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2008/11/24

ビリー・ホリデイ物語

東京アウトローズさんちで、「太郎さんの味方ですよ」というので、世の中には字が読めなくても偉業を成し遂げた人がいるので、太郎ちゃんも頑張ってね、という話をしているんだが、他でもない、ビリー・ホリデイです。彼女は字が読めないので漫画雑誌ばかり見ていたというんだが、楽譜も読めなかったらしい。
「楽譜なんて、あんなの音楽がわからないヤツが必要とするアンチョコみたいなもんじゃない。あたしには耳があるわ。歌を聴く心があるわ」
いやぁ、痺れるセリフだねぇ。で、ジャズマンと娼婦のあいだに生まれた彼女は、幼くして感化院から売春婦となり、やがてジャズに出会って歌いはじめる。まだ幼さの残る少女娼婦の歌に、ハーレムの非合法ナイトクラブの客たちは涙したという。以下、エリノラというのが彼女です。



数年後、母セイディはエリノラを再び手元に引き取った。だが彼女は相変わらず外泊が多く、そんなある夜、エリノラは近所の男に強姦されてしまう。イギリスの音楽ジャーナリストが著した『ビリー・ホリディ』によると、それは1926年、クリスマス・イブのことだった。朝、当時の恋人と一緒にセイディが家に戻ると、11歳のエリノラ(彼女の自伝には10歳だったと記載)が男とベッドの中に居たのだ。エリノラはすぐに医師の診察を受け、男は有罪になったものの、親の保護と養育が充分ではないと判断されたエリノラは、1925年に補導されたときと同様、カトリックの修道女が運営する施設「よきヒツジ飼いの家」に再送致される。1927年2月まで生活した修道院は、13~18歳の黒人少女が集められた更生施設だと謳っていたが、内情は虐待や暴行が日常茶飯事のように行われ、しかも事実上の感化院であった。

1928年、セイディは娘を取り戻し、ニューヨークへと移り住む。娘を売春宿に預けて再び売春を始めるが、1929年には母と共にエリノラまでが売春の容疑で逮捕、留置されたいう記録が存在する。

やがてビリーは、禁酒法時代のハーレムの真ん中で、非合法のナイトクラブに出入りするようになった。大量のアルコールと朝まで響きわたるジャズ。無一文で、住むところも追い立てられる状況の中、地元のクラブで「Body & Soul (身も心も)」を唄うビリーに、観客は皆、涙したと伝えられる。様々なクラブで仕事をするようになったホリデイは、ハーレムの有名なジャズクラブ「ポッズ&ジェリーズ」でも唄い始めた。この頃、エリノラの父クラレンス・ホリデイはフレッチャー・ヘンダーソン楽団で演奏しており、彼女は父親との再会を果たしていた。
Wikipediaです。読んで貰えば判るんだが、メチャクチャな人生です。若くして歌手になり、美人だったので映画にも出たし、ずいぶん有名なジャズマンといっぱい共演してるんだが、一生、麻薬と悪いヒモにつきまとわれてボロボロの人生だった。で、まずは代表作のひとつ、Fine and Mellowをようつべで。



ちなみに、彼女は「白人オーケストラと仕事をした初の黒人」だそうで。白人と黒人が共演するというのは、ジャズならでは、なんだがね。そもそも白人は黒人音楽を聞かなかったので、わざわざ白人が顔を黒く塗って黒人音楽を演奏したりしていたわけです。シャネルズというのは、アレは、そんな由来がある。ビリー・ホリデイというと黒人差別とか、そういう話が多いんだが、おいら英語があまり得意じゃないので、ただ聞くだけです。ひと頃、彼女の最後のレコーディングのCDを毎日聞いていた。オールドパーの炭酸割りチビチビ飲みながら、自作の38cmバックロードホーン真空管ドライブで聞くと、すぐそこで彼女が歌ってるようで、毎晩、泣いてました。で、有名どころでサマータイムです。1936年の録音なので、こちらはまだ声に張りがある。



晩年は麻薬で身体を壊して、声も出なくてボロボロなんだが、ラストレコーディングはまた、メチャクチャいいわけです。
ラスト・レコーディング ラスト・レコーディング
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2003-11-21
これでご飯三杯行けます。彼女のブルースなんか、ルートでブツブツ言ってるだけで、ちょこっと小節効かせるだけだったりするんだが、たまんないです。彼女は微妙にテンポが遅れるんだが、そこがジャジーで気怠げでいいわけだ。で、ついでにサザンの「星空のビリー・ホリデイ」という曲。



