入することにやぶさかでない」とのべた。
このとき関係者がみんな心配していたのは、日債銀が関連ノンバンクで1兆円を超える不良債権を抱え、インターバンクの資金が取れなくなっているという話だった。大塚将司氏によれば、邦銀がNYで開いている次長会で、日債銀の次長が「東銀は当社への資金を絞っている」と非難し、これで問題がかえって表面化する事件があった。宮沢の話には、実はこういう具体的な背景があったのだ。
しかしこれに対する一般の反応は、予想どおり否定的なものだった。日経連の永野会長は銀行の自助努力を求める談話を発表し、これにマスコミ各社も同調した。大蔵省でも、銀行局は事態が深刻であることを認識していたが、主計局は財政支出をきらい、公的資金論を封じようとした。当時、羽田蔵相にインタビューしたら、「不良債権」という言葉さえ使わず、「邦銀は健全だ」という作文を書類から目も離さずに読み上げた。大塚氏によれば、生命保険文化センター研究員の大田弘子氏は当時、産経新聞にこう書いている:
金融機関の不良債権買い上げ機関の目的として通常いわれているのは、信用システムの安定性確保である。この目的が大義名分として過度に重視されれば、結果的に金融機関の救済につながる。いま、この目的のために、公的資金を投入して買い上げ機関を設立する必要はない。(強調は引用者)今回の米議会の反応も、大田氏と似たようなものだ。金融システムの安定化を「金融機関の救済」と混同して「何億円も報酬をもらっていた奴らを何で税金で助けなきゃならないんだ」と批判し、「民間の問題は民間の自己責任でやれ」という正義感は、一般庶民には受ける。そういうとき「日債銀は危ない」などとNHKが報道したら、たちまち取り付けで倒産するので、メディアも一種の「報道協定」をしいてしまい、問題は一般にまったく知られなかった。
これに比べると、アメリカの今の状況は日本の92年とそう変わらない(20%ぐらい地価が下がった)が、当局の動きは速い。リーマンの破綻処理では一足飛びにに97年の山一まで行き、それに対する市場のリアクションが予想以上に大きいことにあわててAIGを救済したのは翌年の大手21行への資本注入と似ている。日本は公的資金50兆円を逐次投入して半分近くを失ったが、アメリカは一挙に7000億ドル投入することを決めた。そこまではよかったのだが、肝心の議会(つまり選挙民)が金融危機を理解していないために、日本の92年に逆戻りしてしまったわけだ。
日本の場合は、世論の反発を恐れて公的資金を封印し、いったん騒ぎは収まったが、ここで隠蔽した危機が98年に表面化したときは、もう収拾がつかなくなっていた。日本の不良債権はアメリカに比べると貸借関係も単純で、コアの規模は一桁小さかった(ネットで10〜20兆円程度)のに、それを10年かけて10倍にふくらませてしまったのだ。
だから今回のポールソン案は、遅かれ早かれ(いくらか修正して)通るだろう。Bailoutが好きな人は一人もいないが、それは避けられない。むしろサブプライムによる損失がネットで2兆ドルだとすれば、グロスで7000億ドルという今回の案は第一歩にすぎない。最終的には、金融機関の清算あるいは公的資本注入という局面が来る。しかも金融危機の及ぼす実体経済への負の外部性は、その何倍にも及ぶ。NY証券取引所は、1日で時価総額を1兆ドル以上失った。
日本の教訓は、破滅的な事態が起きないと「自助努力」論は押さえ込めないということだが、アメリカ人はリーマン破綻という「ショック療法」でも目が覚めないようだ。AIGを救済したのは、失敗だったのではないか。
追記:アメリカのブログやSNSを読むと、驚いたことに議会の決定を支持する声が圧倒的だ。英文ブログに日本の教訓を書いた。
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http://www.asahi.com/business/reuters/RTR200809300086.html
どう受け止めたらよろしいのでしょうか?ご教授いただけると幸甚です。
<46.8兆円の内訳は、1)破綻時の債務超過を埋める金銭贈与で18.6兆円、2)破綻機関を合併させるための不良債権買取で9.7兆円、3)資本増強(りそな銀行向けなど)で12.4兆円、4)その他(主に日本長期信用銀行、日本債券信用銀行向け)の一時的貸付で5.9兆円という。2)と3)は回収が前提になっており、4)は、ほとんどが既に返済されている>
というのは妙な文章ですね。2)と3)は回収が「前提」と書いてあるだけで、回収されたかどうか書いてない。3)は回収できるでしょうが、2)は全額は返ってこない。だから46.8兆円の半分は回収不能でしょう。
銀行が「自助努力」で償却したものも含めて、純損失は100兆円(金融庁調べ)ですが、問題はこういう直接コストよりもはるかに大きい「負の外部性」です。日本は90年代なかば以降、名目成長率はゼロで、現在の実質GDPは正常な水準に比べて10%以上低い。毎年1%ずつ低下したと考えると、15年間で500兆円近くが失われた計算になります。
