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【ゆうゆうLife】介護 特養で看取るには(上) (2/3ページ)

2008.11.24 08:39
このニュースのトピックス
膵炎や骨折を患いながら、特養で看取られた平光ことさん(右)。痛みは抑えられ、お気に入りのスタッフに手を握られ、笑顔で写真に納まった(岐阜県池田町のサンビレッジ、写真提供)膵炎や骨折を患いながら、特養で看取られた平光ことさん(右)。痛みは抑えられ、お気に入りのスタッフに手を握られ、笑顔で写真に納まった(岐阜県池田町のサンビレッジ、写真提供)

 特養のスタッフは「弱い薬では効かないが、強い薬は副作用も強い。一般的に痛みを取れなければ病院に送らざるを得ませんが、常勤医師の投薬指示で乗り切れた」と話す。最期は「気がついたら、息が止まっていた」(家族)というほど、安らかに旅立ったという。

 「亡くなると、職員のみなさんが駆けつけて泣いてくれたんです。この場所で、母は素晴らしい時間を過ごせたんじゃないでしょうか」。祐子さんはそう思っている。

                   ◇

 ■実現は医師の対応次第

 医療経済研究機構が行った調査によると、特養の入所者のうち、約77%が「死亡による退所」だが、そのうち、実際に特養で亡くなったのは約37%。残りの62%は病院で息を引き取っている。

 しかも、病院で亡くなったことが「本人の希望通り」なのは、わずか3%。本人の希望が確認できないケースが多いが、「希望と異なる」は約17%に上り、「希望通り」をはるかに上回る。「終の棲家」のイメージと裏腹に、特養は「看取りの場所」とは言い難いのが現状だ。

 大きな理由の一つは、特養で医療が十分に提供されていないこと。全国老人福祉施設協議会の実態調査によると、“特養の医師”として、施設と契約する嘱託医の訪問回数は「週2回」が過半数で、訪問時間は3時間以下が85%以上。休日、夜間の訪問対応も約半数にとどまっている。

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膵炎や骨折を患いながら、特養で看取られた平光ことさん(右)。痛みは抑えられ、お気に入りのスタッフに手を握られ、笑顔で写真に納まった(岐阜県池田町のサンビレッジ、写真提供)
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