ビリー・ホリデイを敬愛するミュージシャンは多いんだが、晩年の彼女の伴奏者であり、彼女への追悼アルバムとして作られたのが、このレフト・アローンです。
レフト・アローン(K2HD/紙ジャケット仕様)

レフト・アローン(K2HD/紙ジャケット仕様)
価格:¥ 2,520(税込)
発売日:2007-06-21
ビリー・ホリデイの後にコレを聞くと、すぐそこでマル・ウォルドロンがピアノを弾いてるような、そら、おいらの作った38cmバックロードホーンの威力というものなのか、おいらが組み立てたロシア製真空管のアンプの威力なのか、やっぱりジャズは真空管にバックロードホーンだよね。



マル・ウォルドロンは2002年に亡くなったんだが、晩年は日本人の奥さんと暮らしていました。奥さんはロリコンだったら知らぬ者ない、彩紋洋実というカメラマンです。彩紋洋実は倉橋のぞみというモデルを撮った事で知られているんだが、倉橋のぞみも彩紋洋実とともにベルギーに渡って、いっしょに暮らしてました。また、彩紋洋実には最初の夫とのあいだに出来た息子がいまして、彼はマル・ウォルドロンの養子になってます。ナル・ウォルドロンといいます。晩年、しょっちゅう来日していたマルは、おいらの知人のエロ本屋さんがよく世話してました。息子のナルは、その版元でカメラマンの修行中です。ビリー・ホリデイが歌ったブルースの魂は、日本のエロ本屋さんにまで引き継がれているのです。

コメント

ビリーホリデーって問題女だったことも魅力の一つかも。
オイラも昔一時期よく聴いた。エラフィッツ・ジェラルドなんかと一緒に。

クチナシの花が好きだったとか。よく頭に飾って唄ったらしいね。
ビリーホリデー=クチナシの花 がオイラの頭の中で固定記憶として保存されている。

おいら、ナルと深く付き合えるかは微妙だけど、
やつの生き方はダウンタウンの駄目なアメリカ人の匂いがして嫌いじゃないです(これでも褒め言葉)

マルのレフトアローーんも良いけど、キャットウオークが好きです。
はっきり言ってピアノ上手くないんだけど、何か、感ずるところがあってね。
日本人はジャズが偏見なく好きだよね。マルのLPをまだ持ってます。
黒人ミュージシャンが日本へ来ると、人種差別無く、彼らの奏でる音楽に敬意を表わすんで、彼らが親日家になるのもうなずける。
奥さんやマネージャーが日本人だって言うのもね。
それと、ケツのエロ本屋つながりはお釣りね。日本文化のウラ伝道師って言ったところかな。そう、思いますた。

兄貴!ビリーホリデイのエントリ、めちゃくちゃ嬉しいです♪

昔、原宿のとある地下の、フランスから取り寄せた素敵なレースや、造花(これはバックや帽子につけたり、リースを作ったりとアレンジ可能)や、香りのロウソクやポプリや可愛いカード等・・・女の子なら誰でも大好きな物が沢山詰まったショップで、BGMとしてビリーホリデイが流れていました。
若かった私にもその良さは十分理解出来、すぐに歌の主が誰なのかを店員に聞いて、『ビリーホリデイの真実LADYDAY』と言うビデオを購入し、毎日自分の部屋で流していました♪
その後、友達が好きで聴いているのを知り、オリジナルテープを作ってもらったりもしました♪
ここ数年は全然聴いてなかったけど、もはや家にビデオデッキもないからビデオを観ることも出来ないけど、今日久々に彼女の歌声を聴けて嬉しかったです♪

コメントする前にAmazonでビリーのCDを買ってしまいました。とんと忙しさにかまけて聴かなくなっていたから。ところでウィスキーの炭酸割。大好きなんです。フィッシュ&チップスにはターキーの炭酸割とか(笑)勿体ないと言われますが、シーバスやグレンフィディックも割ると美味しいです。今や殆どSUNTORYが販売していますが、ひと昔前は元町ユニオンで買っていました。焼き鳥なんかには、日本のウィスキー。只今角瓶の炭酸割でが普段の晩酌になっています。