---------------------
時価損失は実体経済にとって大した意味がないと思いますが、池田先生も強調したのはなぜですか。
事故米が混ざったブランド米を、一山幾らの格安で買い取って、事故米とブランド米を分別して、事故米を処分する投資家の登場が待たれます。
NHKのドラマ「ハゲタカ」の序盤で描かれた投資ファンドは、今のところ(政治・外交面から考えて)ロシアあたりにしかいないのではないか、と予想していますが・・・
http://edition.cnn.com/2008/POLITICS/09/29/miron.bailout/index.html
このMironという人は聞いたことないけど、教授じゃない学部スタッフのようです。要するに政府が不良債権を買い取る必要はなく、裁判所で破産処理すればいいということですが、彼らの「自助努力」にまかせたら、処理に何年かかるかわかってるんですかね。
Facebookでも"No Bailout"といったグループがいっぱいできています。こういう気分は、わからなくもない。かつてアメリカはS&Lで、まずbailoutから入って政治家が暗躍し、かえって処理が混乱しました。やはり最終処理(清算・資本注入)とワンセットでないと、理解は得にくいでしょう。
http://edition.cnn.com/2008/WORLD/americas/09/29/zakaria.sarah.palin/index.html
Katie Couric: Why isn't it better, Gov. Palin, to spend $700 billion helping middle-class families who are struggling with health care, housing, gas and groceries; allow them to spend more and put more money into the economy instead of helping these big financial institutions that played a role in creating this mess?
Gov. Sarah Palin: That's why I say I, like every American I'm speaking with, we're ill about this position that we have been put in where it is the taxpayers looking to bail out. But ultimately, what the bailout does is help those who are concerned about the health-care reform that is needed to help shore up our economy, helping the -- it's got to be all about job creation, too, shoring up our economy and putting it back on the right track. So health-care reform and reducing taxes and reining in spending has got to accompany tax reductions and tax relief for Americans. And trade, we've got to see trade as opportunity, not as a competitive, scary thing. But one in five jobs being created in the trade sector today, we've got to look at that as more opportunity. All those things under the umbrella of job creation. This bailout is a part of that.
一応bailoutに賛成するという結論はマケインと足並みをそろえているが、話の中身は医療がどうとか雇用がどうとか、何を言っているのかわからない。マケインが死んだら、これが大統領になるとしたら恐い。幸いオバマがかなりリードを広げたみたいだから、このまま行ってほしいですね。
このような金融商品に規制をかけるか、失敗した者に法的な責任を問えるようにするかしないとこの不公平感は消えないでしょう。
ただ経済学的には余計な規制はないに越したことはないし、山火事のように想像を超えて広がる被害の法的な責任を問うのは難しい。かと言って政治的には民主主義の原則に照らせば今回のような否決を受け入れるしかない。どのような妥協点を見出すか見ものです。
http://www.newsweek.com/id/161204
