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オバマ政権の経済チームに韓国通就任へ(上)

ニューヨーク連銀のガイトナー総裁(左)、サマーズ元財務長官
 オバマ政権の経済政策チームの中心に韓国通の人物が就任する見通しとなった。総額7000億ドル(約67兆1700億円)の公的支援策を指揮する財務長官にはニューヨーク連銀のガイトナー総裁、国家経済会議(NEC)委員長にはサマーズ元財務長官の就任がそれぞれ内定したが、いずれも韓国と縁が深い人物だ。

 ガイトナー総裁は、韓国が経済危機に直面するたびに決定的なポストを務めていた。韓国が最近、米国と300億ドル(約2兆8800億円)規模の通貨スワップ協定を結ぶことができた背景にも、ガイトナー総裁の決心があったとされる。ガイトナー総裁は10年前に韓国が通貨危機に襲われた際にソウルにいた。当時国際金融担当の国務次官補としてルービン元財務長官の特命を受け、当時の林昌烈(イム・チャンリョル)財政経済部長官と会談した。「次官補では長官と格が違う」と当初会談を拒んでいた林長官は、結局ガイトナー次官補の説得を受け入れ、国際通貨基金(IMF)による金融支援条件に同意したとされる。

 ガイトナー氏は1988年に米財務省入りした後、ルービン元財務長官の後任のサマーズ元財務長官からも「若くて仕事ができる官僚」として評価を受け、今回ついに財務長官にまで登り詰めた。

 財務省時代に韓国の通貨危機、ブラジル、ロシアの金融危機を処理した経験を持つガイトナー総裁は、今回の金融危機でもニューヨーク連銀総裁の立場で火消し役の一線に立っている。今年3月には破たん危機に直面したベアー・スターンズをJPモルガンに買収させる仲介役を務め、9月には投資銀行リーマン・ブラザーズの破産処理と保険最大手AIGに対する公的支援で中心的な役割を果たした。ガイトナー氏の財務長官内定が伝わると、21日のニューヨーク株式市場ではダウ平均が500ドル(約4万8000円)も急騰した。一貫性がある公的支援に対するウォール街の期待心理の反映と言える。

 ガイトナー総裁はオバマ次期大統領と同い年で、ニューヨークのブルックリン地区出身。タイで高校に通い、ダートマス大学でアジア学を専攻。ジョンズ・ホプキンス大学で東アジア研究による修士号を取得した。中国語と日本語を駆使する東アジア通として知られる。

ニューヨーク=朴宗世(パク・ジョンセ)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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