10代前半の頃。
ラジオから流れてきた歌声を聞いた途端 なぜか 涙が噴出して 曲が終わってからも ワンワン泣き続けたことがありました。
恋愛をしていたわけでもなく 悩みがあったわけでもないのに。
音楽にはあまり関心がなかったので 誰の曲か分かりませんでしたが 20年くらい経ってから それは黒人霊歌というものだと分かりました。
それでも その時の声から受けた激情の所以がわからないままでしたが
この物語を読んで 始めて 分かったような気がしました。

 本来、マイナーな気持ちを表現するにもメジャーコードを使うというのが世界の趨勢と思うが、日本人だけはマイナーな気持ちをモロにマイナーコードで表現していた。もちろん、今の若者はそんなことはないが、30年ぐらい前の日本音楽はバイォリンからして、「むせび泣くよう」でなければならなかったし、河島英吾や山崎ハコなんかも、恐ろしいほどモロマイナーであった。

 そうした中にあって、マルウォルドロンは演歌好みのオジサンから美空ひばり大好きオバサンまで広く日本人の支持を集めていたジャズピアニストと言ってよいだろう。元スイングジャーナル編集長の児玉紀芳は、「自分がマルを発見した」とよく周囲に吹聴していたものだった。そして、マルの奥さんは日本人。古き良きド演歌感性にこれほどマッチしたピアニストはいなかった。

 さて、カタルシス概念というのがあって、マイナー音楽を好む好む人間が必ずしも暗い情念に彩られているわけではなく、それらをカタルシスによって浄化しているのだから、むしろ明るい性格である場合が多い。日本のド演歌を聴いてあまりの暗く重々しい調べにどんな国なのかと乗り込んでくると、意外や人々は笑顔に充ち満ち明るい表情ばかり。そこで外国人ははてと首を傾げたものであった。

 ド演歌オヤジが陽気なものであることが多いように、マルウォルドロンもきっと根は明るいオヤジに違いない。わが街のひなびたジャズ喫茶にも一度、マルウォルドロンがやってきて、生演奏したものであった。個人的に言えば、マルのピアノは食傷。「レフトアローン」でサックスを吹いていたジャッキーマクリーンの方が好みでっす。

ビリー・ホリデイはイエスの愛に目覚めたということから、歌にも神の魂が宿り、聖書に満ちた愛の歌を歌っているとされます。

黒人霊歌とゴスペルはハート、愛、イエスキリストの神なしでは歌えません。
どん底の苦しさや、差別、奴隷から解放されることへの心の嘆きや喜び
生活感がにじみ出ていますね。
グッドモーニング・ハートエイクなんかも、語りかけてくるようです。

姦淫をしていたなら、尚更、イエスの聖書に目覚めたのでしょう。

聖書には「姦淫の女」ヨハネ8章・3が彼女を震い起こしたのかも知れません。

パリサイ人や律法学者たちが「姦淫の女を石で打ち殺せと命じましたが、あなたはどう思いますか。
イエスは言われました。「あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい」。
これを聞いた、彼らは年寄りからひとり二人と出て行き、ついに、イエスだけになり、女は中にいたまま残された。
イエスは言われた、「女よ、みんなはどこにいるか。あなたを罰する者はなかったのか」。
「主よ、だれもございません」。イエスは言われた、「わたしもあなたを罰しない。
お帰りなさい。今後は決して同じような罪を犯さないように。」

http://myhome.cururu.jp/ell/blog/article/51002464610

当方もちょうど2日ほど前にようつべでビリーの画像見たり、このWikiの記載みて彼女の人生を振り返ったりしていました。
なんたる偶然。テレパシーかな?

ところでレフトアローンに出会ったのは初めてジャズに目覚めた高校3年生くらいの頃で、LPには手が出なくて代表作2曲が収録された500円のEPをもってました、現在は手元にありませんが。

ジャケットでマルの後ろに生前のビリーが立っているんですけど、これが亡霊みたいで、いいオヤジの年になった当方はこれがとっても怖い。若いころはどうということなかったんだけども。あまりに怖いのでCD買うのやめてようつべの音源でガマンすることにします。演奏についてはアイウエオ氏に同意。

字が読めなかったのは無学だったからかな。

そういえば字が読めない失読症という病気があって、
これは本人が不勉強とかそういう話ではありません。
会話は大丈夫なんです、文字がダメ。
有名人では、トム・クルーズが失読症。
彼は台本の文字を読めないから、
恋人に何度も読んで貰って、それを覚えていたのだそうです。

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