同じ号で Taro Aso の「ばらまき」政策についての記事も載っていてかなり批判的です。日本総研のエコノミストがかなりまともなことを言っているのが目を引きます。
http://www.newsweek.com/id/161160
両記事とも今週号の日本版で読めます。
私は経済学に興味をありますが、深い知識を持っていません。簡単な間違いを犯しているかもしれませんが、自分の考えを率直に述べさせていただきます。
時価総額はあくまでも資産価値のひとつの評価方法です。短期的に相場参加者の群集心理に動かされるもので、でたらめなことがよくあります。年金運用などは長期的なスタンスを取っているので、株価の日々の動きに気にしなくてもよいではありませんか。
基本的に株価相場は景気の動向を先取り反映するものですが、決して相場が下がったから景気が悪くなるのではありません。因果関係を間違ってはなりません。
また、時価総額の資産価値が減ったとしても、各産業は直接打撃を受けるわけではないと思います。
ようは、
時価総額の減少(因)→実体経済の悪化(果)
という強い因果関係は成立しないのではありませんか。
--------
日本なら安定化法案を支持する声が圧倒的になるでしょう。これはアメリカ人と日本人の大きな違いを表していると思います。
日本人はかなり社会主義的な考えをしているのに対し、アメリカ人は民主主義と市場主義を徹底しています。
民主主義のやり方は最善の方法ではないが、一番悪くない方法だと言われています。今回の安定化法案は今の危機に対する最善の方法かもしれませんが、一般国民にはこれを理解できる高度な金融知識を持っていない上に、法案が金融機関と投資家の救済策となることを心配されています。さらにこういう救済策は常態化したら、国民の利益が無視され、特定業界・団体へのばら撒きになりかねません。政府介入ではなく市場に任せることは最善ではなくても、国民にとって一番リスクが少ない方法かもしれません。
非常に合理的な考えではありませんか。
金融危機への最善対策よりも民主主義の政治が常に機能することははるかに重要です。日本政治が機能不全に陥る原因は日本人の民主主義意識の欠如ではないかと、私は思います。
誰がそんなことを言ってるの。私は、株価の下落が景況悪化の結果だといっているのです。それが資産を減らすことも間違いない。これは一例です。前にも書いたように、そのうちGDPの速報値で、本当の損失が発表されるでしょう。
DOWにしてもNASDAQにしても1年以上前からきれいな下降線を描いている。
一昨日の777ドルの下落に私たちは驚いたかもしれないが、投資家たちは、何も驚かなかったことだろう。
むしろ、次の日に485ドル上昇したことで投資家たちには、マインド(景況感)が最悪で今後も下落が進み、早晩10000ドルを割ることが明らかになった。
7月10日前後を境に原油、石炭、鉄鋼が下落し、石炭、鉄鋼は3ヶ月も経たないうちに、価格が60%も下落した。
そして、バルチック海運指数は、70%以上下落した。
今、全ての市場は下落局面だ。
これは、世界が同時に不況に陥っているのではなかろうか。
さて、全ての者がその場から逃げようとしている時に、民主主義はどのように機能するのだろうか?
ただ、現状はその常識が通じない。その理由は、
1、もともと流動性に落ちる不動産が、金融商品の一つになってしまったため、上場株並みの流動性を持ってしまい、非常に短期間でオーバーシュートしてしまった。
2、とにかくポジションを落とさざるを得ない投資家がまだたくさんおり(レバレッジを掛けていたからなおさら)、いくら安い価格でもビッドがたったらすぐにヒットされてします。そのときに理論価格は関係なくとりあえず売れればいいという行動をしてしまう。要はマーケットのデリバレッジがまだ終わらないということ。
3、全ての資産を時価評価しておらず、体力に応じて少しずつ時価評価をして損失を計上している。
結局、今後の住宅価格の下落幅よりもいつ投資家のデリバレッジが終わるか?という問題になっています。買い手が不在の状況ではまだまだ終わらないと思います。
なんか物凄い崩壊スピードですから、終わるのも想像外に早いなんてこともあるんじゃないでしょうか。
ところで、政府も相場のプレーヤーとしたら、一気買いするのも長期的には政府に利益をもたらすかもしれない、ということもアリですかね。バフェットも利益を上げてみせる、今はEconomic Pearl Harborで戦う時だと言ってますが、案外団結して買い向かおうという機運が高まるかもです。アメリカって危機になると逃げずに戦う国ですから。
ウェルズファーゴが154億ドルでワコビアを横取りしましたね。それも政府支援無しの全事業の買取ですね。シティは21億ドルでオペレーションの部分だけだったので、ウェルズファーゴのその買収の判断は驚きです。もしかすると、反転のかすかな兆しなのかもしれないですね。
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